「風貌」
「つまり、イヒヒ、あなたは前の旦那さんからカワイイ娘さんの親権を取り返したいわけだ」
とても醜い男だった。背が低くでっぷりと太っており、頭は禿げ上がっていた。時おり歪んだ唇からイヒヒという下卑た笑い声が漏れた。
「はい」
「そいつは難しい話だね、ヒヒ…あなたの元旦那は有力な議員で人望も厚い。オマケに金もたんまり持ってる。ヒヒ…汚い金をね。そんなヤツから親権を引っぺがそうってなら、相応の条件を付けさせてもらいますよ、フヒヒヒヒ…」
「覚悟はしております」
私は歯を食いしばって、その醜い弁護士の顔を睨み付けるようにして言った。
「お金は何としてでも私が工面します。だからお願いです。あのDV男から娘を取り返して下さい」
「イヒヒヒヒ…その条件というのはね、奥さん!」
男はより一層高らかに笑うと、こう言い放った。
「その覚悟ですよ、娘さんを絶対に取り返すんだというね!前の旦那さんのことは色々調べさせて頂きましたよ、イヒヒ…。失礼ながら、こういう悪党をのさばらせるワケにはいかないのです!お金は正規の料金以外、一切頂きませんのでご安心下さいね、イヒヒヒヒ…」
男はドタドタと部屋を出て行った。何というか、見た目やら何やらで随分損してる人だなぁ…。