深夜の法廷 | shingo722のブログ

shingo722のブログ

ブログの説明を入力します。

 「深夜の法廷」
 
 「ねぇ、これはあなたの問題なのよ」
 彼女は言った。
「これからどうしたいの?」
「もちろん、君と一緒に居たい」
「じゃあどうして浮気なんかするの?」
 彼女は射抜くような目で僕を見ながら言った。
「僕は君以外の女性を好きになんかなったりしない」
「それ質問の答えになってないわよ」
 おそろしく冷たい声で彼女は言った。
「好きな相手じゃなくても浮気は出来るでしょう?私が聞いてるのはどうして私を傷付けるようなことをするのかってことよ」
「もちろん、そんなつもりはないよ」
「そのもちろん、って言うのやめてくれない?イラつくから」
「はい」
 夜中の1時に起こされてこんな修羅場を迎えるとは、布団に入るときには夢にも思わなかった。というか、夢なら覚めて欲しいと思う。明日も朝早いのにだとか、どうして勝手に僕のスマホの中身をチェックするんだとか、そんなこと口が裂けても言えない。もちろん。
「とにかく、3人で会って話すしかないわね」
「いやいや、君が会うほどのことでは無いんだ、本当に。僕がもう連絡を取らなければいいだけの話だから」
「あなたって本当に人の気持ちが考えられないのね。相手の女の人の気持ちとか私の気持ちとか。じゃあどうやってこの気持ちを整理したらいいの?だいたいそれ、あなたが決めることじゃ無いわよ?」
 僕は黙り込んだ。沈黙の中に答えを求めるように。しかし、もちろんそんなところに答えは無かった。来るべき審判のときまで、僕は自分で背負った罪の重さに喘ぎながら迷宮の中を彷徨い続けていた。