陰影 | shingo722のブログ

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 「陰影」
 
 それは不思議なぐらい陰影を欠いた裸体だった。乳房にもおへそにも陰毛にも影らしきものは見えなかった。
「本当に二十歳?」
 僕はおそるおそる聞いてみた。幼い顔立ちとあどけない身体つきに不安になったからだ。あとで色々ととばっちりを喰うのは御免だ。
「そう」
 彼女は悪戯っぽく、しかし媚を含んだ上目遣いで僕を見ながら言った。16、7の小娘に出来る目付きでは無い。
 彼女はパネル写真で見るより遥かに美しく、そして若かった。それで僕は少し落ち着かない気分になった。逆のことは多々あるのだけれど。
 ひと通りベッドで戯れた後、彼女は僕の上にまたがった。下から見上げた彼女の身体にも、やはり陰影は無かった。それが無垢の象徴なのか、影を奪い取られた罪の証なのか判別がつかなかった。
「不思議よね」
 彼女は僕の上で言った。
「コレしてるときって頭の中ぼぅっとするぐらい気持ちいいのに、ぐちゃぐちゃになるぐらい色んなこと考えるの」
 僕はそんな彼女の痴態を眺めているうちにすぅっと遠近感が消失し、現実感が消え、意識が遠のいていった。
「ねぇ、全部ぐちゃぐちゃでしょ?周りも、頭も、身体も、全部ぐちゃぐちゃになって混ざって溶けちゃえばいいのよ」