友人 | shingo722のブログ

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 「友人」
 
 刹那、光が射した気がした。灰色の教室に色が付いた気がした。それまで休み時間は本を読むという行為に逃げ込んでいた。お陰で本が好きになったのはありがたかったが、活字の海をいくら泳いでも出逢えないものがあった。初めて、友人と呼べる存在に出会ったのかも知れなかった。もともと小学生の頃から人と遊ぶことは少なかったが、私立の中学校に入ってからはさらに孤立した。成績も下の上と言ったところで、授業についていくことがほとんど出来なかった。学校に行くのが苦痛だった。
 君と出会ってから少しずつ、嫌な行事が減っていった。遠足の班決めも、学園祭で校内をうろつくことも、苦痛では無くなっていった。
 あれから20年近く経った今、君は何をしているのだろう?高校を出てから徐々に会うことは減っていき、もうずいぶん会っていない。しかし、君のお陰で暗く長い学生時代のトンネルをなんとか抜けることが出来て今がある。いくつかの心楽しい思い出も出来た。もう直接感謝の気持ちを伝えることは出来ないのかも知れないが、君の記憶はいつまでも僕の中に残って、ともすると凍てつきそうな心を温めてくれている。