「文章を書くこと」
思えば僕は35歳になる。正確に言えば今年の7月で35歳ということだ。35歳の年に村上春樹は一体どんな文章を書いていたんだろうな?最初の小説である「風の歌を聴け」を書いたのが30歳のときであるはずだ(29歳から書き出して30歳のときに出版したのか、あるいは29歳のうちに出版までしてしまったのか、正確なところは忘れてしまった。間違っていたら申し訳ない。)彼はそのときコーヒーショップを経営していて、その合間に小説を書き、その初めて書いた小説で新人賞を獲りデビューした。やれやれ、と思う。僕が30歳か29歳のときには…考えたくもない。僕の文章はほとんどが彼の模倣であり、かなり良く表現して「影響を受けている」といったところだ。一体いつになれば自分らしい、オリジナルな文章が書けるようになるんだろう、と思う。しかし結局のところ彼の影響を完全に払拭することなど出来はしないし、するつもりもない。少なくも今のところは。僕自身が文章を書くことによって、とにかく村上春樹の文章を愛した人間がいたという証にはなる。たとえほとんど誰の目にも触れなかったにせよ。そして文章を書き続けた何光年かその先に、何かしらの文章的啓示の様なものがあれば、僕は救われたといってよいと思う。だから僕は、今の僕に生み出す事の出来るだけの言葉を刻み続ける。