昨日までのブログで消費税についておさらいをしてきましたが、

昨日のブログで解説した本則課税と簡易課税は、

それぞれ無条件で採用できるものではありません。

 

 

今日のブログではそれぞれの課税方式を採用するための条件について確認していきます。

 

 

 

まずそれぞれの言葉の意味については昨日のブログを確認してください。

 

 

 

 

 

 

消費税の納税額の計算方法は、

基本的に売上にかかる消費税から、経費にかかる消費税を差し引いたものを

納税額とするのが基本です。

 

 

 

この基本的な計算方法を本則課税と呼び、

経費に係る消費税として差引くための金額を計算する際に、

簡易的な方法として売上高にみなし仕入率というパーセンテージをかけたものを

経費にかかる消費税としてみなして計算するのが簡易課税方式です。

 

 

このみなし仕入率というのが、

業種ごとに異なっていたり、

経営状況などによって有利不利が生じることがあり、

正しい選択をすることで消費税の節税につながるものです。

 

 

そのため、基本的に簡易課税を選択するための条件が設定されています。

 

その条件とは大きく分けて2つ。

 

①基準期間における課税売上高が5,000万円以下

②簡易課税制度選択届出書の提出

 

簡易課税制度を選択するためには、

こちらの条件を満たす必要があります。

 

まず①について。

基準期間についてはこちらのブログで解説しています。

 

 

 

 

 

 

消費税課税事業者になっているということは、

基本的に課税売上高は1,000万円を超えているはずですが、

簡易課税制度については5,000万円を超えていないことが条件です。

 

これはそもそも簡易課税制度自体が、

小規模な事業者中小企業における、

経費にかかる消費税の集計という事務作業の簡略化を目的としているからです。

 

簡単に言えば、売上高5,000万円以下の小・中規模な事業者が対象ですよ、ということですね。

 

 

 

そして2つめの届け出については、

課税期間の初日の前日までに所轄の税務署に届け出を提出する必要があります。

 

法人であれば対象となる会計期間の期首の前日、

つまり前期の最終日が期限です。

 

令和7年の4月1日からの課税期間において簡易課税制度を選択したい場合は、

令和7年の3月31日までに提出する必要がある、ということです。

つまり特に届け出を出さないと、

自動的に簡易課税制度に切り替わることはない、ということですね。

 

 

更にいうと令和7年4月1日からの課税期間において簡易課税制度を選択できるのは、

令和5年4月1日〜令和6年3月31日の会計期間の課税売上高が5,000万円以下である必要がある、

というのが①の基準期間の部分になります。

 

個人事業主の場合は12月31日が期限になります。

 

また補足ですが、

簡易課税制度は一度届け出を提出すると、

2年間は本則課税に戻すことは出来ません。

 

もちろん2年の間に課税売上高が5,000万円を超えれば自動的に本則課税が適用されますが、

その後再度5,000万円以下になった場合、自動的に簡易課税に戻ります。

というのも、簡易課税制度は一度出してしまえば、

不適用届け出を出さない限り、5,000万円以下の事業年度は自動的に簡易課税が採用されます。

 

 

これは場合によっては本則課税よりも納税が多くなる可能性もあるので、

簡易課税→本則課税と切り替わった後でも、

売上が毎年増減する可能性がある場合は、

しっかりと届け出の状況を確認するようにしましょう。

 

 

 

 

昨日のブログでは消費税課税事業者と、

免税事業者について改めておさらいしました。

 

今日のブログでは、次のステップ、

消費税の課税方式について触れていきます。

 

 

 

消費税の課税方式は大きく分けて2種類、

本則課税と簡易課税が定められています。

 

 

原則として消費税は、

課税売上に関して預かった消費税と、

課税仕入に関して支払った消費税の差額を納税する仕組みになっています。

 

 

例えば課税売上高が5,000万円(税抜)、

課税仕入に該当する経費が3,000万円(税抜)で、

税率は全て10%のみとして、

なるべくシンプルに消費税の納税額を例示します。

 

 

 

この場合売上として預かる消費税は5,000万円の10%で500万円、

経費として支払った消費税は3,000万円の10%で300万円。

 

500万円ー300万円=200万円で、

この場合の消費税の納税額は200万円となります。

 

 

 

この計算のように、

売上と経費の消費税をそれぞれ集計して、

差額から納税額を算出するのが本則課税と呼ばれる方式です。

 

この本則課税という計算方法に対して

簡易課税は、

経費として支払った消費税の計算方法が異なります。

 

 

具体的には、

上記のように経費3,000万円に対して10%をかけて300万円を算出するのではなく、

売上高に対してみなし仕入率という定められた割合をかけて、

経費としての消費税額を「みなし」で算出して、

売上の消費税から差引く流れになります。

 

 

 

このみなし仕入率というのは業種ごとに異なっており、

下記の表のようになっています。

 

 

 

 

こちらの表は国税庁のHPからの出典です。

 

 

 

 

ここでは卸売業を例に計算してみましょう。

 

 

まず売上にかかる消費税は本則の場合と同じく、

5,000万円の10%で500万円。

 

ここから差引く経費にかかる消費税を、

実際に集計した金額、つまり本則の場合は3,000万円×10%でしたが、

今回は課税売上高の5,000万円に、卸売業のみなし仕入率90%を乗じて計算します。

 

 

500万円ー(5,000万円×90%)

→500万円ー450万円=50万円となります。

 

 

お気づきかと思いますが、

みなし仕入率が高いほうが、差引く金額は大きくなりますので、

卸売業と不動産業を比べた場合、

卸売業の納税額は50万円になるのに対して、

不動産業の場合は、

500万円ー(5,000万円×40%)

→500万円ー200万円=300万円となります。

 

これだと卸売業と比較した場合はもちろんですが、

最初に書いた本則課税の納税額200万円よりも多く納税することになります。

 

 

つまり業種によってはかなり損をするパターンが存在するのです。

 

簡易課税を安易に選択して、

結果的に納税額が増えた!ということにならないよう、

自分の事業がどこに分類されて

みなし仕入率がどうなるのかをしっかりと把握しておきましょう。

 

 

また、簡易課税という制度が存在している理由として挙げられるのは、

事務処理手続きの簡略化です。

 

 

本則課税方式であれば、

各経費にかかる消費税を全て集計する必要があり、

記帳処理など含めて手間がかかります。

 

 

中小企業においてこの手続きを簡略化するために、

簡易課税方式が存在しており、

小規模事業者や中小企業が活用することが前提になっているため、

簡易課税方式の採用には条件があります。

 

この課税方式の選択要件について、

次回のブログで説明していきます。

 

 

 

 

先日の個別相談で、

消費税の課税方式についての質問がありました。

 

 

今日からこのブログで、消費税についておさらいしていきましょう。

 

 

 

まず消費税は課税事業者と免税事業者が存在していますが、

それぞれの概要、定義について確認していきます。

 

 

 

言葉の定義としては文字通り、

 

消費税課税事業者とは

消費税の納税義務がある事業者を指し、

 

一方消費税免税事業者は、

消費税の課税対象でない事業者を指します。

 

 

課税事業者になる要件としては、

原則として課税期間の基準期間における課税売上高が、

1,000万円を超える場合、消費税課税事業者となります。

 

 

ここでいう課税期間とは、

法人の場合は事業年度、

個人の場合は暦年、つまり1月1日から12月31日の期間を指しています。

 

 

そして基準期間というのは、

法人の場合は前々事業年度、

個人の場合は前々年になります。

 

 

 

 

 

見方を変えると、

去年の売上が1,000万円を超えている場合、

来年から消費税課税事業者になる、という方が分かりやすいでしょうか。

 

 

そしてここで出てくる課税売上高、という言葉ですが、

定義としては

「消費税が課される取引の売上金額と、輸出取引等免税売上金額の合計額」から、

その取引に関する売上返品・売上値引・売上割戻にかかる金額を差し引いたもの、とされています。

 

 

こう見るとわかりにくいですが、

基本的には売買によって発生した売上であれば、

課税売上となるものがほとんどです。

 

一部「非課税」の取引は該当しませんが、

非課税取引は売上として認識されないことが多いので、

「売上」であれば課税売上高として考えて大丈夫です。

 

ポイントは輸出取引など、「免税売上」とされているものも課税売上高に含む、という点です。

 

ここは税についての性質を細かく見ていく必要があるので、

次回以降で解説しますが、

ひとまず「売上」を課税売上として認識してください。

 

 

そして免税事業者の定義ですが、

課税事業者の反対であることからイメージしやすいですが、

課税期間の基準期間中における課税売上高が1,000万円以下の場合に

免税事業者となります。

 

 

設立から2年間免税事業者として扱われる、というのは

先ほど説明した課税期間の基準期間というものが存在しないことから、

自動的に免税事業者として扱われる、という意味なのです。

 

 

そして今日のタイトルにもある特定期間、というワードが新しく出てきます。

 

特定期間というのは、

法人の場合は原則として、

その事業年度の前事業年度開始の日以後、6ヶ月の期間、

個人事業者の場合、

その年の前年の1月1日から6月30日までの期間を指しています。

 

 

特定期間の課税売上高もしくは

給与等の支払額が1,000万円を超えた場合は、

その課税期間から課税事業者となり、消費税を払わなければなりません。

 

 

図で示すとこうなります。

 

 

 

 

 

つまり前々年の基準期間の課税売上高が1,000万円以下だとしても、

特定期間において条件を満たした場合は、消費税課税事業者になる、ということです。

 

 

そのためこれまで免税事業者だったとしても、

事業が急成長したり、急に従業員が増えたりした場合、

その期間が前半の半年に集中してしまうといきなり翌年から消費税課税事業者になってしまいます。

 

 

今日覚えていただきたいのは、

課税期間と基準期間によって消費税の課税事業者・免税事業者が決まるということ、

そして特定期間という例外的に消費税課税事業者に「なってしまう」制度があるということです。

 

 

ここを覚えておかないと、

来年も免税のはずだったのに・・・!というパターンが出てきます。

 

免税のメリットを享受するためにも、

事業計画をしっかりと立てて、

特定期間ルールで想定外の消費税課税事業者にならないように気をつけましょう。

 

 

 

 

 

昨日、一昨日と住民税の計算の際に考慮される、

調整控除についての記事が続きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は調整控除の最終回、

実際に調整控除はどのように計算されているのか?

について今日はみていきます。

 

 

 

 

 

昨日のブログでも書いていますが、

所得税と住民税の所得控除、厳密に言うと

所得控除内の人的控除の金額にそれぞれ差額が存在しています。

 

 

 

その差額の一覧がこちら。

 

 

 

 

 

ではこちらの差額が、

どのように調整控除額に影響してくるのか、

その計算方法について確認してみましょう。

 

 

まず大前提として、

この調整控除は合計所得金額が2500万円以下の人にのみ適用されます。

 

 

そのうえで、

調整控除の算出方法は、

個人住民税の課税所得金額が200万円以下か200万円を超えているかで計算方法に違いが存在しています。

 

 

 

まずは住民税の課税所得金額200万円以下の人の場合から。

2つの基準があり、

 

1. 所得税と個人住民税の人的控除額の差の合計額
2. 個人住民税の課税所得金額

上記の1と2、

いずれか小さい額×5%が調整控除額として所得割額から控除されます。

 

 

次に住民税の課税所得金額が200万円を超えている人の計算方法です。

 

この場合は、

{所得税と個人住民税の人的控除額の差の合計額 -(個人住民税の課税所得金額 - 200万円)}× 5%

となっています。


ただし、この計算額が2500円未満の場合は2500円が調整控除によって控除される金額になります。

 

 

 

先ほどの表をもとに、

下記の例で計算してみます。

 

たとえば、課税所得金額が300万円

共働きで配偶者控除・配偶者特別控除がなく、

高校生の子どもがいる場合を例にしてみます。

 

 

まず課税所得金額が300万円ということで、

基礎控除5万円、扶養控除(一般)5万円の合計10万円が人的控除の差額になります。

{10万円 -(300万円-200万円)}×5%=-4万5000円

計算結果がマイナスになりましたが、
計算結果が2500円未満のときは、2500円となるので、

今回の例の調整控除額は2500円、となるわけです。

 

 

 

実際に住民税決定通知書には、

この調整控除の金額も記載されていますので、

 

直近では、今年の6月頃にお手元に来ている書類を確認してみてください。

 


 

 

 

昨日のブログでは、

住民税の調整控除について、

基本的な存在意義や、調整控除が作られた背景などについて説明しました。

 

 

 

 

 

 

今日のブログでは、もう少し細かく調整控除の中身について見ていきます。

 

 

 

 

基本的な仕組みの説明において、

所得税と住民税の所得控除には金額の差があり、

その差額による納税者の負担増リスクをカバーするために

調整控除という仕組みがある、というお話をしました。

 

 

 

では実際に、

所得税における所得控除と、

住民税における所得控除の金額にはどれくらい差があるのか?をみていきます。

 

前回のブログにも書きましたが、

金額に差があるのは、

所得控除における人的控除の部分です。

 

 

各一覧は下記の通り。

 

 

 

 

この表に記載されているのは、

所得税と住民税の所得控除の金額の差です。

 

一番下の基礎控除なんかはメジャーなものになりますが、

 

現在103万円の壁が話題になっているので分かりやすいのは基礎控除。

 

こちらは所得税における基礎控除は48万円となっていますが、

住民税における基礎控除は43万円なんですね。

 

 

では、それぞれ所得控除に差があるのは分かったとして、

調整控除はどのように計算されているのか?

 

この部分を明日のブログで確認していきます。

 

 

 

 

 

先日住民税が計算される過程において、

細かい話で調整控除というものがある、ということを書きました。

 

 

 

住民税の計算の流れは下記になります。

 

住民税は所得割と均等割から構成されており、

均等割は一律4,000円。

所得割は課税所得×10%で計算されます。

 

そのうえで


①総所得ー所得控除=課税所得

 

②課税所得×10%=税額控除前所得割額

 

③税額控除前所得割額ー税額控除 =税額控除後所得割額

 

④税額控除後所得割額(▲調整控除)+均等割額=住民税納税額

 

 

という流れになっています。

 

 

ここで最後に均等割額を加算するまえに、

調整控除、という控除が入ります。

 

 

今日はこの調整控除についての概要を確認していきましょう。

 

 

調整控除は、金額こそそこまで大きくはないものの、

年間における所得が2500万円以下の人全てに適用される控除です。

 

 

所得税の算出に使用する源泉徴収票や、

住民税の決定通知書には、所得控除が記載される欄があるのですが、

先程の計算式にも書いたように、

所得税も住民税も、課税所得を計算する際に所得控除を収入から控除します。

 

ここでポイントになるのが、

所得税における所得控除と、

住民税における所得控除は控除される金額が異なる、ということです。

 

厳密にいうと、所得控除内の人的控除の金額に差があります。

 

人的控除、覚えていますか?

以前説明しましたが、

配偶者控除や扶養控除、ひとり親控除などの

個人の事情などを考慮するための所得控除を人的控除といいます。

 

逆に雑損控除や生命保険料控除などは物的控除に分類されています。

 

そしてこの人的控除において差があることによる負担増を調整するために、

調整控除、という仕組みが存在しています。

 

どういうことかというと、

2007年1月より、

所得税から個人住民税に税源移譲を行う際に、住民税の所得割の税率が変更されました。

しかし、先程書いたように所得税と個人住民税では人的控除額が異なるため、

変更後の税率をそのまま適用すると、

所得税と住民税を合わせた税額が税源移譲前より増加する場合があるのです。

 

※税源移譲とは、納税者が国に納める税を減らし、

都道府県や市区町村に納める地方税を増やすことで、国から地方へ税源を移すことを指しています。


そこで、個人住民税の所得割から一定額を控除することで、

税負担が増えないように調整するのが住民税の調整控除です。

 

つまるところ、国と自治体が制度を変更した際に、

納税者に不利益が出てしまう可能性があったので、

その部分をカバーした制度、ということですね。

 

 

明日のブログでは、

この調整控除の中身についてもう少し詳しくみていきます。

 

 

 


弊社SMGでは、
顧問先すべてのお客様に対して月次決算を行っています。


何度かこのブログで書いたように、
そもそも会社を経営していくためには
明確なゴール設定が必要になります。


親族への承継、従業員への承継、
廃業、上場、M&A


どのゴールを目指すのかによって、
取るべき選択肢は大きく変わります。





ただゴール設定だけで経営を進めるのも危険です。


よくある話ですが、
行先の書いてある地図を持っていても、
自分の今いる場所が分からなければどこに進んでいいか分からずゴールにたどり着けません。

この今いる地点を知るために必要なのが、
会社経営においては月次決算なのです。


毎月の数字をなるべく早く、
そして正確に把握し、
先月の反省点、改善点を今月の経営に活かしていく。

そして設定したゴールに対して
今どれくらいの場所にいるのか、
向かっている方向は間違っていないかどうか。


この月次決算をせずに、
成果の出る経営はありえません。
つまりいきあたりばったりの経営になってしまいます。


毎月の月次決算は経営の基本中の基本です。

まずは月次決算ができる仕組みの構築からスタートしましょう。




 

以前より、

社長や役員が会社に「貸す」お金、

つまり役員借入金、という科目での処理をおすすめしているものですが、

 

役員借入金は中小企業においては高額になりやすい、

かつ返済原資が確保できず、そのまま残ってしまう、というパターンがよくあります。

 

 

今日のブログでは、

この役員借入金の出口について考えていきます。

 

 

まず役員借入金のメリット・デメリットから。

 

基本的に私達がコンサルをする中での役員借入金はポジティブなものとしてお話をしています。

 

 

中小企業においては、会社の資金繰りのために

社長や役員が会社に資金を投入することは通常有り得ることで、

特に創業時などに銀行融資だけで足りない部分を

社長の自己資金で補ったり、

業績が軌道に乗る前は

役員報酬などが支払えず、

その分が役員借入金として計上されている、というのはよくある話です。

 

 

ではこの役員借入金、

貸借対照表上、負債の部に記載されるもので、

一見銀行評価などに悪影響なのか?と感じる人も多いですが、

実際多くの金融機関において、

この役員借入金は実質自己資本としてみなされることがあります。

そのため役員借入金にはあまりネガティブなイメージを持たず、

役員借入金は無理に返済せず、そのまま置いておいても大丈夫、というのが基本的な考え方ではあります。

 

 

ただその反面、もちろん役員借入金が残ることのデメリットはあります。

このデメリットに直面するのは、事業承継のタイミングや、

相続のタイミングです。

 

役員借入金はオーナー社長の相続が発生した場合に相続財産としてカウントされます。

しかし、この役員借入金は相続税法上額面評価されるため、評価を圧縮することができません。

つまりどういうことかというと、

会社が債務超過などで株の評価がゼロになっていたとしても

この役員借入金自体はしっかりと相続財産としてみなされるため、

多額の役員借入金が残っていたりすると

多額の相続税の納税が発生する可能性がある、ということです。

 

役員借入金が高額になっていなければ

そこまでのリスクにはなりませんが、

最初に書いたように中小企業においては

高額になりやすい、かつ返済がしにくい、というパターンがよくあります。

 

オーナー社長の年齢などとのバランスを考えてコントロールする必要があります。

 

ではこの役員借入金、出口としての選択肢はどんな物があるのか?

 

現状だと大きく分けて3つの選択肢があります。

①DESの活用

②債務免除益の活用

③役員報酬からの振替

 

 

まず①のDESについて。

DESとはデット・エクイティ・スワップの略で、

簡単に言うと役員借入金を資本金に振り替える処理のことをいいます。

役員側からすると、貸付金が株式になります。

これを行うことで、役員借入金をなくすことが出来て、

かつ相続などを考慮した際に、資産としての価値を圧縮できる、というものです。

ただ資本金が増加するので、法人税の均等割が増えてしまったりするリスクもあります。

 

 

②の債務免除益ですが、

貸している側からすると、債権を放棄することで役員借入金をまず無くしてしまいます。

その結果会社側には債務免除益、という利益が計上されてしまいます。

そこで、繰越欠損金というこれまでの赤字の累積を活用して税金の発生を回避しつつ、

役員借入金を消す、という方法があります。

これは繰越欠損金がある、もしくは赤字の事業年度に行うことで税金の発生は回避できますが、

そうでなければ多額の法人税が課税されるリスクがあります。

 

 

③の役員報酬からの振替については、

単純に役員報酬の設定を下げて、これまでとの差額分を役員借入金の返済原資にしていく、というものです。

役員借入金の返済には社会保険も所得税も課税されないため、

役員報酬として受け取るよりも、個人の税金は抑えられることになり、実質的な手取りは増えることになりますが、

計上されている役員借入金の金額によっては、返済に時間がかかるため

急激に役員借入金を減らす方法としては選びにくいです。

 

 

 

このように役員借入金は中小企業においては切っても切れない関係でありながら、

相続のタイミングではデメリットに直面する可能性があります。

 

そのため最終的にこの債権をどう処理するのか?については

早い段階から検討するようにしてください。

 

 

 

 

先日12月13日に、

SMG経営塾12月定例会を大阪で開催いたしました。

 

 

毎月2回、現在開催している定例会ですが、

基本的には大阪が先で東京開催が後、という順番になっています。

 

 

かつ大阪ではライブ配信やアーカイブが残らない形になっています。

 

 

 

今回12月の定例会のゲスト講師は

出版ブランディングと外注化のプロ、

山本さんと澤さんにお越しいただきました。

 

 

 

出版をブランディングや認知拡大にどう活かしていくのか?

そして中小企業の最大の弱点である人手不足に対しての解決策として、

全て外注することで利益を最大化するためにどうしたらいいか?などをお話いただきました。

 

 

 

まだ東京開催があるのでネタバレは伏せますが、

最初の質問はとても興味深く、

考え方というか思考の癖は普段のビジネスにも大きな影響を与えるものだな、と改めて実感しました。

 

 

 

 

私の講義では住民税、ふるさと納税についての解説と、

来月以降詳しく触れていく管理会計についての解説でした。

 

 

来年1月以降、管理会計のワークなども含めて、

受講生が実際に経営や事業の中に落とし込める内容をスタートしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菅原の講義では、

役員報酬や役員賞与の決め方、活用の仕方についての講義で、

アンケートでも非常に高い評価をいただいております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

定例会後の懇親会にも多くの方に参加いただき、

大阪開催も盛り上がってきました!

 

 

 

 

来月以降も続けて大阪・東京開催となります。

 

ぜひご参加お待ちしております。

 

 

 

 

年末になり、以前も住民税、そしてふるさと納税の控除について

このブログでは書いてきましたが、

 

ふるさと納税の返礼品が実は一時所得に該当する、ということを知らない人が意外と多いそうで。

 

 

 

一時所得とは、

国税庁記載の定義では、

 

営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、

労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」

とされています。

 

いつも通りやたらと複雑に書いてありますが、

簡単に言えば、営利目的でなく

かつ偶発的、臨時的な所得を指します。

 

 

当然ふるさと納税の返礼品は営利目的ではありませんし、

臨時的なものなので、この一時所得に該当する、ということになります。

 

 

当初ふるさと納税の返礼品は、

アマゾンギフトカードだったり、その地域に関係のないものや

価値に定めの無いものが多かったですが、

結果的にそうした高額な返礼品による寄付の取り合いのような形になった背景もあり、

基本的に寄付を受ける自治体発祥、かつ寄付額の3割程度の価値に抑えるルールとなりました。

 

 

つまり、10万円の寄付をした場合、

返礼品の価値は3万円程度のもの、という考え方になります。

 

 

この3万円の価値がある返礼品を受け取った場合に、

3万円分の一時所得となる、というのがふるさと納税の返礼品の取り扱いです。

 

 

ではこの受け取った一時所得3万円分について、

申告、納税が発生するのかというとそうではありません。

 

一時所得には特別控除が定められており、

その金額は50万円となっています。

 

つまり50万円までの返礼品であれば、

基本的に申告しなくても良い、というルールになるわけです。

 

ちなみに仮に50万円を超えた場合には申告、納税が必要になりますが、

特別控除や経費を差し引いたあとの一時所得金額を1/2にしてから課税金額が計算されます。

 

つまり60万円の一時所得があった場合、

60万円ー50万円(特別控除)=10万円

10万円×1/2となり、

一時所得の課税所得金額は5万円、となる流れです。

 

 

 

では一時所得が50万円を超える寄付金額はというと、

約167万円。

 

この金額の寄付が出来る年収は約4,000万円です。

そこまで多くの方が該当する金額ではないかもしれませんが、

今後収入を増やす予定のある人は注意してください。