経営塾の塾生さんからよく頂く質問で、
「会社に利益を残すべきか、可能な限り節税するべきか?」
というものがあります。
正直この質問はとても答えに困る質問で、
それはなぜかというと
基本的にこの問いに対する正解がないからです。
正解がないというと語弊があるかもしれなくて
厳密に言えば、
ケースバイケース過ぎて
この質問だけでは答えることができない、というのが正しいでしょうか。
一般的に
会社の出口、ゴール設定は5つあると言われています。
1・親族への承継
2・社員への承継
3・第三者への売却(M&A)
4・精算、廃業
5・上場
基本的に会社の出口はこのどれかに当てはまるはずです。
そして最終的にどれを出口として設定しているかによって
利益を出すべき場合と、節税をするべき場合があります。
今年に入って経営塾の講義において、
事業承継に絡む税務や財務のお話をしてきました。
株価対策もそれに関連しています。
親族、もしくは社員への承継を目指す場合であれば
株価対策のことも考えて
ある程度利益を圧縮していくことも必要です。
逆にM&Aや上場を目指していくのであれば
利益は将来的な会社の価値に大きく影響します。
だからこそ、
「利益を出すか?節税するか?」
の問いの前に
「会社の出口をどうするつもりなのか?」
を先に考えてみてください。
会社のゴール設定を聞いたうえであれば
効果的なアドバイスもできるかと思います。
まずはゴール設定から。
目の前のことに集中しがちですが、
経営は中長期的な視野をどれだけ持てるかです。
ゴールからに逆算が基本になります。
ぜひ出口を意識して、設定してみてください。
きっとこれまでと経営を考える視点が大きく変わるはずです。
先日経営塾の個別質問でいただいた内容です。
不動産業を営んでいる場合、
基本的に物件の取得にかかる費用は経費として計上することが出来ます。
物件の対価はもちろん、不動産の登記変更にかかる司法書士さんなどへの手数料の支払いや印紙代など、
基本的には取得価格に含めたうえで経費として計上することになります。
ただ例外となるのが、相続によって不動産を取得した場合です。
相続によって取得した不動産の相続登記にかかる費用は
「事業のために支出した費用」ではなく「資産の取得に伴う費用」にあたるため、
不動産関連業を営んでいる場合でも、
これらの費用を経費(損金)にすることは出来ません。
これらの登記にかかる費用は基本的に取得価格に含めるのが会計上のルールとなっていますが、
相続の場合はそもそも資産自体に取得価格というものがありませんし、
これらにかかる費用も、「経費」という概念に該当しません。
もともと不動産事業を営んでいて、
相続によってさらに不動産を取得した場合、
相続したあとにその物件で事業が開始されたあとの費用に関しては問題なく経費化できます。
登記完了後に賃貸を開始すれば、それ以降に係る費用はもちろん経費です。
修繕費や固定資産税など、これらは経費化できる費用になるため、
しっかりと計上忘れのないように気をつけてください。
先日は仙台でSMG経営塾のPDCAサイクル実践講座の講師でした。
毎月仙台、東京、名古屋、大阪、博多の各地で2箇所ずつ
PDCAサイクル実践講座を開催しています。
SMG経営塾の各コンテンツの中でも最もワークやシェアをメインとした講座で、
PDCAサイクルの理解と習慣化を目指す講座になっています。
目標達成や課題の改善のためのツールとして非常に有用なのがこのPDCAサイクルで、
私の会社での取り組みを主に紹介しながら、
目標や課題の言語化のワークやシェアをしていく内容になっています。
この講座の講師をする中で、たくさんの人の悩みとして聞くのが、
そもそも目標の設定がうまくできない、という悩み。
1年間という単位での長期目標、1ヶ月、1週間などの短期目標などはすっと出てくることがあるのですが、
そもそもその視点で目標を決めても行動に繋がらなかったり、
どんな行動がその目標達成に有効なのかイメージがつかない人が多いです。
この場合、ほとんどの人がもっと先の目標、ビジョンが不明確だったりします。
最終的に自分が何をしたいのか、どう在りたいか?というゴールが定まっていないと、
短期的な目標に意味をもたせることが難しいです。
なんでもそうですが、ゴールから逆算して計画をたてるはずです。
たとえば旅行に行くにしても、行き先や到着時刻など、
ゴールの設定があるからこそ、何時に家を出なければいけないとか
どんな方法でその目的地に行くか、などを考えることが出来ます。
ビジネスにおける目標設定や、行動目標、事業計画の策定など、
全て同じように明確なゴールがあってこそです。
なかなか普段そこまで先のイメージを考えることがないからこそ、
この講座で取り組んでほしいと考えています。
SMG経営塾生であれば誰でも参加可能です。
目標設定に悩んでいる人や、
PDCAを始めてみたいけど最初の第一歩に悩んでいる方はぜひ受講してみてください。
決算書の貸借対照表おいて、
「役員貸付金」という科目に残高が残っていませんか?
この役員貸付金というのは、
ざっくりいうと「会社」が「役員」にお金を貸している状態です。
どういったときにこの科目が使用されるかというと、
役員の個人的な支出に、
会社のお金を充ててしまったとき。
つまり経費にならないような支払いに対して使われることが多いです。
もちろんまとまったお金が必要で、
役員が会社からお金を引き出す場合なども含まれます。
そしてこの役員貸付金は、基本的に決算書に残っているとデメリットしかありません。
それはなぜか?
様々な問題が挙げられますが、
一番は銀行評価が著しく下がる可能性が高い、ということ。
これは有名な話ではありますが、
銀行からすると事業のために融資しているはずのお金が、
役員の個人的な支出に充てられている、となれば大問題です。
そもそも銀行融資はその用途をとても重要視します。
運転資金のための融資なのか、設備投資のための融資なのかなど、
お金を貸す側の立場としては、
融資するお金が何に使われるのか?
そして融資したおかねが正しくその用途で使われているのか?
はとても重要視します。
実際に融資された現金が役員貸付金に回っているか、はわかりません。
もともと自己資金として確保していた現金かもしれません。
ですがそこは大した問題ではなく、
個人的な支出を会社に負担させている、
つまり会社からお金を借りている、という状況そのものも問題視されるのです。
この状態から銀行が見る評価というのは、
計画性の無さだったり、倫理観の問題もあります。
つまり経営者としての素質を疑われるレベル、ということです。
もちろん実務上、経費になると思って会社で支払ったけれど、
税理士から除外されてしまう、などのケースもあるでしょうし、
事情があって一時的にお金を借りることもあるでしょう。
ではどうしたらいいのか?
基本は決算までに精算することです。
あくまでも貸借対照表上の科目、ということは
決算日時点において残高がゼロであれば問題ない、ということです。
何かしらの理由があって役員貸付金が計上されてしまっている場合、
決算日の時点においてその残高分を返済して精算するようにしましょう。
極論、決算日だけゼロであればいいので、
その日だけ一時的に会社に入金をして残高を消す、という方法もあります。
ただそれでは毎年増えていく可能性もありますし、
金額によっては難しい場合もあります。
一番の対策は役員貸付金を計上されないようにすることですが、
毎月の月次決算などで今いくら借りているのか?を把握して、
細かく精算しておくことで、決算の日に多額の金額が残る、ということも防げます。
自分がいくら会社からお金を借りているのか?
しっかりと把握しましょう。
令和4年の12月に、金融庁から「経営者保証に関するガイドライン」について、
金融機関への要請があってから2年半が経ちました。
「経営者保証に関するガイドライン」とは、
そもそも平成26年から存在するガイドラインで、
中小企業における、融資への個人保証が、
事業拡大や事業承継などに際しての障害となっているために、
積極的に新規・既存問わず個人保証付き融資を減らしていきましょう、というものでした。
しかし実際のところ、
金融機関としてもリスクを取りたくないためこのガイドラインは形骸化しており、
コロナ禍を経て改めて金融庁から金融機関へ、
このガイドラインに関して「適切な対応」の要請があった形です。
ではこの要請後、どれくらいの件数で代表者保証が外されているのか?
実は公的なデータはまだ揃っておらず、
要請以前と以後の比較が正確にできていない、という状況です。
下記は公的データではありますが、件数ベースでは判明しておらず正確性に欠けています。
中小企業庁「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会」資料(2023年3月)
代表者保証を不要とした新規融資の割合(2021年度)
• 約30%(金融庁調査ベース)
2024年版 中小企業白書(2024年4月公表)
2022年度中の新規融資における無保証の割合
• 約34.6%(前年比で増加)
おそらくですが、新規融資に関する代表者保証自体は減って来ているかもしれませんが、
既存融資に関しては思うように代表者保証を外す取り組みは進んでいないと思われます。
これは弊社の顧問先のお客様の事例などからの推測ではありますが、
なんだかんだ既存融資については金融機関も腰が重い印象です。
逆に事業承継やM&Aの場合には、
柔軟に対応されているケースを見かけます。
具体的な数字が金融庁や中小企業庁から出てこないのも、
2023年の再要請以降、はっきりとした成果が出せていないからなのでは?とも考えられます。
どちらにしてもガイドラインとしては要件を満たしていれば、
交渉出来ることは確かです。
債務超過でないこと、今後の事業計画を定量的に示せることなど、
金融機関によって多少のばらつきはありますが、
担当者とのコミュニケーション含めて信頼関係が構築できていれば
交渉の余地はあります。
既存融資について金融機関の反応がいまいちであれば、
事業承継を理由とするのも一つの戦略かもしれません。
毎月の月次決算、してますか?
SMGでは毎月の月次決算の数値をもとに
月次会議というサービスを提供しています。
他の税理士事務所からSMGに変わってきた会社の社長さんが、
「これまでは月次試算表は銀行から求められた時だけ出すものだった。逆に今は毎月試算表を見ないと落ち着かない。」
とおっしゃっていました。
月次決算がなぜ必要か?という話で
ダイエットの話をよく例え話に使います。
ダイエットをする時には
目標体重を設定すると思います。
そしてダイエットをスタートする時には
今の体重が何キロかを把握して
基本的には毎日体重計に乗りますよね?
少なくとも1週間に1度とか。
例えばこれが、3ヶ月に1回しか体重計に乗らない、なんて有り得ないですよね?
そんな長期間乗らなかったとしたら
体重が増えていても減っていても
その原因も分からないし
どのタイミングで増減したか分析しようがありません。
ましてや目標体重と期限の目標も設定していたら
期限まであと何日で何キロ痩せる必要があるか
確認する必要があるので、
何日も体重計に乗らないのは有り得ないと思います。
せっかく年間の目標売上だったり目標利益だったりを設定しているのに
3ヶ月に1回や半年に1回しか試算表を見なかったら
今会社がどんな状況か、を知るのが遅くなってしまいます。
この会社の状況把握が何ヶ月も遅れるのはリスクです。
顧問の税理士さんと相談をして、毎月試算表を確認するようにしてくださいね。
年が明けて個人事業主の方にとっての決算、
つまり確定申告が近づいてきました。
サラリーマンの方だったり、
経営者さんでも一部の方は年末調整だけで完了するよ、という方もいらっしゃるかもしれません。
確定申告といえば、
毎年2月16日から翌月の3月15日が期限となることが多いですよね。
これは土日などの関係で毎年微妙に変わりますので、
確定申告の期限はしっかりとチェックするようにしてください。
実際今年の令和7年においては、
2月17日〜3月17日までとなっています。
ところで皆さん確定申告は365日いつでも可能、ということをご存知でしょうか?
意外とこの事実を知らない方が多かったので、
今日のブログでは確定申告はいつでも出来ますよ!というのを説明しますね。
確定申告はいつでもいい!となると。
では先程の期限とは?となりますよね。
実はこの期限というのは、
納税が必要な人が対象となっていて、
そもそも還付、つまり税金を返してもらうための確定申告はいつでも可能になっているのです。
確定申告は、1月1日から12月31日までの所得を計算して、
それに対応する所得税や消費税を翌年の上記期間に申告・納税するものです。
その中で、
例えば年末調整をしたうえで
確定申告でなければ使えない所得控除や税額控除がある場合、
つまり税金が返ってくることが確定している確定申告については、
年が明けた1月1日から受付けているんです。
例えば医療費控除や、
住宅ローン控除の初回の場合などです。
これらの場合は2月の確定申告期間のスタートを待たずして、
申告書を作成、申告をしても大丈夫ということになっています。
今だと電子で申告をした場合、
約2週間から3週間ほどで税金の還付を受けることができます。
そして3月16日を過ぎた後でも、
還付申告はいつでも可能です。
これは例えば過年度、つまり昨年以前の申告をするパターンがありますが、
これも年中いつでも申告・還付を受けることが可能になっています。
還付が決まっている、という人は、
早めに確定申告をすると早めにお金が返ってくるので少し得した気分になるかもしれません。
ぜひ覚えておいてください。