2015年2月の読書メーター読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1990ページ
ナイス数:77ナイス
幸福論 (角川文庫)の
感想結果から言うと「幸福論」は恐らく無いのだろうと感じた。
勿論、その道筋や実際に得る幸福感は存在するとは考えるが、方法論と実践の違いは明白であり、表現としての幸福論はあくまで偶然性をはらみ、結果としての政治性をどこか否定しながら、それらが積み重なった歴史と言うものへの敬愛を持ちながら、真実と事実の差異を受け容れつつ別物としいる。
感じたのは、不幸を払拭する幸福はないこと。
救いは精神的な浄化による幸福感の実践のような幸福論と違い諦観の中の不幸は救えないと言う事だろう。
何処か相手を求めているのである。
読了日:2月6日 著者:
寺山修司
司馬遼太郎の日本史探訪 (角川文庫)の
感想なかなか読み易い内容だった。
源平の戦いから明治期の北海道開拓しまでのあらましについて、司馬先生を中心に分かりやすい解説と私感を交えた文章により、その時代感が伝わってきた。
源義経、楠木正成、斎藤道三、織田信長、関ヶ原における人物相関と戦略、朱印船貿易、シーボルト、緒方洪庵、新撰組、坂本竜馬、幕末使節団、大村益次郎、北海道開拓史
いずれの話も面白かったが、特に興味深いかったのは緒方洪庵の適塾の話、当時最先端の学舎として松下村塾と対を成すものとして称されるが、その在り方の違いをもっと深掘りしたくなった。
読了日:2月12日 著者:
司馬遼太郎
99%の誘拐 (講談社文庫)の
感想本書が書かれたのは1988年という事で、その頃はと言うとバブルの終焉が近付いていることに気付かない、そして翌年には昭和が終わりを迎える時代である。
まだ一般向けのPCはポピュラーではなくOSもDOSの頃だったろう。
本書では時代が違う2つの誘拐事件についてのミステリーに成るのだが、この時代と思えないテクニカルなトリックが散りばめられている。
後半はサスペンスと言った方がいいのか?
後の犯人は最初から分かっており、周到な準備の上行動しているがトリックの再現性は荒っぽい、それが逆に良いのかも知れない。
読了日:2月15日 著者:
岡嶋二人
フィッシュストーリー (新潮文庫)の
感想ビリー・ジョーの話「パンクってなにか?」って聞かれ、ゴミ箱を蹴飛ばして「これがパンクだ!」って言った。聞いた奴もゴミ箱を蹴って「これがパンクってことか?」って言うから、「いや、それは流行だ!」って言ったという話を思い出した。
では流行作家は後出しなのか?
否、そっちがパンクだと私は思う。
4編何れも読み応えがあるが表題作は兎も角、ポテチは人物相関と背景が著者の真骨頂といえよう。
他の作品にも登場する人達がチョイチョイ出てくるが、やはり気になるのは黒沢氏だ、この人と成瀬氏は反則的に全能すぎると思う。
読了日:2月17日 著者:
伊坂幸太郎
河童 (集英社文庫)の
感想芥川の最終稿を含む中短編集
晩年のみならず、頭をつくシンクロニシティに翻弄される様が伝わってくる。
表題の「河童」はスウィフト的な社会批判要素と共に、どこか昔話的な幻想とが折り重なった雰囲気がする。
読了日:2月23日 著者:
芥川龍之介
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))の
感想やはり映画とは全く違う。
序盤の王道SFの流れで、周囲の状況から登場人物、そして処理する対象として存在するアンドロイドたちとの攻防が、一種の疾走感を持って進む。
それと並行してピンボケ君の独特なテンポが奥行きを感じさせつつ、うまく状況と関連世界を結びつけていく展開が読み応えとして、後から分かってくる。
人とアンドロイドの違いが段々と分からなくなってくる。
もしかしたら私もアンディーなのかもしれない(笑)
読了日:2月28日 著者:
フィリップ・K・ディック読書メーター