2015年7月の読書メーター読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2775ページ
ナイス数:294ナイス
背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)の
感想事件が本格的に動く。。。
と言うよりは既に起こっている事件の謎解きが、主体となっている。
心霊、オカルトが主だったところと思わせながら、巧みに人の心理に回帰しながら、やはりオカルト色も残しておくあたりは、巧妙であると感じたところです。
地域伝承と村的な閉塞感を感じつつ、ただそら恐ろしい感じではなく、繋がりを感じる話でした。
老駅員さんが、一服の清涼剤でした。
読了日:7月2日 著者:
道尾秀介
蒲生邸事件 (文春文庫)の
感想タイトルから想像できないが、タイムトラベルものでした。
平成から昭和、二.二六事件の時代背景を映し出しながら、ミステリーの形態を借りた普遍的な人の思想の在り方を感じさせてくれるお話でした。
劇中で起こる事件と共に、人の力が重宝される時代を経験して成長する主人公は、現代ではもうなかなか得られない通過儀礼を経験したのでしょうね。
最後のシーンでは、ほっと幸せな気分にさせてもらえました。
この辺りは流石、宮部みゆきさんだと感じました。
読了日:7月12日 著者:
宮部みゆき
夜の国のクーパー (創元推理文庫)の
感想相変わらずの見事な切り口でした。
古今東西の様々な哲学を血肉に、物語の語り部を猫が務めるという流れが、ファンタジー的でありながらも、対人間や対ネズミと言った力関係の力学を、上手く対比させながら、相互関係を弄っていくのが本当に旨いと感じました。
現代的な生活の接点を、どこかに匂わせながら、非現実の世界観をリンクさせるのは、過去からの様々な作品にも似た楽しさが踏襲されている。
複眼隊長が最高!
読了日:7月17日 著者:
伊坂幸太郎
エデン (新潮文庫)の
感想サクリファイスからの続き。
自転車ロードレースの最高峰ツールドフランスが舞台なのは、嫌が応にも気分が昂ぶる展開です。
ミステリー色は殆どなく、グラン・ツールをベテランからルーキーが、手に汗握るレース展開と、それぞれが背負う物が見える作品だと感じました。
次はサヴァイヴ
読了日:7月20日 著者:
近藤史恵
MOMENT (集英社文庫)の
感想死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。
静かに流れるような話しでした。
病院を中心とした舞台は、特有の匂いを放つが、この話しの中では人間の匂いが感じられた。
病院が舞台でありながら、医療の話は殆どなく、願いとともにそれぞれの人生観が語られる展開がその匂いの元なんだろう。
生きることと、死ぬことは違う。表面上同じであってもそれは決定的に違う。そう思わないか?という投げかけが頭から離れなかった。
そう、ただ離れなかった。
読了日:7月23日 著者:
本多孝好
黒猫・黄金虫 (新潮文庫)の
感想黒猫は、少しずつアルコールのせいもあり正気をなくしていく男の話だが、その心理描写が一種独特な文体で綴られていく。プルートと名付けられた黒猫は、奇しくも最近の冥王星探索のニュースを想起させるものがあり、何かしらのシンクロニシティを感じる部分があった。黄金虫、当初友人が少しずつ気をおかしくしているのかと思わせながら、見事なまでに暗号解読を果たして、その聡明さを遺憾なく発揮する。前段で伏線が張られているが、文体の緻密さで、上手くベールが被されている。全体的には推理観察する純文学なんだろうと思う。
読了日:7月26日 著者:
エドガー・アラン・ポー
WILL (集英社文庫)の
感想MOMENTの続編ですが、主人公は神田の幼馴染である森野。
前作同様に静かに流れる物語ですが、しっかりと生者と死者が書かれていると感じます。
家族の繋がりについての話が、劇的ではなく穏やかな展開で進んでいく、少し切なくて、何処か暖かい話でした。
読了日:7月29日 著者:
本多孝好読書メーター