ラファエルはユダヤ教に由来し、
キリスト教へと引き継がれた天使。
名前はヘブライ語で「神は癒される」という意味であり、
ユダヤ教の伝統で癒しを司る天使とされている。
ラファエルは後にユダヤ教徒によって正典からはずされた
『トビト記』にのみ、その名前が出る。
『トビト記』ではラファエルは人間の姿で現れ、
「アナニアスの子アザレア」としてトビトの息子トビアスの旅に同伴する。
ラファエルは道中トビアスを守り、
目が見えなかった父トビトを癒した後で、
自分がラファエルであることをつげる。
『トビト書』の12章で自らについてラファエルは自分がトビトの目を癒し、
義理の娘サラを悪魔アスモダイから救うためにつかわされたと語る。
六つの翼をもちて神貌を蔽ふ。
ひろき隻肩に纏ふ二つは胸上に垂れかかりて王者の飾りをなす。
中なる二つは星辰帯のごとく腰を巻きて、
めぐり毛ばめる金色、
天に浸しし色をもて腿腰を纏ふ。
第三封は足を空染めの色彩の羽鎧にて踵よりおほふ。
マイアの子のごとく立ちて羽を揮へば、
天の香りひろく周囲をみたす。
楽園喪失 第五篇より