営業で結果を出すとはどういうことか | 日常の中の非日常

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タイトルを変えてみた。
仕事のことなんかも書いてみたり。

前回までマネージャー論を少し書いてみました。それに関連する話題として、『営業として結果を出す』ってのはどういうことなのか、ということについて書いてみたいと思います。

まず、間違いないのは『売上を上げる』ということですね。コレが出来なければ何の意味もない。売上を上げられない営業パーソンは、存在価値がない、とも言えます。売上を上げるために雇用されているわけですからね。求められたことが出来ないのであれば、いる必要ないですよね。

そんな中で、忘れてはいけないことがあります。

売上を上げることが仕事ではありますが、売上を上げること【だけが仕事ではない】のです。

それ以外にも仕事は色々とあります。それらをこなして次に繋げられるデータを収集する、これも営業における大切な成果であり、結果です。

一定以上の成果を出している人にありがちなんですが、「結果を出せば良い」「結果を出してるから俺のやり方に口出しするな」「あとは自由にさせろ」という態度、姿勢があります。これは絶対に許してはいけない。

マネージャーとして、現場のメンバーに対して『やってもらいたいこと』があるはずです。例えば自社品の評判を顧客から聞きたい、と思ったとします。それを製品開発に活かしていくわけです。そのために、アンケートシートを作って現場メンバーに配布し、お客さんからその声を聞いてこい、という指示を出すわけです。

大半の営業パーソンはなんだかんだで集めてきます。ところが売れる営業は「俺はこんなことしなくても売れるから」「売るのが仕事であって、こんなアンケートを集めるのが仕事ではない」なんて言ってくるケースがあります。

その場合、どれだけその態度を許さずに「その作業をしないのであれば評価を下げる」ことを宣言できるか、が大切です。やらない人間が1人でも出てくると、みんなやらなくなります。良いことより悪いことのほうが、組織では周囲に浸透しやすいのです。

他にも色々あると思います。1日10件訪問しろと言っているのに3件しか回らない、提案力強化のための勉強会を行なっているのに参加しない、競合情報を顧客から聞いてくるように指示しても聞いてこない、SFAへの入力を行わない・・・

こんなことを許していては、組織としての統制が働かなくなります。誰もマネージャーの指示に従わず、自分の考え、判断だけで動くようになります。

そうなったらどうなるか。売れない組織の出来上がりです。何も売れるわけがない。ドンドン売上は下がっていくでしょう。

そのやるべきことや出た指示が正しいかどうかは別問題です。正しくないものもあるかもしれない。でもそれは決まったことなのであれば、必ず実行しなくてはいけない。その結果として「意味が無い活動」であったとしたら、そこでやり直せばいいし、そもそも案として出てきた時に議論を行い、本当にその活動をやる価値があるのか、を見直す必要があるかもしれません。

いずれにせよ、『決まったことは実行しなくてはいけない』のは間違いないです。実行しないのであれば、決める意味が無い。

決まったことを実行しないメンバーは、厳しく対処する必要があります。逆に、決まったことの実行管理を行わない、行えないマネージャーは、マネージャー失格です。やることを決めた時に必ず下記の3つのことを決めて、形骸化しないようにする必要があります。

・欲しい結果は何か、どういう成果につながるのかを明確にする
・誰が、どこで、どのようにチェックするのかを定める
 (毎週の営業会議でExcel上で集計する、など)
・チェックした上でどのように判断するのかを決める
 (件数が少なかったら対象顧客の範囲を広げる、質が悪ければ上司同行する、など)

抜けがちなのが3つ目の「判断する基準を決める」ことです。チェックして問題が出たとします。その時にその場で「どうしましょう」なんて言ってたら、次の一手なんか決まりません。最初からある程度ダメだった時のことも想定し、いくつかのパターンごとに対策を予め持っておく。これが重要です。

最初の話に戻します。

営業パーソンは、売上を上げることだけが仕事ではありません。決められたことをしっかりと履行し、それから得られる結果をフィードバックすることも重要な仕事です。これらをこなして初めて「結果を出した」と言えます。

そしてマネージャーは、決められたことを履行しているかどうかのチェックを漏らさず行うこと、そして上手く進んでいないときは対策を出していくこと、これが重要な仕事です。

このへんのことを考えて、仕事をして行きましょう。

P.S.
もちろん、言われたとおりに全てやる、という話ではなく、与えられた仕事の中で創意工夫していくことが重要です。その自由度が高いのが営業の魅力でもありますし。