かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -262ページ目

官能小説「放課後の夜」六

達也の家に着いた。

達也の言うとおり家には誰もいないようで、築二十年以上の、古めかしいがしっかりした造りの二階建て一軒家は電気一つも点けずにしんと静まり返っていた。良雄はこの家にはもう何度も来ているが、こんな状況で訪れるのは初めてだ。

「 よっしゃ開いた。入れ入れ。 」

合い鍵で玄関を開け、達也は良雄を招き入れた。他人の家の匂い。その家が使っている洗剤の匂いなど色んなのが混じって、決して悪臭ではないのだが、何か微妙な違和感がある。いつものように慣れれば何も感じなくなるのだろうが。

玄関から入るとまっすぐ廊下がのびていて、その右側に階段があり、左側に居間、奥に台所と風呂場がある。

二人居間に入ると達也は素早く照明を点け、エアコンのスイッチをいれてからスタスタと台所へ歩いていった。

良雄は鞄を床に下ろし、部屋の真ん中にでんと置かれたテーブルの横に座った。

「 うーい、とりあえずこれ食おうぜ。 」

しばらくして達也がお盆にコーラのボトルとコップ、それに大きな皿いっぱいに盛られたポテトチップを乗せて居間に戻ってきた。二人ともちょうど小腹が減っていたところである。コーラで少し喉を潤し、ポテトチップにがっついた。

「 で、そのDVDはどこにあるんだっけ? 」

何気なく良雄が言うと、

「 ああ、今持ってくるよ。まあそんな慌てるなって。 」

達也はそう言って立ち上がると自分の部屋がある二階へ向かった。催促するつもりは全くなかったのに…まあいいか。いずれにせよ、ついにこの瞬間がやってきたのだ。良雄はDVDを持って二階から降りてくる達也の足音を聞きながら、複雑な感慨に耽っていた。