日米貿易交渉に為替条項要求-為替条項とは?関税より為替が重要な時代【ヤンの字雷】 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

本日は、ヤン様の寄稿コラムです!

 

日米FTAで「為替条項」をねじ込まれることが日本の財政政策を制限させることになるのではないかと、ヤン様がご指摘されています。

 

これは相当にヤバイです。

 

日本国内にも「日本の財政政策の制限を必死に遂行しようとする勢力が政官民問わず、わんさかいますので、このままでは日本は何の抵抗も無しに「為替条項」を呑むものと思われます。

 

しかも、「ポチ米・安倍」という、おまけがついているので、この流れは決定的でしょう。


嘘つき・安倍によるTPPや移民大量受入など、数々の悪政による日本破壊も同時進行中で、もはや日本は、両手両足を縛られて海に投げ込まれているくらいの万事休す状態ですが、日本には以前、「手力(ハンドパワー)です」のマジシャン・Mr,マリックがいました。

 

この日本の危機的状況を脱すべく、私達もマジシャンとなり、「口力(マウスパワー)」を発揮させていきましょう。

 

それではヤン様コラムをどうぞ!

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日米貿易交渉に為替条項要求-為替条項とは?関税より為替が重要な時代【ヤンの字雷】

 すっかり忘れ去られていますが、現在も日米貿易協定の交渉は進んでいます。日本では日米”物品”貿易協定(TAG)として報道されますが、実態的には日米FTAであり、サービスなどの分野も含むようです。

 日本政府がいう日米「物品貿易協定」はFTAそのもの(赤旗)でも、TAGは日米FTAそのものだ、との事実を提示しています。

 

 先日、日本に為替条項要求へ 米財務長官、貿易交渉で明言:日本経済新聞という報道がされました。
 アメリカの為替条項要求を分析することで、GAT(実質的FTA)がどのようなものになるのか? を考えてみたいと思います。

日米貿易協定で為替条項をアメリカが要求

 日本に為替条項要求へ 米財務長官、貿易交渉で明言:日本経済新聞では、以下のように報道されています。

  1. アメリカは為替条項を要求、日本は反対(拒否ではない)
  2. 日本の反対理由は、円売りができなくなるから
  3. アメリカはカナダ、メキシコとの協定にも為替条項を要求するかまえ
  4. 日本は物品協定を求めているが、アメリカはFTAを想定している

 為替条項は私の知る限りでは、既存の貿易協定で入ってなかったと思います。
 アメリカは政治力と軍事力を背に、新しいルールを世界に要求していると解釈できます。

 

 アメリカが為替条項を要求する背景には、自国製品を輸出したいとの思惑があります。まさにアメリカンファーストですが、日本にとってはたまりません。

 

 日本は建前上、7年ほど為替介入はしていない、ということになっています。したがって、為替条項を拒否することは、大義名分が見つからず、難しいかもしれません。

為替条項とは?

 基本的には「意図的に自国通貨安を引き起こさないための条項」ですが、様々な危惧が報道されています。
 円高になるのではないか? 金融政策が規制されるのではないか? 等々。

 

 為替条項の問題点はいくつか存在します。
 第一にデフレ圧力を、強めるかもしれないという点。過度の円高は、輸入品と国内製品の価格ギャップを生み出します。
 つまり、国際産業が輸入品にさらされ、価格競争をしいられる恐れが強い。
※保護貿易で、関税を高くできるのなら、問題にならないのですが――関税の壁はすでに殆どありません。

 

 第二に、為替条項の内容によっては、金融政策が制限される点。通貨発行権は国家の主権ですから、これを脅かす政策は非常に危険です。
※金融政策のみならず、国債発行――財政政策――が制限される可能性もあるのではないか? と考えています。

 

 まだ仮説段階ですし、為替条項の内容がわからないので、不確かなロジックになりますが、こうです。
 財政出動によって、市場の通貨供給量が増えると、基本的には円安方向に進むと思われます。
 もし財政出動の結果の円安が、為替条項に抵触するとしたら? かなりマズい条項なのではないか? と見立てています。

関税の時代が過ぎ去った現在

 過去の貿易協定の主な交渉内容は、関税でした。GATTからWTOになり、世界的にほとんど関税は、壁となり得なくなっています。
 中野剛志さんは2012年頃から、「もはや関税ではなく、為替の影響が大きい」とおっしゃっていましたが、その予測どおりの時代になったわけです。

 

 結果、アメリカは自国の国益のため、他国に為替条項を押し付けようとしているのです。

 

 TPPに「断固反対!」といっていた自民党と安倍政権は、政権をとってすぐにTPP交渉に参加しました。
 我が国の対米従属が、明らかになった瞬間でありました。
 今回も日本は、為替条項に反対してますが、押し通せるかどうか? は不明です。かなりの確率で為替条項は盛り込まれる、と思っておいたほうが無難でしょう。

TPPに日米貿易協定と、搾り取られる日本

 TPPが話題になったのは2011年頃からです。奇しくも、小村寿太郎が関税自主権を回復したのが1911年。ちょうど100年目に、日本は関税自主権を手放そうと動いたのです。

 

 結果的にアメリカはTPP交渉を離脱しました。TPPはアメリカ、日本でGDPの9割を占める、実質的な日米FTAでした。
 ゆえに、TPPの影響はGDP比では、大した影響がなくなったといえます。
※それでも、不利益を被っているのは日本である、と思います。まだ統計結果、研究結果が出ていないので、なんともいえません。

 

 しかし、ここに来て日米FTA(GAT)が持ち上がっております。GAT(実質的日米FTA)は、確実にTPPの水準以上のものを、アメリカは日本に要求します。
 その要求の一例が、為替条項という毒薬です。

 

 非常に皮肉なことですが、トランプ大統領はアメリカンファーストを掲げ、アメリカの国益を追求するがゆえに、グローバリズムを推し進めることになるのです。
 為替条項という、共通通貨ユーロに似た条項を、要求するのはその証左でしょう。

 

 アメリカは、国益を考えれば考える程、グローバリズムに進むという矛盾を抱えて、凋落していくことでしょう。
 19世紀のイギリス、21世紀のアメリカは、覇権国家の必然として凋落するのです。

 

 ――巻き込まれて凋落する国家もあります。「今のままだと」と、ですが。
 どこかって? アメリカの属国が極東に存在するじゃないですか。

(了)


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