『「日本人への課税は是、外国人への課税は否」という詭弁』 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

本日は、うずら様から 『公的インフラ投資必要論』 というコラムを頂いております!

 

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『「出国税」は本当に要るのか 』(10/1 日経社説)

「観光庁が訪日外国人を増やすための財源を確保しようと「出国税」を検討している。本当にこんな税金が必要なのだろうか。(略)
出入国手続きを円滑にするためのインフラを整えたり、出入国管理にあたる職員を増やしたりする必要もあるだろう。ただ、その手段として出国税が妥当かどうか。冷静に検討する必要がある。
 仮に日本人も外国人も、日本を出国する際に1人あたり千円を税金として徴収すると、約400億円の税収を見込めるという。いまの観光庁予算の約2倍を確保できる計算だ。(仮)
日本の財政事情は厳しい。もしも観光予算を増やそうというのであれば、国土交通省の公共事業などの予算を削り、その一部を充てれば済むだけの話ではないか。
 出国税と似た税金や手数料は外国でも例がある。もしも日本で出国税をつくろうというのであれば、ある特定の歳出のためだけに使う特定財源とはせず、一般財源として財政健全化にも活用できるようにすべきだ。
最悪なのは、増税して無駄遣いをすることだ。観光振興を名目に従来型の公共事業に振り向けてはならない。たいして効果のない広告や宣伝にお金をばらまくのも論外だ。(略)」

先ず、出国税云々に関する私の意見は次のとおりです。
①訪日外国人観光客の急増に伴う観光インフラ整備や出入国管理人材育成の関連財源は、受益者たる外国人観光客のみから聴取すれば済む話(=訪日外国人に対する「入国税」)
②出国税は、本来の目的たる“富裕層による課税逃れのための財産の海外逃避防止”に絞って強化すべき

それにしても、訪日外国人の受入体制整備に使う予算の一部を、日本人にまでおっ被せようとする観光庁の神経を疑いますね。
ただでさえ、外国人観光客は、日本国内で消費税免税(ただし、一定の要件を満たした店舗での買い物のみ)という多大な恩恵を受けているのに、彼らの観光地巡りに要するコストの一部を日本人に負担させようというのですから、開いた口が塞がりません。

2017年の訪日外国人観光客数は、昨年を18%近く上回るペースで増えており、2,800万人ほどと推計されます。
彼らに一人1,000円の入国税を課せば年間280億円の予算を確保できますし、膨張する外国人のせいで空港や列車、観光地での混雑を強いられ、迷惑を蒙る日本人の負担軽減のためにも外国人観光客に課税すべきです。

それにしても、相変わらず日経らしい緊縮礼賛型の低レベル記事にはうんざりさせられますね。

「出国税を取るくらいなら、その分だけ公共事業を減らせ」なんてアホなことをよく言えたものです。
“日本人から消費税を搾り取るのは大賛成、外国人に観光税を課すは大反対”という日経の詭弁師ぶりが露呈したわけですが、公共事業費削減により国内建設事業者が蒙るデメリットと引き換えに、訪日外国人観光客を満足させようという“国内軽視”の発想は、日経流の「蔑国思想」とでも呼ぶべきでしょうか。

挙句の果てに日経社説は、観光振興資金が公共事業費に流れるのを警戒し、観光振興財源を一般財源化して政府の借金返済に充てるべきと主張していますが、何をおいても緊縮第一のバカさ加減には呆れてモノがいえません。

政府が進める観光振興事業と言えば、「入出国審査体制整備、観光表記刷新、無料Wifi増設、プロモーション費、ガイド人材養成、情報セキュリティ強化、周遊ルート開発、観光施設のバリアフリー化」等が挙げられますが、観光庁は関連予算の3本柱の一つに「ストレスフリーで快適な旅行環境の実現」を掲げており、当然、日経が大嫌いな『従来型のハード整備系公共事業』が含まれています。

俗に旅の三要素は「アゴ(食事)」、「アシ(交通機関)」、「マクラ(宿泊施設)」(「サービス」を加えて四要素とも…)と言われていますが、『従来型のハード整備系公共事業』なくして、「アシ(交通機関)」の充実はあり得ませんし、Wifiもろくに使えず、観光施設の不潔なトイレを放置したままでは、お得意の“お・も・て・な・し”の精神に魂を入れることなどできません。

日本政府は、観光産業を新たな成長産業に位置づけ、訪日外国人観光客を2020年に4,000万人、2030年には6,000万人に増やすという壮大な目標を掲げています。

3,000万人にも満たぬ今の状態でさえ、成田や羽田、関空、新千歳といった国際空港では、入出国審査や保安検査で大渋滞が生じるありさまですから、今の倍以上の人数を捌くとなれば、出入り口たる空港や港湾だけでなく、列車やレンタカー、宿泊施設、観光案内所などの対応施設に莫大な負荷が掛かり、遠くない将来、我が国では「インバウンド・ショック」による交通インフラの大混乱に見舞われるでしょう。

そんな折に、たかが数百億円の観光予算に細々とケチをつける浅ましい守銭奴(=日経みたいな緊縮教徒)はガン無視して異次元の規模で公共投資費をブチ込み、観光関連施設の補強とそれに係わる人材の増強を急ぐべきです。
そうでもせぬ限り、我が国の人口の半分以上もの訪日外国人の受入体制を整えるなんて絶対に不可能です。

緊縮優先のセコセコしたみみっちい発想から、成長産業の種を芽吹かせることはできません。

 

 

 

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