「すすきの」の夜は、雪より白く、そして深かった。

ネオンの海を歩くうち、私は自然と足を向けていた。

男には、たまに“謎”を解きたくなる夜があるのだ。


そのビルは、すすきののど真ん中にあった。

見た目はごく普通の雑居ビル。だが、その奥には「非日常」がひそんでいる。

受付でスマホを預けるとき、私はふと“この街には余計な証拠は残さない”という無言の掟を感じた。


待合室には監視カメラ。どこかのスパイ映画みたいな光景だが、不思議と落ち着く。

探偵気分のまま椅子に腰を下ろし、私は事件の始まりを静かに待った。


やがて現れたのは、一人の泡嬢。

人懐こい笑顔と、どこかいたずらっぽい瞳。

まるで、秘密を共有する相棒のような雰囲気をまとっていた。


プレイルームに通され、軽くシャワーを浴びた後、泡立つ世界が幕を開けた。

彼女の動きは、計算され尽くしているわけではない。だが不思議と、すべてが噛み合う。

呼吸も、タイミングも、まるで何年も連れ添った相棒のようにフィットする。


そして事件は起きた。

彼女が私の上にまたがると、すべてが一変した。

その動きはまさにスクワットの精。

気づけば私は、天に昇る途中で「もうダメだ」と声を漏らしていた。

フィニッシュ後、彼女は少しだけ息を整え、悪戯っぽくこう言った。


「次は、2人指名してね。あなたを一人で満足させる自信がないの」


──なるほど。

どうやら私は、彼女の“穴”を調べすぎたらしい。

名探偵としては光栄だが、相手にとっては少々荷が重かったのかもしれない。


店を出ると、雪がしんしんと降っていた。

白い夜の下、私はそっと襟を立てて歩き出す。

そう、探偵はソープにいる。

この街の謎は、まだまだ解かれたがっているのだ。