■印象に残った言葉

・“父は田舎を捨てた。両親を捨てた。つまり、自分の原点を捨てた。全力で「自分のなりたい自分」を、そして、「皆に望まれる自分」を、それが間違いであったとしても、全力で演じ、だが自分のすべてを背負って、死んでいったのだ。その苦しみは父のものだ、それを演じたのは、父の体だ。”

 

■感想

今まで読んだ西さんの作品のなかでもひときわ淡々と話が進んでいく小説。ニューヨーク行ったことないし、地理分からないし、大した事件起こらないし、読み進めるのが多少つらくなるときもあったけど、最後にいっぺんに主人公 葉太の感情が盛り上がっていく。

自分だけに与えられた、自分の人生という「舞台」の上で、どのような生を全うするのかは全部自分の責任で決められる。そんな強いメッセージを発し続ける西さんの作品がやっぱり好き。



◾️印象に残った言葉
・“「でも、君がこれから幸せになれば、その子は君を幸せにするために七十日という命を使ったことになるんだ。そのとき、その命には意味が生まれる。その子が命を授かった意味を作るのは君なんだよ。だから、君は絶対に幸せにならないといけないんだ。それを一番望んでいるのは、その子なんだよ・・・・・・」”

◾️感想
前作のコーヒーが冷めないうちにを読む前に先にこっちを読む。そんなに順番は気にならない。
連作短編だけど、ほぼ一貫して上に書いたような考え方を基盤に成り立ってる物語と思った。幸せとは死者がこの世を去ったという不幸(本当に死ぬことが不幸なことなのかどうかは一考の余地ありだが)の上にあるものでなく、死者が生きた命に更なる輝きを与えるために得なければならないもの。だから日々、自らの幸せのために生きることが亡くなった愛する人を利する行為にもなり得るんだ。
僕ももっと幸せになる、絶対に。

 

 

■印象に残った言葉

・“十代の終わりと言えば、もっと中身のある、ぎゅうぎゅうと密度の濃い時期のはずなんだろうか。少なくとも僕たちは、プラスチックみたいに軽薄で、スポンジみたいに頼りない人間関係を築いていた。”(『サムのこと』)

・“誰が死んでも、何が起こっても、日常はいつもぼうっとそこに横たわっていて、それは悲しくなるほど無責任で、残酷で、途方も無くやさしい。”(『サムのこと』)

 

■感想

同年代で大好きな西加奈子さんの短編集。いつもどおり、短編集と知らずにページを開く。表題作の『あおい』もよかったけど、『サムのこと』が好き。十代の終わり頃ってどんな感じだったかな。中身が濃いと言えば濃いんだろうけど、もっともっと濃密な時間を過ごすこともできたよな、とか今になって思ってる時点でダメだな。

そこにただ横たわっている日常に安住せず、日々を全力で生きないと。どうせいつか死ぬんだから。

死んだらどうなるかは死んでみないと分からんけど、とりあえず今の人生を精いっぱい全力で楽しんだもん勝ちでしょう。

 

 

■印象に残った言葉

・“朝食前ランを継続しているうちに、だんだんと空腹時に走ることに馴れてきて、楽に走れるようになりました。人間の適応能力はすごいです。”

・“今まで固めて落としていた膝や足首をユルユルに緩めるほうが、地面からの反力をもらえることに気づいたのです。反力をもらうのは股関節なのです。”

・“真面目な話、一番エネルギーを必要とするのも一番疲労してしまうのも、脳です。特に脳が大量に酸素を消費するのは思考する時です。それも、不安だったり苦しいと感じるネガティブ思考の時に一番消費します。なので、走る時は基本的にあまり何も考えないようにしています。”

・“甘いものを食べるから、さらに甘いものを食べたくなる。”

 

■感想

これまでのマラソン本の中で一番著者のスペックが低い本みたいなこと言いながら、激遅の初マラソンからサブ3.5までに到達するまでの過程が見事に端折られていて昨シーズンようやくサブ4達成できた身としては非常に分かりづらい。もともと走る才能あったんじゃね、この人?みたいになってしまう。

とはいえ、走るフォームや動きづくりの運動・ストレッチについて書いていることはずいぶん参考になる。ダニエルズ理論をベースにした練習をしているところも自分の信じているものを下支えしてくれているようでいい感じ。

しっかり取り入れて今年も記録更新目指すぞ。

 

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■印象に残った言葉
・“あらゆる人の、たくさんの苦しみ。決して解決出来ないものもあったし、どうしても納得できない残酷な出来事もあった。きっとそういう人たちのために、信仰はあるのだろう。自分たち人間では、手に負えないこと。自分たちのせいにしていては、いきてゆけないこと。それを一身に背負う存在として、信仰は、そして宗教はあるのだろう。”
・“「あの子には、自分で、自分の信じるものを見つけなあかん、て言うたんや。」”
・“「私が、私を連れてきたのよ。今まで私が信じてきたものは、私がいたから信じたの。分かる?歩。私の中に、それはあるの。『神様』という言葉は乱暴だし、言い当てていない。でも私の中に、それはいるのよ。私が、私である限り。」”
・“僕の好意さえ、誰かに監視されたものだった。みんなが見て羨ましがるような女か、恥ずかしくない女か。”
・“僕が自分の名の由来を聞くのは、今でなくてはならなかったのではないか。名前だけではない。すべては、なされなければならない時に、なされているのではないだろうか。”

■感想
信じることそのものが持つエネルギー。それこそが、人類が与えられた力であり、人は適切なタイミングでその力を発揮すべきときに信じるものを見つけるように運命づけられている。
そんなお話。
まずはいま信じているこの道をしっかり一歩一歩進むことが大事やね。もしこの道が間違ってても、日々を全力で過ごしていればきっとしかるべきときにしかるべき道を見つけることができるはずやからね。

 

がんばろう。



◼️印象に残った言葉
・“もう、生まれ落ちてしまったのだ”
・“幼かった僕らは、どこかでそれを分かっていた。だからこそ、その時間を大切にした。一瞬一瞬は、僕らの中でスパークし、それが二度と戻らないものであるからこそ、その輝きは強烈だった。”
・“おばさんの選ぶものは脈絡がなかったが、脈絡がないからこその真剣味があった。おばさんは、誰かに知らしめるためにそれらを吸収していたわけではなかった。”
・“「今俺がおる世界以外にも、世界があるって思える」”
・“「だって、自分のしたいこととか思いに、嘘つかずにおるのって、難しいやろ。特に、林のような人らは。」”

◼️感想
SNS消費。あれ食べた、これ観に行った等々、その行為自体が目的なのか、投稿することが目的なのかよくらわからない時代。最近のブームは草間彌生展あたりかな。本当にあの水玉おばさんの作品観たくて行ってんの?あんたそんなにアート好きでしたっけ?とツッコミたくなる投稿が散見される中(かく言う僕もこうして読んだ本をひけらかしてるわけだが)、自分が良いと思うものをひけらかすことなく収集したり、自分のしたいこと・信じることをただひたすらしたり、という人物が描かれているこの作品が気に入った。
下巻も早く読もう。


◼️印象に残った言葉
・“たかだか一度や二度の残飯の投与にあずからんが為に、友を売り、妻を離別し、おのれの身ひとつ、その軒下に横たえ、忠義顔して、かつての友に吠え、兄弟、父母をも、けろりと忘却し、ただひたすらに飼い主の顔色を伺い、阿諛追従てんとて恥じず、ぶたれても、きゃんと言い尻尾まいて見せて家人を笑わせ、その精神の卑劣、醜怪、犬畜生とは、よくも言った。”(『畜犬談』)
・“私には詩がわからぬ、とは言っても、私だって真実の文書を捜して朝夕を送っている男である。まるっきりの文盲とはわけが違う。少しは、わかるつもりでいるのだ。”(『散華』)
・“任地に第一歩を印した時から、すでに死ぬる覚悟をしておられたらしい。自己のために死ぬのではない。崇高な献身の覚悟である。そのような厳粛な決意を持っている人は、ややこしい理屈などは言わぬものだ。激した言い方などはしないものだ。”

◼️感想
夜を乗り越える』を読んでから興味を持ちちょこちょこと読んでいる太宰治。なんとなく夜を乗り越えるの影響があったのか、今回のお気に入りは『富嶽百景』に決定。
上に書いた3つの文章のうち、2番目がなぜ心に引っかかったのか思い出せないけど記録としてここに残しておく。まだまだ太宰の魅力が十分には理解できていないけど、文体にも慣れてきたし、おもしろいと思えることも増えてきた感はある。そろそろ有名どころの人間失格とか斜陽にも手を出してみようかな。


◼️印象に残った言葉
特になし

◼️感想
進化の過程で傍から見るとざんねんな進化を遂げてしまった動物たちを紹介したもの。うちの子(小学生)が喜ぶと思って図書館で借りてきたが大人も十分楽しめる読み物だと思う。
あえてビジネスに当てはめて書くなら、自分自身は今、この環境の中でビジネスパーソンとしてどういう進化を遂げるべきかを考えたい。後々、それが傍から見てざんねんな進化とならないように環境に適応し続けたい。

 

 

■印象に残った言葉

・“3時間30分を切る、あるいは、市民ランナーの憧れサブスリーを狙う人は、週に70kmを目標にします。”

・“レース3日前に長い距離(20~30km)を走り込むことをおすすめします。いったん、筋肉中のグリコーゲンを枯渇させることが目的です。”

 

■感想

楽に速くなる方法なんてないことは百も承知だけど、少しでも効率よく速くはなりたい。そんな気持ちで読む。1分間に180歩ものピッチを刻みながらスローに走るという感覚がなかなかつかめてないけど(早速昨日試してみた)、マスターしたら違う世界が拓ける感じもした。このピッチを保ってしっかりスピードを上げ下げできるようにしよう。

 

 

■印象に残った言葉

・“強力な毒を頻繁に自分の体に流し込むと、健康が損なわれ、エネルギーレベルも下がり、勇気と自信がなくなるからです。”

・“私たちはお酒が持つ「酔い」という特性に依存しているのです。「酔った状態のほうが社交も楽しくリラックスもできストレスも解消できる」という幻想に依存しているといったほうがいいかもしれません。もう一度言います。それは幻想です!問題解決のカギはあなたの心の中にあります。この幻想さえなくなれば、アルコール依存症も治るのです!”

・“バスに乗る気がないからバスに乗らないことに、意志の力は必要ないでしょう。お酒についても同じことが言えます。”

・“病気というものはそういうものでしょう。初期段階には症状が軽いので、その病気にかかっていることに本人も気づかないのです。それなのに、病気が後者の段階に進んでしまった人のことを、AAは「先天的に体質が違う」と間違って解釈しているのです。”

・“私がこう言ったとしたらどうでしょう。「正直言って、僕はにんじんを食べても食べなくてもどっちでもいけるんだよ。一ヵ月全然食べない時もあるぐらいだからね」”

・“「害にならないからシャボン玉をするんだ」と私が言えば、たちまち変人のレッテルを貼られることでしょう。”

・“人生に空いた穴をお酒が満たすのではありません。その穴こそお酒が作ったものなのです。”

 

■感想

再読。すなわち、前回読んだ際にはお酒をやめられなかったということ。これまで、なんとなく環境(主に会社)のせいにして惰性で飲んでたけど、はっきり言って人生に酒は不要だな。ビジネスパーソンとしてのピークを長くしたい、マラソンももっと速いタイムでフィニッシュしたいと思ってる身からしたら、不要なものからは距離を置くに限るな。