■印象に残った言葉
・“海外で闘うにしても、やはりまず日本の地方のあるエリアで勝ち方を極めていることが非常に大事なのだそうです。”
・“「なぜ掃除をしているのか?」と聞くと、「掃除をしていたら酒屋さんが喜んで、『それじゃ売ってやるか』と一部の小売店で売上が伸びた例があったんです」と言うのです。これは、手段と目的の完全なはき違えもいいところです。よく考えれば売り上げにつながる営業活動になっていない、意味のないことに労力を使っているのはわかるはずですが、他の手段も思いつかないから言われた通りにやるしかないという、負けている組織の精神風土でした。”
・“自分が考えて確信をもてることしか部下に言ってはいけない”
・“この会社は自分がリスクを背負ってまで立て直さなくてはならない価値のある会社なのかどうか。自分の内面の問題になっていきました。”
・“変わりにくい人というのは、仕事は1から10まで上から言われてそれをこなすものだという考え方が抜けきらない人でした。”
・“わたしの考えでは、仕事とは、すなわち理念に裏打ちされたビジョンを達成するものです。”
・“一見、当たり前のようであり、でも具体的に何をしたらよいかわからないという感想をもたれるかもしれません。ですが、ここに書かれていることの背景にあるものについて、ぜひ考えていただきたいと思います。”
・“途中で考え方を変えました。いくらキリンのほうがよいですと言っても聞いてくれないので、こうなったらそこはすっぱりあきらめ、今キリンを飲んでいる人たちだけを大切にする。その方たちにもっと喜んでいただくことだけに専念する、と考え方を変えてみました。そうすると、キリンを飲んでいる人の幸福度が相対的に高まり、水が高いところから低いところへ流れるように、自然とアサヒからキリンに変わるのではないだろうか。”
・“バックミラーを見ながら運転してはいけない(ブログ執筆者注:過去のデータに基づいて未来を決定してはいけない、の意”
■感想
高知支店を皮切りに、著者が関わったステージでの市場との戦い、逆転劇を描いた物語。2000年から2002年まで僕も高知にいたわけだが、その頃には既に高知ではキリンが強かったし、アサヒの失策(この本では触れられていないけど)もあったと地元の人から聞いていたので、その下地にここまでのキリンの努力があったことは知らなかった。理念に裏打ちされたビジョン達成のために自ら考え、行動する営業姿勢を赴任したそれぞれの場所で植え付けていった稀有なリーダーだと思う。ともすれば、お題目だけ唱えて具体的な指示は何もできないお飾りリーダーと揶揄されかねないところを、よくぞここまで持っていったなあ、という印象を受けた。
理念は立派、ビジョンもある程度共有されている。その達成のために、いまの自分の立場から何ができるのか。もう一度、必死で考え抜いて自分なりの答えを出したい。ひたすら考え、そしてひたすら実行する。









