『新堂冬樹全作品紹介④』 | 新堂冬樹オフィシャルブログ「―白と黒―」Powered by Ameba

『新堂冬樹全作品紹介④』


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15動物記

●2004年10月(角川書店)
<あらすじ>
父親とアラスカに来ていた小田切俊一は、ロッジで飼われている小熊のアダムと遊ぶのが好きだった。アダムは獰猛なグリズリーの子供なのに、人なつこかったのだ。それから、22年の時が流れ、俊一はアラスカロケ番組のディレクターに抜擢される。俊一は、息子の俊夫と再びアラスカへ。だがロケ候補地では「クマ王」と呼ばれる巨大熊が甚大な被害をもたらしていた。

☆白新堂でも黒新堂でもない、まさに新境地。子供の頃から「シートン動物記」をバイブルにしていた俺は、小説家になって新堂版「動物記」を刊行するのが夢だった。

筆致も、それまでの新堂スタイルとはまったく別のものにした。

推薦文は、「シートン~」を日本語に訳していた今泉先生で、お褒めの言葉を頂いたときには涙が出そうなほど嬉しかった。

ある意味、「動物記」は、どんな小説を刊行するよりも嬉しかったかもしれない。


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16背広の下の衝動

※文庫版時に『ホームドラマ』に改題
●2004年11月 (河出書房新社)
<あらすじ>
職場でも家庭でも疎外される私の“安息の場所”は?新堂冬樹が贈る最悪のホームドラマ。

☆エンターティンメント小説を書いていた俺が、

純文学系の出版社と絡んだ記念すべき作品。

この短編集には国民的長寿ファミリーアニメのブラックパロディがおさめられている。

 クレームがくるのではないかと思うほど、ブラックに攻めているので、興味のある方は

是非、読んでみてくれ!


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17吐きたいほど愛してる。

●2005年1月 (新潮社)
<あらすじ>
迷惑な妄想逆ギレ男が、夫の帰りを正座して待つ壊れた妻が、生き地獄を味わう可憐な美少女が、虐待される寝たきり老人が、自己の中心で愛を叫ぶ!勝手気ままに狼藉の限りを尽くす面々をあなたは愛せるか?

☆タイトルを読んで万が一、白新堂? と思って手を出してしまったら

 大変なことになる。

 たとえるならば、甘いジュースだと思って飲んだら

テキーラだったみたいな・・・それほど

 危険な作品だ(笑)

黒新堂の表の横綱が「溝鼠」なら、

裏の横綱が「吐きたいほど~」だ(笑)

ゲラチェックで読み返しているときに吐き気がしたのはこの作品だけだ(笑)


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18僕の行く道

●2005年2月(双葉社)
<あらすじ>
離れて暮らす母に会うため、小学3年生の沖田大志はひとり、旅に出る。途中、さまざまなトラブルが大志に降りかかるが、行く先で出会う人々の優しさに助けられ乗り切っていく。心細い思いをしながらも健気に旅を続ける大志は、果たして母に会えるのか?

☆鈴木京香さん、阿部サダヲさん主演で「ぼくとママの黄色い自転車」

というタイトルで全国ロードショーになった作品。

 白新堂だが、恋愛よりも親子愛をメインにした初めてのテーマだ。

 


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19聖殺人者

※悪の華 の続編
●2005年3月(光文社)
<あらすじ>
シチリアマフィアのドンの息子・ガルシアは、家族を皆殺しにされ、東京へと逃げ延びた。新宿で凄絶な抗争を生き抜いたガルシア。だが、家族の仇であり、今ではシチリアの大ボスとなった宿敵マイケルが最強の刺客を放つ!殺人マシーンとして育てられた男とガルシア、さらに南雲組組長・海豪。三つ巴の闘いの行方は?鮮烈にして哀切なハード・ボイルドの傑作。

☆「悪の華」の続編だ。

  前作で日本にきたガルシアの刺客として送り込まれた哀しき殺し屋の

  ジョルジオ。

  続編も男の哀愁漂う「ゴッドファーザー」の世界観が広がっている。

帯のキャッチが過激(笑)