『小説家としては・・・難しい問題だ』
現在日本テレビで放映中の「明日、ママがいない」
が、窮地に立たされている。
事の詳細は下記に貼り付けているので割愛する。
「おまえたちはペットショップの犬と同じだ」
これは、ドラマの中で職員が施設の子供達に
吐いた暴言だ。
ドラマと同じように「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を
設置する熊本市の慈恵病院が児童養護施設が舞台の同作について
「養護施設の子どもや職員への誤解偏見を与え、
人権侵害だ」として放映中止を訴えている。
これは、非常に難しい問題だ。
ドラマと同じ境遇の施設の子供達が傷つき、また、
いじめられるかもしれないことを考えると、
「フィクションだから」では片付けられない。
だが、俺も小説家という仕事柄、登場人物をかわいそうな目に
あわせたりいやな性格にしたり・・・それこそ、卑劣な人間
、ろくでなしやひとでなしを数え切れないほど書いてきた。
俺の小説に登場させた人物と同じ境遇にいる人が、
「小説のせいで悲惨な目にあった」という可能性も
十分に考えられるのだ。
だから、俺としては、病院側の言い分はわかるのだが、
「即刻放映を中止しろ!」と他人事のようには言えない。
ただ、ひとつだけ言えることは、どんなテーマを取り扱うにしろ、
中途半端な気持ちではなく真摯に向き合うこと・・・そのテーマを
世に出すことで傷つくかもしれない人達のことを心に留めながら。
そして、不幸にも、誰かを傷つけてしまった場合は、
しっかり話し合い互いが理解しあえるように努力するべきだと思う。
まあ、曖昧な意見になってしまったが、今回の騒動は俺も自らを
見つめ直すいい機会だと受け止めるつもりだ。
~騒動の詳細~
芦田愛菜(9)主演で、15日にスタートした
日本テレビ系「明日、ママがいない」
(水曜午後10時)に物言いがついた。
親が育てられない子どもを匿名で受け入れる
「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を
設置する熊本市の慈恵病院が16日、
児童養護施設が舞台の同作について
「養護施設の子どもや職員への誤解偏見を与え、
人権侵害だ」として、放送中止を申し入れると明らかにした。
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会への
審議の申し入れも検討している。
同作の第1話では、芦田が演じている「赤ちゃんポスト」に
預けられた女児に「ポスト」というあだ名が付けられており、
慈恵病院は「預けられた子どもを傷つけ、
精神的な虐待、人権侵害になる」と批判した。
養護施設の描写でも、「職員が子どもに暴言を吐き、
泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎ、
誤解や偏見、差別を与える」と指摘した。
これは三上博史演じる職員が、食卓を囲む子どもたちに
「泣いたものから食べていい」と強要し、「おまえたちはペットショップの犬と同じだ」
などと言い放ったシーンとみられ、同病院では、近く口頭と文書で、
日本テレビに放送中止を要請するとともに、
ドラマ制作経緯の説明を求めるとしている。
また、全国児童養護施設協議会も同作を問題視。
意見を取りまとめた上、近く同局に抗議文を出す意向を示している。