『遅咲きの花』
秋桜(コスモス)は、みな知らない人はいないくらい
有名な花だが、「早咲き系」と「遅咲き系」がある。
「早咲き系」は夏頃から咲き始め、
「遅咲き系」は秋に開花する。
「開花」・・・人間が才能を発揮し始めるときにも
使われる言葉である。
高橋未希が「早咲き系」か「遅咲き系」かと
訊ねられれば、間違いなく後者だ。
16歳から新堂プロに所属している未希も
いつの間にか19歳・・・20歳の足音も聞こえてくる
大人の女性に近づきつつある。
これまでにも、数々のドラマや映画に出演してきた未希だが、
彼女の魅力を「開花」させる作品にはまだ巡り合っていない。
もちろん、作品が悪いわけでも未希が悪いわけでもない。
高橋未希という少女の放つ光は、
鮮烈でわかりやすい陽光というより、
どちらかと言えば静寂な夜の厳かな空間で息を潜め、
耳を澄ます者を幻想的な「蒼」に染めるような
月光に近いと言えるだろう。
そう、時間はかかるかもしれないが、
未希の放つ光に気づいた者は、
その幻想世界に魅了されるのは間違いない。
現在、フジテレビの深夜10分連ドラの「東京リトル・ラブ」で
中国人役で準レギュラーとして出演している未希。
少しずつだが、彼女の「月明かり」が行きわたり始めている。
演技レッスンでも独創的かつ幅広い演技をみせており、
着実に成長している。
女優という仕事において、いよいよ「開花」の兆しが見え始めてきている。
俺が未希に感じるのは、モナコ王妃兼歴史的大女優の
グレイス・ケリーなどと同じ「匂い」だ。
ここで少し、グレイスケリーについて触れておこう。
1951年22歳で映画に出演しデビュー。この作品を見た
スタンリー・クレイマー監督が『真昼の決闘』でゲイリー・クーパー
の相手役に抜擢した。
映画監督アルフレッド・ヒッチコックのお気に入り女優で
『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』『泥棒成金』などの作品で
ヒロインをつとめている。
1954年に『モガンボ』でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、
1955年には俳優ビング・クロスビーの妻役で
シリアスな演技を見せた『喝采』でアカデミー主演女優賞を受賞。
話を秋桜に戻そう。
秋桜の花言葉は、「愛情」と「乙女の真心」。
未希のイメージにピッタリだ。
因みに、赤は「乙女の愛情」で白は「乙女の純潔」を表す。
未希は、赤い秋桜か白い秋桜か、果たして・・・。
またな!