『男の中の男②』
「我が生涯に、一片の悔いなし」
の名台詞を残して天に拳を突き上げたまま
死んで逝った、恐怖の暴凶星、世紀末覇者の
ラオウには、シビれまくりだ。
一子相伝の北斗神拳継承争いに、育ての親の
リュウケンから、「お前の拳は危険過ぎる」という
理由で実弟ケンシロウに「継承者」の座を取られて
しまったラオウは、家を出て、神に代わって自らが
この世を制覇することを誓う。
ラオウだが、ただひとつ、恐れていたことがあった。
それは、「愛の力」だ。
ラオウとは対照的に、戦いを通して死にゆく者に
たいして悲哀を感じ、愛の奥義『北斗神拳究極奥義 無想転生』
を身につけたケンシロウとの戦いに挑んだラオウは、
恐れていた「愛の力」に敗れてしまう。
そして、最初の写メの名シーンで天に昇るわけだが、
本当は、ケンシロウに負けないくらいの愛情深き優しい
男だった。
だが、「神に代わって天を支配」するために、「愛」や「情」は
邪魔だと判断し、「非情なる強さ」だけを追求する男となった。
「強くなり過ぎたために天を支配できなかった」哀しき男。
ラオウは、男からみて「惚れる」男だ。
またな!