『「新堂冬樹分析術」③』
「相手の心を見抜く瞳」
写メは甲斐犬である。
甲斐犬は、飼い主以外には懐かない忠実な犬だ。
俺は、自分の前世は「犬」だと公言しているほど
の犬型人間だ。
喜怒哀楽がわかりやすい。嬉しいときと不機嫌なときが
ひと目でわかる。
俺の周囲に長くいる人間から、もう何十人にも言われて
きたことだ。
もう一度言う。俺は犬型人間だ。それも、甲斐犬に似ている。
「これだ!」と思ったパートナーのためには自分の損得抜きに
動く。「これでもか!」とばかりに後押しする。
自分でも、驚くべきエネルギーを使う。
ここで、甲斐犬に話を戻す。甲斐犬は、瞬時に、この人間は
心からの笑顔か表面だけの笑顔かを見抜く天才だ。
だから、あまり犬好きじゃない人が犬好きを装っても、
すぐに見抜く。
犬は全体的にそういう才能を持っているが、甲斐犬はとくに
ずば抜けている。
自分で言うのもなんだが、俺も「表面だけの人間」を見抜く
ことが得意だ。
俺に、特別な才能があるわけではない。簡単なことだ。
見抜く方法は大別してふたつ。
その①≪言葉で言っていることと行動が伴っていないこと≫
たとえば、あなたのご主人が、
「俺は、いつだってお前のことを一番に考えている」
と言っているのに、メールのレスポンスが遅かったり、
約束をなかなか守ってくれなかったりしたとき。
「ごめん。いろいろ忙しくて。今度は必ず」
たいていの人は、この言葉をずるずる信じてしまう。
だが、どんなに忙しくても、「一番大事な相手」には、
苦労して時間を作ってでも連絡したり約束を守ることが
できるのが人間だ。
その②≪その場で言ったことをあとで変える≫
たとえば、あなたが友人と、
「あとで、○○してくれる?」
「ああ、いいよ」
という会話を交わしたとする。
「あとで」の時間がきたときに、「ごめん、やっぱり今日無理」
ということが二度起こったときは、少なくともその友人にとって
あなたは「大事な相手」ではない可能性が高い。
「大事な相手」ならば、その場で適当な約束はしないし、あとで
なにかの事情ができたとしても、なんとかして約束を守ろうと
するし、守れなくても二度目は絶対にないようにするからだ。
俺は、相手にこういう面がみえた瞬間に、「パートナー候補」
からは外す。
厳しい判断と思う方もいるかもしれないが、俺はたとえそれが
仕事であれプライベートであれ、ガッチリとスクラムを組む、と
決めた相手には、全エネルギーを注ぎ込み、盛り立てて行く
人間だからだ。
つまり、「表面だけの相手」に費やす時間と労力を、
「本物の相手」に使いたいだけだ。
まあ、それだけ俺にはやらなければならないことが多いという
ことだろう。
みなさんも、「心の瞳」でしっかりと相手をみつめてみよう。