『わさお』
みなさんは、「わさお」という犬を知っているだろうか?
「わさお」は雄の秋田犬で、青森県鯵ヶ沢では知らぬ
者がいないほどのアイドル犬である。
秋田犬と言えばすぐに「忠犬ハチ公」を思い出される方も
多いだろう。
最近では、リチャード・ギア主演でハリウッド映画にもなっている
主人公の犬種である。
だが、このライオンのような風貌は、明らかに一般の
秋田犬のイメージとは懸け離れている。
顔も、お世辞にも「美男子」とは言えない。
しかし、その「ブサかわ」加減が特徴的であり人気爆発した
理由でもある。
(これが標準イメージの秋田犬)
こうみえても、「わさお」はまだ二歳の少年だ。
名前の由来は、毛がタテガミのように「わさわさ」している
ところからきているらしい。
「わさお」は元は捨て犬だった。
それが原因なのか、彼は飼い主以外には心を開かない。
飼い犬ではあるが、ほとんど「野性」のままなのだ。
さて、なぜ、「わさお」の話をしたのか?
犬好きだから、というのが理由ではない。
このたび、新潮社刊行で、「わさお」の物語を
書くことになったのだ。
これは、ある映像製作会社からのオファーなのだが、
話を頂いたときに、俺は感動で鳥肌が立った。
ひさしぶりに、犬モノの大作を書きたいと思っていたところ
だったのだ。
だが、甘~いペット的なご都合主義な話にするつもりはない。
「わさお」のトラウマ、野性の特質を忠実に描いた
骨太な物語にしようと思っている。
とはいえ、そこは「小説」なので、フィクション的要素も
必要になる。
『心に傷を持つ言葉を喋らなくなった少女とわさおの交流』
というのが、いま、俺が考えているプロットだ。
10月の末あたりから執筆開始の予定だが、いまから全身の血が
ふつふつと燃え立っている。
そして、この話を持ってきたのが映像製作会社の社長なので、
当然、映画化も視野に入っている。
「わさお」は二頭といないキャラなので、代替犬は使えない。
つまり、本物の「わさお」を使うことになるので、飼い主サイドの
許可が必要になってくるので、そこをクリアできたらの話だ。
俺は、いい加減な気持ちで「わさお」の小説を引き受けたわけではない。
全身全霊を賭けて執筆することを約束する。
その熱意は、きっと飼い主サイドにも伝わると信じている。
あらゆる意味で、この企画には「本物」を追求していきたい。
2010年。小説版「わさお」は、何本かある新堂冬樹主要作品の
ひとつになることは間違いない。
ヒットさせる自信があるか?
当然だ。
またな!