某コンビ二エンスストアチェーンが加盟店に対して「見切り販売」を
不当に制限したとのことで、公取が独禁違反で排除措置命令を出す、
という件が話題になっている。
どちらもお互いに言い分があるだろう。「ブランドイメージ」とか
「販売戦略」とか、「利益率」とか…。
それぞれの立場を、頭で考えれば、わからなくはない。
職業上もそう言わざるをえないかもしれない、ものごとには
「効率」ってものがあるから。
しかし、その前に、一人の人間としての「良心」に従うならば、
ちょっと待て、と言いたい。
ブランドだ、効率だ、などという格好の良い言葉の前に何か大切なことを
忘れていないだろうか?
皆さん、子供の頃に、親兄弟や学校の先生、近所のおじさん・おばさん、
要は誰でもいい、年長の人から、
「食べ物を粗末にするな」
と教わらなかったかなあ?私は、そう教わった。今でも教わったことを
守らなきゃいけないなと思い、可能な限りそのようにして日々暮らしている。
我々は、わずか60年ばかり前には食べ物がなくて、外国から援助して
もらってたのではなかったんだっけ?
その後、親をはじめ私の先輩方が懸命に働いて下さったお陰で、確かに
物質的に豊かになり、私の世代はその恩恵にあずかれた。
そういう中で生きて来られたことを本当に有難く思っている。
でも、豊かになったら何をしてもいいってものでもないと思うが、どうなの
だろう。
「足るを知る」
ということをすっかり忘れてしまって、エスカレートして、今回のようなことに
なったのだとしたら、相当に悲しいことだと思う。
世界には、食べたくても食べられない人、まだまだいっぱいいるはずだから。