住友林業の住まい博で、申込み金5万円を払った。ちなみに住まい博キャンペーン適用で申し込むと、何らかのキャンペーン商品がもらえる上、オプションのどれか一つ(太陽光、第一種換気、床暖+乾太くん)が特別料金での案内となるなどお得だったことから、おすすめである。



さて、以前にも書いたとおり、住友林業は契約前の申込み段階で測量、地盤調査、設計を行うために、返金なしの5万円を払う必要がある。支払わなければその先へは進めない。以前に「積水ハウスが実質無料、ヘーベルハウスが無料なので比較すると高い」と書いた。だがそれは比較論の話で、そもそも測量、地盤調査、設計には実費用としてはもっと掛かっている。私の近所の地元工務店は同じことをやるのに20万円とっていることを考えると、住友林業の5万円はむしろ良心的なのかもしれない。というか無料でやってる積水ハウスと旭化成ホームズが異常と考えていいだろう。




住友林業の初回面談の記事はこちらから




さて、今から書くことは私の経験談であり、一切の盛りはない。ただの経験談なので、あくまで参考程度に留めてほしい…。ただ、5万円を払ったことで、何かが変わったのでそれを記録として残したい。



住友林業に5万円払うことで、起きた事象は以下の4つである。


①担当者が豹変する(ゴリゴリ感が増す)

②契約目安時期を勝手に決められる

③猛スピードで提案を受けられる

④会うたびに契約をやたらと急がされる


順番に解説しよう。


① 担当者が豹変する(ゴリゴリ感が増す)

これに関してはもう凄かった。申込み月は11月初旬だったが、払った途端に以下を通達された。

「住友林業は決算が12月にあります。住友林業が気に入っていただけて、少しでも検討の上位に入っているなら、決算前に契約していただけると、相当な値引きができます。決算前に契約するために、毎週土日どちらか時間をください!」と平気で言ってくる。申込みをお願いする時は平身低頭な感じだったのに…

私も昔はハウスメーカーではないけど、営業マンとして仕事をしていたので、決算前に数字がほしい気持ちは理解できる。ただ私には、御社の決算は一切関係ない。こちらの一生ものの買い物に、あなた方の株主に向けた年2回の恒例イベントに巻き込むなと言いたい。



②なぜか契約目安時期を勝手に決められる

これに関しては決算が迫っていたという事情もあったが、申込み書には契約時期を記入する欄がある。

こちらからすると、初めての家づくりで時期なんか分かるわけないので、住まい博キャンペーン適用のギリギリを書こうとしたら…

「値引きの枠は支店で決まっています。キャンペーンの締切近くは契約が殺到します。早く契約を決めていただければ、その分だけ値引き多く頑張れます。キャンペーン締切より早い日付を書いていただけませんか。」

という謎理論の下、契約目安時期を前倒しされた。妻とも自分達のペースで理想の家を作るという話をしていた矢先だったので、あるのかないのか分からない値引きの話で、こちらの意向を聞き入れない姿勢は感心しなかった。


③ 猛スピードで提案を受けられる

これについては、顧客としてはいいことではある。ただ、先方の早く契約をしたいという思いが溢れすぎて、「考えに考え抜きました!」という提案が、プラン聞き取りからわずか1週間とかで出来上がる。仕事が早いとも言えるが、終の住処となる家を1週間で…?本当に考え抜いたの?構造は大丈夫?出来ればもっと社内の有識者にプランを揉んでほしいんだけど…という気はした。


④会うたびに契約を急かされる

面会の都度、「どうですか?住友林業は?」と必ず最後に他社状況と共に聞かれる。「やっぱり会社も僕も人間なんで、早いうちに住友林業に決めていただいた方が値引きの額も強めに入ります。」と煽る。他社の状況を聞くのは普通のことだが、あまりにも早すぎて比較ができず、「住友林業さんだけめちゃくちゃ早くて、他社が出揃うまで判断はできません」と答えるしかなかった。当たり前だ。



これから家づくりを始める方が見た時にこの①②③④を言葉だけで見ると、どうだろうか。私の感想を言わせてもらうと、とてもじゃないが、顧客に寄り添っているとは言い難い

まあ、ただしである。ここからは私の分析で恐縮だが、この流れでも契約する顧客は一定数いるのではと感じる。


それは信者化という営業手法


家づくりというのはなかなかしんどい作業で、特にハウスメーカー選びは、しょっちゅう誹謗中傷が飛び交う世界だ。施主側が勉強すればするほど、営業マンの話を聞けば聞くほど、一体何が正解で何が間違いなのか分からなくなってくる。例えば、木造と鉄骨造の比較一つとっても「どっちも選びたくなくなるような話」を散々聞いた。こういう話はどちらを選ぶにしても、とにかく気分がよくない。そんな中での選択の連続は疲れてしまう。

そして人は何事も初めての経験は最初がいちばんよく見えるものだ。例えば友人の結婚式。初めて出席した時は「こんなサービスあるのか!」と感動したものだが、その後に続く友人の結婚式は似たようなやつを何度も見せられ、「あぁこの展開か」「これはやらないのね」みたいな感想になってしまう。これに近い感覚(失礼な話だ)で最初に見たプランを美化しがちだ。


契約を急がされ、住友林業のプランがよくて気に入り、「早く決めれば値引きもたくさんしてくれる(と営業マンが言っている)」となれば、そこで他社の検討を全てストップしてしまう人も少なからずいるだろう。むしろ5万円払っている段階で他社を断っている人もいるかもしれない。(「毎週会ってほしい」の要望も他社面会への牽制となる。)


まあこれも一つの戦略だし、物価高騰が進んでいながら、金利が低いまま据え置かれている先行き不透明な状況では「なるだけ早く建てた方が安い」というのは間違いではない。



ただ、残念ながら私達夫婦は他社比較をバチバチに行うし、値引き交渉は見積り合わせ※からスタートするつもりなので、その提出が早かったところでメリットはない。言うなればM-1の決勝戦トップバッターみたいな感覚で最初の基準にされるからむしろ不利だ。

【※見積り合わせとは】

複数社の見積りを比較すること。項目ごとに金額を比較することで、計上されていない項目の発見や未指示の項目でどのグレードのものを入ってるかが分かり、値引き要求の根拠とするために絶対必要な作業。例えば項目指定せず、値引き額も言わずに「値引きしろ!」と言っても、もともと入っていた仕様のグレードを下げて、あたかも安くなったように見せかける詐欺みたいなことが可能となってしまうので、見積り書は細かいものをもらい、項目指定もしくは設備仕様のグレードを維持して値下げをお願いしないといけない。



そんなこんなで住友林業の決算前にはご注意くださいというお話。もちろん私の担当者だけがそういうことを言う人だったのかもしれない。でも、私の担当者は店長クラスだし、会社として行なっている住まい博のキャンペーンも時限(年内まで)があることを考えると、まあ社風ということだろう。

「指定された日(決算前)までに契約をしないとどうなるんですか?値引きは決算前と後でいくら違うんですか?」と笑顔で聞く私に営業マンは困惑していた。大事なのは誰に何を言われようと、自分達の理想を見失わないことである。



最後にフォローしておくと、この営業マン、家づくりへの情熱やこだわりは凄いものがあるので、話を聞くだけでもかなり勉強になる。そういう意味で貴重な人であるという事実は変わらない。