2%の引き上げにより、5兆円程度の税収となります。現在の予定ではこの税収の5分の1だけを社会保障の充実に使い、残りの5分の4である4兆円余りは、借金の返済に使うこととなっています。この考え方は、消費税を5%から10%へと引き上げる際の前提であり、国民の皆様にお約束していたことであります。
この消費税の使いみちを私は、思い切って変えたい。子育て世代への投資と、社会保障の安定化とにバランスよく充当し、あわせて財政再建も確実に実現する、そうした道を追求してまいります。
増税分を借金の返済ばかりにではなく、少子化対策などの歳出により多く回すことで、3年前の8%に引き上げたときのような景気への悪影響も軽減できます。
他方で、2020年度のプライマリーバランス、黒字化目標の達成は困難となります。しかし安倍政権は、財政再建の旗を降ろすことはありません。プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持します。引き続き、歳出・歳入両面からの改革を続け、今後達成に向けた具体的な政策を策定いたします。
少子高齢化という最大の課題を克服するため、我が国の社会システムの大改革に挑戦する。私は、そう決断しました。
そして子育て世代への投資を拡充するため、これまでお約束していた消費税の使いみちを見直すことを本日決断しました。
国民の皆様とのお約束を変更し、国民生活に関わる思い決断を行う以上、速やかに国民の信を問わなければならない、そう決心いたしました。
28日に衆議院を解散いたします。
[後略]”(*1-a を基に筆者が一部修正、後日、官邸サイトの文言に差替え予定)
2014年の増税延期判断時の会見から抜粋。
なぜ今週の解散か説明いたします。国民の皆様の判断を仰いだ上で、来年度予算に遅滞をもたらさないぎりぎりのタイミングであると考えたからであります。
「これまでのお約束とは異なる、新しい判断だ」
(2016年通常国会閉幕時、参院選前)
“足元では新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面している。こうした認識を先般、伊勢志摩サミットに集まった世界のリーダーたちと共有しました。
先般の熊本地震では、熊本や大分の観光業や農業、製造業など、九州の広い範囲にわたって経済や暮らしが打撃を受けています。
これらが、日本経済にとって新たな下振れリスクとなっている。最悪の場合、再び、デフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがあります。
今こそアベノミクスのエンジンを最大にふかし、こうしたリスクを振り払う。一気呵成に抜け出すためには「脱出速度」を最大限まで上げなければなりません。
アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参議院選挙の最大の争点であります。
[中略]
その上で、来年4月に予定される消費税率の10%への引上げについてお話しいたします。
1年半前の総選挙で、私は来年4月からの消費税率引上げに向けて必要な経済状況を創り上げるとお約束しました。そして、アベノミクスを強力に推し進めてまいりました。
[中略]
今般のG7による合意、共通のリスク認識の下に、日本として構造改革の加速や財政出動など、あらゆる政策を総動員してまいります。そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断いたしました。
いつまで延期するかについてお話しいたします。
中国などにおいては、過剰設備や不良債権の問題など、構造的課題への対応の遅れが指摘されており、新興国経済の回復には時間がかかる可能性があります。そうした中で、世界的な需要の低迷が長期化することも懸念されることから、できる限り長く延期すべきとも考えました。
しかし、私は、財政再建の旗を降ろしません。我が国への国際的な信認を確保しなければならない。そして、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たす。安倍内閣のこうした立場は、揺るぎないものであります。
2020年度の財政健全化目標はしっかりと堅持します。そのため、ぎりぎりのタイミングである2019年10月には消費税率を10%へ引き上げることとし、30か月延期することとします。その際に、軽減税率を導入いたします。
[後略]”(*3)
「急な選挙はアベノミクスを危険にする可能性がある」(*4)とされる識者もおられました。
衆院選の結果、選挙後の経済政策、2019年10月の税率引上げの最終判断がどうなるのか、注目です。
(*1)平成29年9月25日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 平成29年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2017/0925kaiken.html
(*1-a)【国難克服解散会見、全文文字起こし】安倍首相、衆院解散表明記者会見-平成29年9月25日 : おもしろいインターネット
http://blog.livedoor.jp/otomarizm/archives/72394120.html
(*2)平成26年11月18日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 平成26年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html
(*3)平成28年6月1日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 平成28年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0601kaiken.html
(*4)A Snap Election In Japan May Endanger Abenomics via @forbes
最後に妄想を追加
質問者2@shinchanchi増税延期や凍結は「死んだフリ」しといて「善意で増税多数派工作する団体となかまたち」からの圧を下げ、更に「あのドクターZがこんなツイを!」と信じさせる。税率引上げ判断ギリギリで総理が「いやーポリキャピとか関係なく増税は凍結すること… https://t.co/8METtAU4Jo
2017年09月23日 12:20