2017.02.02 ラジオ ザ・ボイスでの田中秀臣さんの解説から、シムズ理論に関する部分を出来る範囲で文字起こししました。

田中秀臣さん「そもそも、シムズさんが言っている財政政策というのは、これは通常私たちが教科書的な意味で使っている金融政策も含んじゃっているんですね。

国債の買いオペであるとか、金利の引き下げ、そういったものを含めた、つまり、財政と金融を一体化した政策のことを財政政策って書いてるんです。そこが先ず重要ですね。

更に私たちリフレ派は[中略]当初から金融政策と財政政策がちゃんと協調的に緩和気味、拡大気味でないとデフレ脱却できません、と言い続けてきたんで」


[中略]


田中秀臣さん「シムズ理論というのは例えば政府の財政赤字が100あるとする、と。それの実質的な価値は物価で割らなければならない。今、物価を1としましょう。そうすると赤字の実質価値は100のままです。普通それですね、財政赤字を減らすためには増税すると、これが、例えば今の財務省的な発想、消費増税で将来不安をなくしましょう、みたいな人たちの発想です。

シムズさんは違います。もし、100が分子が200に増えたら、従来と同じ100にするためには、分母の12にすればいい、と。物価上がる、そういう話ですね。しかも、これ注意点が一個あって、赤字を減らす必要はシムズさん、全然考えていません。分子は100200に増えても良いわけですから。実質価値も同じ。


実質の赤字を減らそうという考え、将来の増税。全く発想が逆です。そういった点で、シムズ理論というのは、リフレ派批判じゃなくて、実は、財務省主義的なものの批判。」