「一般の人が分かるということは、政治家にも分かるということだ(笑)」と、若田部昌澄さんの著書にありました。

《本当の経済の話をしよう (ちくま新書)  》

ということで、一般の人が閣僚会議資料を見て、日本経済の現状について分かるようになりたいと思います。

見るのは内閣府の次の資料です。
以下の図表や引用は、断りがない限り、次の資料からの引用です。

《月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料》(内閣府,2015.11.25)


日本経済の基調判断
"<現状>
・景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている
・消費者物価は、緩やかに上昇している。"

辞書で「基調」を調べたところ「傾向」という意味がシックリくる感じです。

景気は緩やかな回復傾向が続いていて、消費者物価が緩やかに上昇している、というのは一体どこの国のことでしょうか?

実質GDPは2四半期連続のマイナス成長で、個人消費は弱いまま…


政府の基本的態度
"政府は、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していく。"

復興を加速させる時に復興増税、デフレからの脱却途上で消費増税…

増税の連発により、経済再生はおいてきぼりですね。


2015年7-9月のGDP
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"総じて見れば底堅い"という個人消費を見てみましょう。

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2013年の水準に回復しないまでも、民主党政権時代の2012年をやや上回り、底堅い…
というか、しばらく、底です。

消費者物価指数ですが、コアは横ばいからやや下落、コアコア(連鎖基準)は上昇基調です。


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有効求人倍率は、上昇基調です。正社員は0.77倍です。
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総雇用者所得は名目、実質ともプラスです。

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景気ウォッチャー調査を見ても、景気停滞な感じが否めません。

消費増税を前提にした軽減税率や内部留保課税などのトンデモない議論が報道されますが、経済再生の実現を最優先でお願いしたい。