「軽減税率」というのを報道で聞くことがあります。軽減税率は何のために必要なのでしょうか?

1)低所得者の消費税負担を軽くするため
2)増税しても低所得者に配慮してる「庶民の味方」と思ってもらうため
3)政治家や財務省の歳出権・裁量・影響力拡大のため

「軽減税率」について、迷探偵「増税画コンナン」君と一緒に考えてみます。

軽減税率とはどのようなものでしょうか?
軽減税率に非常に熱心な「庶民の味方」公明党のホームページを見てみましょう。

➡️いまこそ、軽減税率 実現へ。 | 公明党

"■軽減税率とは
消費税の標準税率のほかに、食料品などに低い税率
 
軽減税率とは、複数税率とも言われ、食料品など生活に欠かせない品目の消費税率を標準の税率より低く抑えるものです。

増税による“痛税感”を和らげるとともに、消費税率引き上げに対して幅広く国民の理解を得るためには、軽減税率の導入が不可欠です。
 
消費税には、景気の影響をあまり受けずに安定した税収が確保できる利点がある一方、所得に関係なく同じ税率が適用されるため、低所得者の負担感が重くなる「逆進性」の問題があります。
 
公明党は、低所得者らの暮らしを守る観点からも、軽減税率の導入を訴えています。"


なるほど。逆進性のある消費税の痛みを緩和するためのものなんですね!

迷探偵コンナン「あれれー、おかしいなー。低所得者の負担感が重くなるのに対応するために、お金持ちの人にも軽減税率が適用されてしまうことになるんじゃないかな。逆進性対策としては効果が薄いんじゃないかなー。政策の目的ごとに適切な政策を割り当てる政策割当が分かってないんじゃないかなー」

こらっ!コンナン君、何てことを。コンナン君は分かって言ってるの?もっと良い代案もなく批判するんじゃ、悪い大人と大差ないわよ!

コンナン「うん。Google先生に聞いたら、財務省さんのサイトに、逆進性があるのは消費税と社会保険料って書いてあったよ。だから逆進性の問題を本気で解決するんだったら、

1)消費減税して累進性の高い他の税に財源をシフトする
2)社会保険料の累進性を強化する
3)低所得者の人にお金を配る給付付き税額控除など
4)歳入庁を作って、納税はしているけど社会保険料を納めていない法人からも社会保険料をキッチリ取る

などが必要だね。」

➡️家計の税・社会保険料負担:『全国消費実態調査』『家計調査』『国民生活基礎調査』の比較
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コンナン君が難しいことばかり言って、こっちの頭では理解が困難なんですけど…


コンナン「軽減税率と給付付き税額控除のどちらが逆進性対策として効果があるかも調べておいたから、見てみてー。軽減税率が大した効果がないことは『善意』で増税多数派工作をすると安倍総理に言われた財務省さんも知ってるんだって」

➡️消費増税の低所得者対策-軽減税率と給付付き税額控除
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➡️「給付付き税額控除」こそが公平な低所得者対策であり、「歳入庁の創設」こそが真の霞が関改革である



コンナン君、そんなこと言ってもね、社会保険料の見直しや給付付き税額控除などの法律を作ることは物凄い大変なのよ。

コンナン「あれれー、おかしいなー。大変な増税法案をサクッと2つも作れる国会議員さんが日本にはいるんだよー。国民に復興増税、消費増税を負担させる法律を作ることが出来る立法府の人なら、良い情報を元にすれば、良い法案をサクッと作ってくれるよ、きっと」

そ、そんなものかしらね…

コンナン「問題だらけの軽減税率を推進するなんて、どうかしてるよね。軽減税率の問題点を図解してくれた方がいるので、こちらもチェックしとくと良いよ。」

➡️僕が軽減税率には絶対反対な理由 - それ、僕が図解します。


わ、分かり易いじゃないの…
でも、他にも軽減税率をお勧めしていた人がいたような気がするんだけれど…
ほら、日本経済新聞の報道

"日本ペンクラブの浅田次郎会長は「若い頃の読書は一生の財産になるが、わずか数%の税率の差でも50円、100円は本を買うかどうかの分かれ目になる。書籍や新聞にどの程度の課税をするかは文化国家の基準になる」と述べた"

➡️新聞・書籍への軽減税率適用訴え 文字・活字機構が集会  :日本経済新聞


コンナン「あれれー、おかしいなー。
「わずか数%の税率の差でも50円、100円は本を買うかどうかの分かれ目」ということなら、軽減税率が適用されない品物のお買い物で何千円も何万円も取られたら、書籍に回す余裕が減っちゃうよねー。
増税なんかしちゃうと不況になっちゃうんじゃないかなー。不況や景気落ち込みが失業の増加や雇用環境の悪化、ブラック企業の跋扈を許してきたことも忘れてはいけないと思うよ。
おじさんのご意見の背景には、"増税は決まったこと。だから、その中で、自分の業界だけでも消費落ち込みを低減ないし回避したい(出来ると思っている)"、という考えがあるじゃないかなー。社会保障という再分配政策の財源に逆進性ある消費税を充てるとか、どうかしちゃってるよね。そもそも、消費増税しなければいいのにー」

お、大人は色々と事情があるの!

コンナン「そうなんだね。新聞業界にも色々と事情があるんだね。高橋洋一さんの記事をみてわかったよー」

➡️高橋洋一の民主党ウォッチ消費増税「成功」で財務省に「笑顔自粛令」 新聞業界も軽減税率ロビー活動でニンマリ? 


公平を期すために、軽減税率のメリットについては何かないのかしら…


コンナン「軽減税率の良いところは、税率を低く出来るところだから、全品目の税率を5%に戻してくれるなら、賛成だよ。
税率を上げたい人、軽減税率をしたい人、増税負担を軽減したい人、みーんながハッピーになれるね!」

ざ、財源はどうするのよ!

コンナン「平成26年度は、予算案で50兆円と見積もり、実際の税収は約54兆円になりそうなんだって。景気を良くすると税収も増えるし、優秀な財務省さんもいるし大丈夫なんじゃないかな。特別会計にも130兆円を超える米国債とかあるし、本当に大変だったら、国民の身を切るよりも前に政府資産を売ってでもお金を調達して、景気を冷やす増税は最後の最後にして欲しいね。高橋洋一さんの本を…」

こ、これを読めばいいんでしょ!

➡️ 消費税「増税」はいらない! 財務省が民主党に教えた財政の大嘘


コンナン「社会保障の改革や歳出・歳入の適正化も大事なんだって。経済成長率を過度に低く見て、長期金利を過度に高く見積もる人も居るらしいから注意が必要なんだって。平成の平蔵、竹中さんの資料を見ると、成長率と歳出の見直し、長期金利の関係が整理されているよ!」

➡️歳出歳入一体改革について(竹中平蔵議員平成18年)
{3600182E-8EBA-4D34-AD86-0EADFF7819C2:01}




まとめ
もしかしたら、最初に言ってた1)ではない理由で軽減税率を推進してるのかもしれない。

そもそも、再分配である社会保障の財源に消費税を充ててはダメ。

逆進性対策をしたいのなら、
1)消費減税して累進性の高い他の税に財源をシフトするか
2)社会保険料の累進性を強化するか
3)低所得者の人にお金を配る給付付き税額控除など
4)歳入庁を作って、納税はしているけど社会保険料を納めていない法人からも社会保険料をキッチリ取る

GDPギャップがマイナスな状況で、早過ぎる増税は景気を冷やすので、2017年度の消費増税は停止して欲しいですね。しばらくは政府資産の圧縮で税外収入を確保して。
増税を前提にした軽減税率はダメよ、ダメダメ