古代ギリシャの料理文化 | 王様の料理人。料理人の王様。

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[古代ギリシャの料理文化]

古代ギリシャでは、科学、芸術、哲学などと同じように料理技術も高度に発達し、美食はギリシャ文化の中でも重要な位置を占めていた。ギリシャの料理文化が隆盛を極めたのはペリクレス時代のアテナイで、海洋貿易による富を背景に地中海世界全域からもたらされた食材が市場にあふれていた。当時のアテナイでは裕福な市民にとって宴会を催すことは義務であり、名誉とされて頻繁に宴会が催され、そこでは熟練の技術を持ったプロの料理人(アルキマゲイロス)が腕を振るった。

古代地中海世界は、そのほとんどが麦を主食とする穀物文化で、ギリシャも例外ではない。主食はマギスという挽き割り麦に液体(水、油、乳、蜂蜜など)を加えてこねたもの。そこから粉の加工技術が発達し、それを加熱してクレープやパテのようなものに加工したり、また生地を発酵させたりしてパンへ進化した。料理人をマゲイロスと呼ぶが、これは「マギスを扱うもの」に由来する。主食の麦の他、魚、肉、野菜、ほとんどあらゆる食材を食したが、海に面していることも有り、海産物を特に好んだ。また、既にトリュフ、フォアグラなども高級食材として使われている。

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