こんにちは。
しなやかライフ研究所の小谷晴美です。

昨日の日経新聞に
【国立大の授業料、重み増す「稼ぐ力」】と題して、
文部科学省のデータを引用した
このようなグラフが掲載されていました。
 

 

これを見ると、昨今物価が上昇する中、
大学の授業料は据え置かれていて、
授業料を上げる正当性があるように感じますね。

ではこのグラフをみたらどう感じるでしょうか?

 

このグラフは1985年を基準としたときの
大学の授業料と平均給与の推移です。

バブル崩壊後、物価も給料も上がらなかった「失われた20年」の間に、
国立大学の授業料は1.4倍。年率に換算すると平均2%上昇しました。

その結果、大学生の約5割が奨学金を借りているという現状があります。

国は財政難などを理由に大学への運営費交付金を減少させる一方で、
奨学金の拡充を急いでいるようですが、本末転倒のような気がしてなりません。
 

最近、シングルマザー家庭の教育資金の相談に乗る機会がありました。
お一人は年収200万円にも満たない状況でしたが、
大学生となったお子さんが高校卒業後2年を経過しているため、
給付型奨学金(※)の対象になりませんでした。

※低所得者を対象とした返還不要の奨学金。
 対象になると入学金・授業料の減免も同時に受けられます。

 

もうお一人は年収が350万円ほどあり、
予約採用では給付型の対象外となってしまいます。
私立大学の入学金・授業料、4年間で600万円ほど。
この学費を賄うため、使える制度と言えば
 

・国の教育ローン ➡ 親の借金
・奨学金(貸与型) ➡ 子の借金
・母子父子寡婦福祉資金貸付 ➡ 親の借金
・生活福祉資金貸付制度 ➡ 親の借金
すべて借金です。


日経新聞によれば、日本は海外諸国に比べ、
教育支出の家計負担が重いそうで、
経済協力開発機構(OECD)が
2022年に公表した報告書では、
日本の高等教育費のうち家計負担の割合は52%、
加盟国平均(22%)の2倍超とのことです。

 

 

 

本気で「少子化対策」を考えるのであれば
大学の授業料をバブル期に戻せないものかと強く思うこの頃です。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

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しなやかライフ研究所 代表 小谷晴美


 

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