明治築、木造3階建ての湯治宿「越後屋旅館」に降りしきる雪。
雪の湯治場で、温泉情緒を味わいながら、時間の許す限りじっくりと湯に浸かる…事が出来たのでしょうか?
******************************
「角間温泉」は「湯田中渋温泉郷」の一角にあり、湯治場の雰囲気が今なお残る小さな温泉地です。
夜になると、人通りもなくほぼ真っ暗になる集落で、ここが温泉地だとは到底思えません。
この鄙びた感が気に入り、一昨年より通い始めて、私の隠れ家になりつつありますが、まずはその湯治状況をご確認下さい。
さて、今年の「角間温泉」プチ湯治旅は、いつもとはちょっと違ったものとなりました。
そのひとつが、過去2回は雪の心配が殆どない3月の滞在でしたが、今年は2月に訪問しました。
これも雪道に慣れている知人が同行してくれたおかげです。
さらに、いつもの「角間荘」2泊を1泊に変更して、かねてから気になっていた「越後屋旅館」に1泊しました。
2月19日、気温8℃と非常に暖かく小雨が降る中、自宅を午後に出発し、下高井郡山ノ内町へと向かいます。
今宵の宿となる「越後屋旅館」へ15時40分に到着した頃には、雨もすっかり上がっていました。積雪も全くありません。
玄関を入ると…何故だか懐かしさがこみ上げてくる、昔ながらの風情が感じられる温泉旅館です。
我々は正面にある階段ではなく、その左側の長い廊下を通って、部屋へと案内されましたが…
途中、右側にあった3つの内湯前の廊下には、水車の歯車?とタイルの装飾が施されていました。
また、内湯の向かい側には、この宿に1年間ほど逗留・執筆していた、文豪「吉川英治」氏の文学碑があります。
内湯前に通り抜け、2階へと続く階段を上がったのですが…
この階段にもやはり水車の歯車とタイルが。本当に時代を感じさせる装飾です。
そして、2階の部屋へと到着。2階には一室(二間)しかなく、室外にあるトイレも洗面所も我々専用です。
この部屋は大正時代に建てられたそうで、私が若かりし頃、出張で常宿としていた旅館の客室のような雰囲気がありました。
暖房はファンヒーターで就寝前に消しましたが、温泉を利用した熱源が別にあり、夜中はさほど寒さが感じられませんでした。
少しくつろいだ16時過ぎに外出。これは次回に報告する事にして、18時からはお待ちかねの夕食です。
地元産の牛肉・信州サーモンのホイル焼き・長芋の胡麻和え・お刺身・煮物から蕎麦まで。質量ともに満足のいく内容でした。
部屋食ではなかったものの、我々専用の個室に食事が用意され、じっくりと味わう事が出来ました。
お酒の酔いが醒めた20時、いよいよ「越後屋旅館」の内湯3つへと突入です。
全ての内湯が「入浴中」の札を掛ければ、貸切風呂となります。勿論、中から鍵が掛けられます。
全室で6組の宿泊が可能なようですが、コロナの影響か、現在は一日3組までしか受け付けていないご様子。
内湯が3つなので、必ずどこかのお湯へ待たずに入れるようになっています。
3つの内湯の源泉はすべて違うとか。
真ん中の「大浴場」はボーリングしていますが、その両側のお湯は電力を使わず、落差のみの力で旅館に入っているようです。
にしても、使用位置での湯温が53℃!やっぱり「角間温泉」を含めた「湯田中渋温泉郷」のお湯は熱い!!
でも、どこかで調整されているのか、内湯3つとも湯舟のお湯はほぼ適温で、無味・無臭でした。
まず玄関側から、ひとつ目が「家族風呂(ローマ風呂)」。変わった形をしていて、腰かけて浸かれるようになっています。
まさしくリクライニングチェアーで、背中からお尻にかけてジャストフィットします。定員は2~3名?
お風呂の窓は半円形しており、明治時代に造られたとはとても思えません。純和風旅館の中に見つけた西洋風の装飾です。
尚、脱衣場と湯舟の間には扉がありません。他の2つの内湯は脱衣場と湯舟は別々になっています。
「家族風呂」の隣が「大浴場」です。7~8名程度が限界か?
旅行サイトに記載されていた「明治期のタイルを一部、当時のまま残している」とは、このタイルの事だと思われます。
湯口には湯温を調整する為か、竹が横渡しされており、湯舟への流入量が調整出来ます。余ったお湯は捨てられます。勿体ない!
さらに「大浴場」の隣にあり、翌2月20日7時に入った「檜風呂」。こちらも湯温調整の為、竹が横渡しされています。
朝一の入湯だったので、湯温が十分に調整されていないのか、ここだけは多少熱かった!定員3~4名?
そして、こちらが朝食。温泉宿の一般的な献立ですが、リンゴジュースが濃厚でした。
こうして9時に「越後屋旅館」を出発しましたが、前日のチェックインから小雪が舞った程度でした。
冒頭の写真は、その翌日9時過ぎに撮影した「越後屋旅館」に降る雪で、残念ながら滞在中は雪見風呂とはなりませんでした。















