丸くて穏やかな山容が特徴の「湯ノ丸山」は上田市・東御市・群馬県嬬恋村に跨る標高2101mの山です。
この一帯は植物の宝庫で、特に6月下旬頃より咲く「つつじ平」のレンゲツツジ大群落は国の天然記念物に指定されています。
こんな「湯ノ丸山」の登山中に起こった異変、果たして…
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お盆の墓参りの為、奈良県への帰省を予定するも、直前になっての新型コロナウィルス感染者の急増。
帰省の是非を巡って心が揺れ動いていましたが、帰省を断念し、2ケ月ぶりに行われる「里山会」8月例会への参加を決めました。
例会当日は9時、地蔵峠にある駐車場に集合。講師からの話しの後、「湯ノ丸山」を目指し、9時15分、総勢13名で出発しました。
最初はリフトに沿って、なだらかな上りを歩いていきます。
振り返れば、ゲレンデの左にそびえる「西篭ノ登山」が迫ってきます。
吹き抜ける高原の風が心地よく、もう別世界ですが、微かに牛糞の臭いが…
ノアザミ
リフト終点を過ぎると平坦な登山道となりました。そのまま暫く歩いていくと、本日の目的地「湯ノ丸山」の全容(冒頭の写真)が…
さらに歩を進めた後、東屋で小休止となりました。
体調は万全です。休憩も水分補給もせず、東屋周辺に咲く植物の撮影に追われておりました。
ハクサンフウロ
ツリガネニンジン
10時、「鐘分岐」までやってきました。遭難防止の鐘をつき、これからの安全を祈ります。
尚、ここまで歩いてきた登山道の右側一帯が「つつじ平」のレンゲツツジ群落で、盛期になると山肌が鮮やかな朱色の絨毯のように染まるそうです。
さて、ここからが本番です。本格的な上りが始まりました。
暫く登っていくと、「富士山」が見えました。肉眼で見ると感動ものですが、写真にするといまいちですね。
シモツケソウ
この辺りで女性会員1名がリタイアです。熱中症ではなく、足があまり動かなくなったようで、大事をとって先程休憩した東屋で待機する事になりました。
その後は当該女性と定期的に連絡を取り、体調等の確認を行った事は言うまでもありません。
残りのメンバーで、山頂を目指し、さらに進んでいきます。
が、この頃でした。自身の身体にちょっとした異変を感じたのは…
何となく全身がだるく、「生あくび」が幾度も出てくるようになったのです。
まさか熱中症?そう言えばこれまでが快調すぎて、スタート時から水分をとっておらず、慌てて小休止し水分と塩分を補給しました。
「おい、しっかりしろ」自身を鼓舞しましたが、それからの10分程度は、あまりいい体調とは言えませんでした。
その後は徐々に回復し、事なきを得ましたが、少しの油断が恐ろしい結末を招くという良い教訓となりました。
マツムシソウ
ウスユキソウ
私が回復し始めた頃、今度は別の女子会員にも熱中症の症状が…
コロナ禍による運動不足と気温の急上昇に身体が適応できていないのでしょうか。
幸いにも、こちらの女性も軽い症状でこの後、回復したようです。
コキンレイカ
山頂まではもうすぐです。頑張ろう!
そして11時10分、東屋で待機している1名を除き、「湯ノ丸山(南峰)」に全員無事に登頂する事が出来ました。
山頂は強風が吹き荒れておりましたが、それがまた快く、本当に下界とは別世界。
遮るものがない360度の大パノラマを見ながら、少し早めの昼食タイムとなりました。
イワインチン
食事後、有志8名がすぐ隣に見える「湯ノ丸山(北峰)」へ。私もすっかり回復していた為、同行しました。
10分程度で到着した北峰はごつごつ岩の狭い山頂でしたが、南峰と比べ標高は若干低いものの、三角点がありました。
再び、南峰に戻り、12時10分全員で午前中に登ってきた道を引き返します。
南峰山頂からは、「烏帽子岳」へのルート途中の鞍部から「湯の丸キャンプ場」を目指すコースがあるようですが、東屋に待機中の会員との合流が第一です。
13時前、その会員と無事合流。元気で良かった。幸い、足も回復したようで、全員での下山となりました。
途中、今回頑張ったご褒美として「アサギマダラ」が綺麗な雄姿を見せてくれました。
ヨツバヒヨドリの蜜を吸うアサギマダラ
こうして下山後の13時40分、解散となり自宅へ戻った訳ですが、体調はすっかり回復しました。
ちなみに、この日の上田市の最高気温は37度、「ヤフー天気」が使用している「熱中症指数」は6段階のうち上位2位の「危険」でした。
若い頃のように無理はききません。今後は体調異変を感じてからでは遅くので、早めの給水と塩分補給を意識的に行っていきたいと思っております。
でも今日はやっぱり疲れました…