米や大豆等の穀物に、塩と麹を加え発酵させて作る味噌。
和食の代表的な材料である味噌は、日本人にはあまりにも身近な存在ですが、実際に自分で作った経験がある人は少なく、スーパー等での購入が一般的です。
今回、そんな「味噌づくり体験」のイベントが開催されると聞き、再び東御市の「きさやプロジェクト」さんを訪ねました。
前回1月に同プロジェクトが開催した「キムチづくり教室」に続くイベント第2弾です。
イベント第1弾「キムチづくり教室」のレポートはこちら
キムチに続く味噌づくり。
日韓を代表する発酵食品づくりを時間差で体験出来た今回もしっかりと楽しんでまいりました。
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今回のイベントは、2月29日13時からの開始予定でしたが、その前処理段階から体験すべく、当日8時に「きさやプロジェクト」さんの事務所にお邪魔しました。
まずは今回、使用する材料は次の3点です。
①米麹…米を麹屋さんに持ち込み、作ってもらったものです。
②黒豆…一般的な大豆ではなく、今回は黒豆を使用しました。
③塩…市販されている粗塩です。
尚、今回使用した米と黒豆はプロジェクトメンバーも参加していたNPO法人(昨年末解散)が無農薬で栽培したものです。
前回のキムチづくりで使用した白菜も同様に無農薬で、そこに強いこだわりを持たれているようです。
さて、黒豆を煮るところからのスタートとなる訳ですが、事務所にはその設備がない為、実際に味噌づくりを行っているご近所にお願いし、設備と、そこの御主人の経験をお借りしました。
8時15分、前日夕方から4倍量の水につけている15キロの黒豆が入った釜への火入れが行われました。
30分経過後、釜は沸騰し始めました。ここで、蓋を半分程度開き、さらに煮込んでいきます。
豆が釜から吹きこぼれてしまわないようにする火力の調整は素人には難しく、幾度も経験してきた御主人が最後までつきっきりでやって下さいました。
今日は天気も良く、ポカポカ陽気です。
トンボさんも、早くも冬眠からお目覚めのようです。
火入れから1時間が経過した頃、黒豆をつまみ食いさせて頂きました。
豆は当初に比べ、大きく柔らかくなり、ほろ苦さの中にもほんのりとした甘さが感じられ、美味しかった!
でも、まだまだ黒豆の柔らかさが足りません。
柔らかさの目安は、親指と薬指で黒豆を一粒摘み、軽く力を加えただけで潰れてしまうぐらいで、そこまで煮込まねばなりません。
さらに煮込みを続け、ようやく11時30分に火を落として「蒸し」に入りました。
約30分間蒸した後、水分を切った黒豆を機械にかけてミンチ状にしていきます。
尚、釜に残った煮汁は、それ自体が濃厚でコクもあり、結構いけました。
煮汁は各自持ち帰り、豆乳鍋のダシ等になりました。
こうして12時45分、お世話になったお宅での作業は終了し、事務所へ戻りました。
ここからが本番です。
13時、事務所へ集合した総勢10名(山梨県からの参加者もいらっしゃいました)で作業開始です。
大きな容器に米麹15キロ(黒豆と同量)を入れ、そこに塩7キロ(黒豆の約50%)を加え、皆でよく混ぜます。
この作業は人が持っている常在菌が入った方が良いとの事で、素手で行いました。
混ぜすすめていく中で、塊となっている米麹は取り除きます。
そこへ午前中に作ったミンチ状の黒豆を投入し、さらに混ぜます。
黒豆はまだ熱さが残っていたものの、冷たい米麹と相まって、何とも言えない心地良さでした。(気持ち良か~!)
約30分で、ほぼ均一に混ざりました
十分な攪拌後、味噌を団子状にし、各自が用意した容器に「えい、やぁ!」と力一杯、投げ入れます。
この団子はちょっと、大きすぎです
この作業は味噌の空気を抜いて容器に詰める目的で行います。こうする事で、発酵過程でカビ等の雑菌が繁殖するのを防ぎます。
日頃のストレス発散(?)を兼ねて、皆が出来るだけ強く投げ込みましたが、狙いが外れ、容器の外へ団子が飛び出す人もおりました。
容器にほぼ一杯の味噌を詰めたら、その上部を塩で塞ぎ、ラップをかけてから蓋をします。
遮光の為、容器を新聞紙で包み、冷暗所で熟成にはいります。
半年後、一度だけ味噌を混ぜて「天地返し」を行い、冷暗所でさらに半年間熟成します。
こうして、今回の作業から1年後、濃厚な味噌の完成となるはずですが…
どのように仕上がっているでしょうか。楽しみ楽しみ!