伊東潤「天下大乱」 ☆☆☆+(3.5)
2022年10月30日第1刷発行 朝日新聞出版 521ページ 週刊朝日2021年2月19日~2022年3月25日 加筆修正
○伊藤淳「天下大乱」読みましたか
時は、慶長3年(1598年)、秀吉は体調を崩し、床に伏せるようになりました。秀吉は家康を呼び出し、自分の亡き後の豊臣家の安寧を託します。
同年8月18日に秀吉が死去すると諸大名たちがその後を見つめて動きだします。
なかでも、安芸・長門を中心に120万石を所有している毛利輝元も、自分の行き先を考えて迷っている一人でした。。。
ということで、伊藤淳「天下大乱」読みました。秀吉死去の前の1598年から関ヶ原の戦いが終わる1600年までの2年間を、濃密に描いた作品でした。様々な武将をそれぞれの立場から、それぞれの心情を描いていました。
といっても、中心は家康になります。家康が以下に慎重に戦に臨んだか、思慮深くなければ、また他者の敗戦等に気づきを得なければ、戦国時代を生き抜いていけなかったことがよく分かりました。彼は武将というより、政治家だなと思いました
また、毛利輝元の立場も多くの頁を割いて描かれています。どちらに付くか、国の存亡を第一に考えてはいたのですが戦なので思い通りにいかない様が描かれています。殿とはいえ、言いたいことも本音もいえない、頭が上がらない人もいるわけです。大変だなと感じました。
今年の大河ドラマは家康が主人公の「どうする家康」ですが、予習になりました。10322
テーマ:書評:本屋大賞 はこちらです・・・
テーマ:歴史小説 はこちらです・・・
作家別のインデックスはこちらです。☆つけて、一覧にしています。
20冊以上レビューした本を中心に整理してあります。
インデックス:伊坂幸太郎
インデックス:恩田陸
インデックス:貴志祐介
インデックス:司馬遼太郎
インデックス:東野圭吾
インデックス:村上春樹
インデックス:宮部みゆき
トップへ