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2011年9月 光文社 CLASSY2009年11月号~2011年7月号
○三浦しをん「舟を編む」を読みました。
荒木公平は、玄武書房に勤める男性です。荒木は、元大学教授の松本先生と、中型国語辞典「大渡海(だいとかい)」を作る夢がありました。しかし、定年間際のため、誰かにその夢を託さなければなりません。
そんなとき、名前が挙がったのが、馬締(まじめ)です。馬締は、大学で言語学を学んでいてましたが、ちょっと変わっています。でも、言葉に関する感性は、人並み外れています。
荒木は、営業部にいた馬締を、辞書編集部にスカウトします。そこは、同年代の西岡さん、非常勤の佐々木さん、荒木さんしかいない職場です。かくして、言葉を集める船出がスタートしました。。。
ということで、2012年本屋大賞受賞作品 である、三浦しをん「舟を編む」を読みました。 馬締や西岡さんの恋愛模様、仕事にかかる不安等々。。。恋愛・ビジネスファンタジー小説、とでもいえるでしょう。スルッと読めて、心に温かいものが残るそんな作品です。
物語の核となるが、一冊の中型国語辞典を作るという話です。ひと言で辞書を作るといっても、まるでその作業が思い浮かばないのですが、そこにはたくさん年月と情熱が注がれているということに、この本を読んで知らず知らずのうちに気づかされました。
本の構成は、一章毎に語り部が代わり、年月も流れていくという構成になっています。それが、良い味を出しています。仕事や恋愛に希望を感じることができる前向きなお薦めな一冊です。
追記
彼女の作品、これで三冊目ですが、技術職というか特異な人が出てきますね。それらの人たちへの、温かい眼差しでの描かれている作品が多い気がします。5272
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