三浦しをん「神去なあなあ日常」読みました 山仕事の一年間 | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

神去なあなあ日常

☆☆☆☆

2009年5月 徳間書店 290p 、「本とも」2007年7月号~2008年7月号に掲載された作品に加筆・修正



○三浦しをん「神去なあなあ日常」読みました。

平野勇気は平凡な卒業間近の高校生で、このままフリーター生活突入かと思われた矢先、母親の企みで、三重県の山奥の神去(かむさり)地区に連れてこられました。ここで一年間山仕事の研修をするというシステムに勝手に応募されていたのでした。


勇気はごく普通の高校生でしたから、山仕事なんかまるでわかりませんが、なにはともあれ、飯田与喜(いいだよき)の家に住み込みながら、中村林業で働くことになりました。初めは戸惑いながらもだんだんと慣れていく勇気でした。。。


ということで、三浦しをん「神去なあなあ日常」読みました。ちなみに、題名の「なあなあ」は、「ゆっくりいこう」「まあ、落ち着け」の意味です。


主人公の一年間の成長物語です。でも、場所が山奥、仕事が山仕事です、題材がユニークです。農業ならばまだイメージが分かりますが、山仕事は全く分かりませんので、そこら辺の記述は読んでいて新鮮でした。また、すべてにおいて「なあなあ」ですので、ついのんびり気分になってしまいます。


この本を読んで、山仕事に目覚める人たちがいるのではないでしょうか。それくらい、この物語に出てくる山仕事は大変そうですが魅力的です。ある意味、おとぎ話です。でも、今でも山仕事の現状は、これが日常なのでしょうか。


スローライフにあこがれるあなた、必読かも、山仕事にその答えがあるかもしれません。また、ゆったりした気分を味わいたい人にもお薦めの一冊です。Y140


追記1

林業の盛んな近くの山合いの町に、三浦しをんさんが講演にきたようです。この本を読めば納得です。


追記2

この本、2010年本屋大賞 4位です



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