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2006年2月 435p 講談社文庫、2001年1月に角川書店から刊行された「アナン」に加筆・修正をし「アナン、」と改題。
飯田譲治、梓河人「アナン、(上)」読みました。
流(ながれ)は、ホームレスです。流は記憶喪失に陥っています。以前の自分のことを思い出そうとすると頭が痛くなります。彼は自分自身に幻滅し、クリスマスの夜にこのまま死のうと思って、徘徊していました。
そんななか、流は赤ん坊を拾ってしまいました。ほっとけば凍死すること間違いなしの赤ん坊ですが、なぜか捨てられません。赤ん坊は一命を取り止めたのですが、まだまだ苦難は続きそうです。流は赤ん坊をアナンと名付けました。
ホームレスで赤ん坊を育てるのは容易なことではありません。でも、アナンには不思議な能力があるようでした。言葉もしゃべることができないアナンを抱っこすると、皆自分の過去の過ちを告白したくなるのでした。そしてそのたびに、アナンの手には、青色の砂の結晶のようなものが握られているのでした。。。
ということで、「アナン、(上)」を読みました。何か不思議な雰囲気のする作品でした。
以前読んだ「盗作 」もそうですが、日常生活にひとひねり加えて、不思議な世界を描き出しています。物語のなか、上巻においてアナンは幼児です。不思議な力を備えたアナンは、下巻でどんな活躍をするのでしょうか???8298
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