小川洋子「物語の役割」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

親愛なる人に-読書の薦め

読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

小川 洋子
物語の役割 (ちくまプリマー新書 53)

☆☆☆☆

2007年2月 ちくまプリマー新書  126p


小川洋子「物語の役割」読みました。


本書は、小川洋子が物語について講演したものを、本の形にまとめたものです。といって、講演をそのまま本にしたわけではありません、たぶん作者が本の形に書き直しています。それで非常に読みやすい本になっています。


また、内容は作者自身の物語の作り方、こどもの頃との本との出会い、等が書かれており、共感するところ大です。


創作について小川はこう言います「言葉にできないものを書いているのが小説ではないかと思うのです。一行で表現できないからこそ人は100枚も200枚も小説を書いてしまうのです」だからこそ、主題とは何ですかなんて、一言ではいえないとも言います。また、すでにあるストーリーを逃さないようにキャッチして小説にするのが小説家の仕事とまで言います。。。


また、小川は思春期の頃の難しい時期を、本との出会いによってうまく乗り切れた、とも語っています。そこまでの本とのいい出会いがあった作者は幸せな人だと思いました。でも、同じ本を読んでも気づく人と気づかない人がいると思います。気づくことが才能なのかも知れません。。。


小川洋子の創作の秘密に迫ることができるこの本、大変わかりやすく書かれています、彼女の本を読んだ方にはもちろんのこと、読んだことがない人にも、お薦めの一冊です。


小川洋子の「博士を愛した数式」 はこちら

小川洋子「ミーナの行進」 はこちら

   


テーマ:小川洋子 はこちら



本スマイル2トップへ