小川洋子「ミーナの行進」読みました。感動します。お薦めです。 | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

小川 洋子, 寺田 順三
ミーナの行進

中央公論新社 2006年4月 331p 読売新聞2005年2月12日~12月24日に毎週土曜日連載

☆☆☆☆+


谷崎潤一郎賞受賞の小川洋子「ミーナの行進」読みました。

時は1972年。父親を亡くした朋子は中学1年生になります。母の都合で、1年間だけ母の姉の伯母さんのところに預けられることになりました。


叔母さんの家は芦屋にあります。そこにはハンサムな伯父さん、ドイツ人のローザお祖母さん、小学六年生で喘息持ちの従妹ミーナ、お手伝いの米田さんで住んでいます。さらに庭の手入れや車の運転をしてくれる小林さん、コビトカバのポチ子もいます。


ミーナは学校に行くときに、コビトカバのポチ子に乗って、小林さんと小学校に通っているのでした。それは、あたかも行進のようにみえるのでした。。。。


ということでこの物語は、朋子が伯母さんのところで過ごした一年間が描かれているのですが、どのエピソードも詩的で余韻があります。ラスト数ページになると、なぜか胸一杯になり、感動しました。それは登場人物、家族の設定が絶妙で、感情移入してしまったせいだからでしょうか。


コビトカバに学校へ乗っていくなんていうと、滑稽に思えるかも知れませんが、小川洋子の筆にかかれば、毅然としており全然違和感ありません。


新聞掲載当時と同じかわかりませんが、寺田順三の挿絵も頻繁にあり、想像力をかき立てられます。家族がテーマのお薦めの一冊です。よかったです。。


小川洋子「博士の愛した数式」紹介はこちらです・・・


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