- 斉藤 洋, 広川 沙映子
- しまのないトラ (偕成社おはなしポケット)
☆☆☆+
1999年7月 偕成社 141p 絵:広川沙映子
斎藤洋「しまのないトラ」読みました。
この本には以下のようなサブタイトル「なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話」が付いています。ちょっと他とは違ったところがある動物の話です。基本的には面白おかし話ですが、「いじめ」とかを意識して書かれたものもあるのでしょうょう。社会人でも他人と自分を比較して、落ち込んだりするときがあります。そういうときに、ちょっぴりおかしくまた励ましになる物語が集まっています。
以下に本書に載っている5話の話のさわりを記します。
第1話 つのがないバイソン
あるバイソンの群に、つのがないバイソンがいました。バイソンは群れのなかの順位を、体当たりをしていつも競っています。だから、つのがないバイソンはいつも群れから少し離れたところにいました・・・。
第2話 しっぽのみじかいマングース
しっぽの短いマングースは、しっぽが短いことでいつも他のマングースにバカにされます。そこで、一人旅に出ました。でも、このあたりはどこへ行ってもマングースがいます。知り合いのマングースがいないだけで、どこへ行ってもバカにされるのでした。しっぽの短いマングースが、旅なんか無駄かもしれない、とつぶやいたとき、そうでもないさ、と答えたものがいました・・・
第3話 足のあるヘビ
あるとき、足のあるヘビがいました。でも、そこにはしまのあるのやらないのやら、いろんなへびがいましたので、取り立ててバカにされることもありませんでした。足のあるヘビには不思議な力がありました・・・
第4話 八本足のイカと十本足のタコ
むかし、イカとタコは仲が悪かった頃のお話です。八本足のイカと十本足のタコがいましたが、お互い仲間からは、バカにされていました。あるとき、八本足のイカと十本足のタコが海のなかで出会いました。。。
第5話 しまのないトラ
トラの狩りは、相手にそっと近づいて襲いかかるような方法なので、トラのしまは、草木に紛れ込むことができるので大変便利でした。けれども、しまのないトラは、狩りのときすぐに獲物にばれてしまうので、いつも腹ぺこでした。また、仲間からも腹ぺこ野郎とバカにされ、自分もその通りだと、黙っていました。腹ぺこで仕方のないトラは、あるとき、狩りをした獲物を鷲(ワシ)からもらいます。鷲の狩りの様子をみて、しまのないトラはあることに気づくのでした・・・
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