恩田陸「ユージニア」を読みました。大量毒殺事件の謎を追う | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

恩田 陸
ユージニア
2005年2月 角川書店 444p
KADOKAWAミステリ2002年8月~2003年5月、本の旅人2003年7月~2004年9月
(単行本にあたり、加筆修正)
☆☆☆☆

第59回日本推理作家協会賞長編部門受賞作 、恩田陸「ユージニア」を読みました。


20年以上前に北陸の旧家で、大量毒殺殺人事件が起こりました。ちょうど祝を行っており旧家の家族10人中9人、近所のヒトを含めると17人も死にました。


犯人はなかなか見つかりませんでしたが、数ヶ月後遺書を残し、自殺していた青年が犯人ということとされました。


でも、犯人が見つかってもなぜかなぜかしっくりしません。

犯行現場には謎の詩が残されていました「ユージニア、私のユージニア。私はあなたと巡りあうために、ずっと一人でたびを続けてきた・・・」


ユージニアって何のこと?この詩はいったい何なのか?真犯人はいるのか?


この物語は、事件当時の関係者、刑事等それぞれの立場から語られるという形で、過去、現在と綴られていきます。また、事件自体は陰惨ですが、そこは恩田陸、詩的な文章です。ミステリなのに、ミステリっぽくないのですね。


単行本もきれいで、初めのページの謎の詩(ユージニア Eugenia)とプロローグが、本文の前に洒落た感じで装丁されています。


最後まで読んで謎が解けた後に、それら種明かしを踏まえてもう一度最初から読み直したくなりました。


また、章立てが詩的です。覚え書きということで、各章の題名を並べて、この本の紹介は終わりとします・・・


第一章 海より来たるもの
第二章 二つの川と一つの丘
第三章 遠くて深い国からの死者
第四章 電話と玩具
第五章 夢の通い路(一)
第六章 見えない人間
第七章 幽霊の絵
第八章 花の声
第九章 いくつかの断片

第十章 午後の古書店街にて
第十一章 夢の通い路(二)
第十二章 ファイルからの抜粋
第十三章 潮騒の町
第十四章 紅い花、白い花


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