恩田陸「不安な童話」読みました.読んでいて不安をかき立てられる・・・ | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

不安な童話


☆☆☆☆
1994年12月 祥伝社,1999年4月 祥伝社文庫,2002年12月 新潮文庫 344p

主人公は,大学の先生の秘書をしている古橋万由子.彼女はその人の考えや思っていることがふと見えてしまう能力を持っています.

彼女は25年前に変死した女流画家の遺作展を見に行ったとき,絵からわき出る気配を感じて,倒れてしまいます.


その後,女流画家の息子が現れて,万由子に相談します.「あなたは母親の生まれ変わりかも知れない.これから,遺書にしたがって,母の遺作を4人の人物に渡さなければいけない.一緒にその4人と会っててほしい」

この荒唐無稽の申し出を,万由子は,を受け入れますが,これがきっかけで,いつしか奇怪な事件に巻き込まれることになっていくのでした・・・


展開がホラー風でもあり,謎が謎を呼ぶという感じでした.面白かったです.読んでいて,主人公の不安が,こちらまで伝わってきました.かなりドキドキします.


恩田睦は,初めて読みました.この作品はまだ荒削りかも知れませんが,読んでいて,「宮部みゆき」と似ているような感じがしました.恩田睦の他作品も,読みたくなりました.


章立ても,長めですがしゃれていました.読んでいる途中は,?でしたが,読み終わったあと,これらの章の題名を読めば,なるほど,と思ってしまいます.


最後にこれを書き出して終わりとします.


プロローグ
第一章
遠い海への道のりは,ある日,突然に始まる
第二章
海に向かう道は,長くねじれている
第三章
すべての道が,海につながっているように見える
第四章
中には,海を見ずに終わる者もいる
第五章
海に続く道
エピローグ