岡田淳「ようこそ,おまけの時間に」を読みました. | 親愛なる人に-読書の薦め

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ようこそ、おまけの時間に/岡田 淳

☆☆☆☆
偕成社文庫 220p,1989年11月 小学上級から

岡田淳「ようこそ,おまけの時間に」を読みました.


主人公の松本賢は小学6年生.あるときから,毎授業中12時からチャイムが鳴る時間のあいだ,なぜか,学校ではあるが夢のような世界へ行ってしまうのでした.その世界は,クラスメイトはいますが,自分も含めて,いばらに包まれているのです!クラスメイトは皆12時のままの格好でいばらに包まれて止まっており,起きているのは賢だけでした.


次の日,賢はカッターナイフを握って,その世界に行き,まず自分の周りのいばらを切り出しました.それから隣の席の女の子のいばらを切り出しました.


また次の日の12時には,彼女は起きていました.二人は相談し,いばらに包まれた友達の救出にかかりました・・・


このようにして,子供たちは次々,助け出されて目覚めます.その世界をよく観察すると,校庭中いばらに包まれていて,教師たちもなぜかいません.でも子供たちは協力して,行動しだすのでした・・・


SFのような,ファンタジーのような側面もありますが,日常にきわめて近く,感情移入がしやすい作品です.供の頃,友達と秘密基地などを作って遊んだことを思い出させてくれるどこかワクワクするようなドキドキするような感じの作品です.読むと,小学生の頃の気分がよみがえるようでした.