日本には、Government Pension Investment Fund(通称GPIF)があり、日本の厚生労働省が所管しており、日本の年金の積立金の管理・運用を行なっている。
運用方法は投資信託で、GPIFには金融の専門家がいないので、実際の運用は金融機関に委託している。
具体的な委託先は、野村証券、ゴールドマンサックス、JPモルガン等多数の金融機関である。
運用金額は平成28年実績で約132兆円あり、世界最大の資産額であり、市場に与える影響は非常に大きな存在となっている。
運用成績は2001年から2016年まで約53兆円の黒字であるが、2007−8年のリセッション時の運用成績は、約14兆8000億円であった。
日本の年金システムは世界の金融化の影響を直接受ける状態にあり、各金融機関の方針またトレード実積に左右される状態となっていると言える。
各金融機関のガバナンスがしっかりとしており、経済が安定した状態であれば、国民の年金も安定した状態になるが、ガバナンスが不十分な状態または、経済が不安な状態になれば、国民の年金に大きな影響を与えてしまう仕組みである。