昨日たまたま奈良のブックオフで噂の500円セールにぶち当たる。携帯チェックなしで105円棚専門のセドリ士としては、夢のような仕入れになるはずだったのだが・・・。
心を動かされる(高く売れそうな)本があまりなかったのでそう感じるのかもしれないが、正直、500円セールには後味の悪い思が残る。どういう意味かというと、105円棚のセドリが野や山での宝探しなら、500円セールは養殖高級魚のいる生簀(いけす)での釣りなのである。
小学生のころ、わたしはクマゼミの幼虫を探しに夜の8時ころ、よく近くの大学構内にある大木の下へ忍んでいった。その晩に羽化するクマゼミの幼虫がノソノソと木をよじ登っていく。それがめったに見つからないから、他の悪ガキたちとの競争もあり、見つけたときの感激はひとしおだった。
大人になって105円棚でのセドリをしながら、そのころの気分と同じ喜びを味わっていた。今回初めて500円セールを経験し、わくわく感を全く感じることができなかった。これからわたしはやっぱり今までどおり、携帯なしの105円棚で自分流のわくわくどきどきを追い求めていくことにする。