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Since 2013.05.29

懐かし釣り道具館 【みりおね屋】へようこそ。
1970年代のダイワ精工製ルアータックルを、ミリオネアを中心に
ご紹介しています。
けれども、オールドタックルと言えば、ABUやミッチェルが王道。
日本製オールドタックルは、どうしても扱いが低くあまり話題に
上らないのが悲しいですね。
70年代オヤジが釣り少年だった頃の懐かしい思い出と共に
コレクションを紹介していきます。
なにぶん古い話で情報源も限られておりますので、情報間違い等
ございましたら
ご容赦ください。


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みりおね屋店主ご挨拶m(_ _)m

eoサイトにて2013年より活動してきましたみりおね屋ですが、昨年のサイトクラッシュにより活動を休止してまいりました。
この度、ファイルをヤフーブログに移植し活動再開することにいたしました。
まだ全ファイルの復旧には至っておりませんが、順次作業を続けてまいります。
拙い内容ではございますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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ご意見・ご感想・ご指摘・ご質問・ツッコミなど(^o^)/

こんな拙いサイトでも見てやろうという奇特な方々へ。
各ページのコメントまでお気軽にどうぞ。
表示やレイアウト、リンクがおかしいなどのご指摘もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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【 目 次 】

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お願い m(_ _)m
最近ネットオークションで、本サイトの説明文を引用・コピーした商品説明を散見いたします。
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【その後のミリオネア(21世紀編)】

世紀末から新世紀へ。
現在までに至るミリオネアの軌跡をたどってみましょう。
ちなみに、現在ミリオネアは、G5と同時期にデビューしたシーラインと共にロングランのブランドネームとなっています。

毎度の事ながら年代考証はタカさんのご協力を得て記載しております。


1999年:丸形復活! ミリオネアCV-Z
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 ミリオネア CV-Z250

90年代半頃、丸形復活の先駆けとして、シマノからカルカッタが登場し、人気を博しました。
その跡を追うようにリョービもバリウスで対抗。
アブでさえ、ブラックマックスやプロマックスなんかの丸形モデルを投入(今のモラムに続く)したくらいですから、よっぽどカルカッタのインパクトは強かったのですね。
後れをとったダイワは、1999年に新丸形ベイトリールを販売開始、その名にミリオネアを付けたわけです。

これら丸形リールは、往年のフレームタイプではなく、アルミダイキャストか無垢材を削り出し加工したボディで、現在もそのトレンドは生き続けています。
本機やカルカッタのアルミマシンカットボディ自体は珍しいものではなく、トローリングリールなんかではずっと昔からありました。
小型ルアー用ベイトリールに採用したところがウケたわけですね。

14年前の1985年にカタログ消滅した、ダイキャストモノコックフレームM系ミリオネアが最新メカを搭載し甦った感じです。
ブレーキはマグフォースVを搭載し、シマノの遠心より使いやすかったのでしょうが、スタイルがちょっと安っぽかったかな。

このミリオネア、結構人気を博したようで、10年間ほど販売され、長寿モデルとなりました。
この間、雷魚用新家氏監修のブラックシープや村上氏監修の凜牙とかのスペシャルモデルもラインナップされました。
また、この頃からはやり始めたソルトルアーゲームに対応し、ベイエリアや同ブルーバッカ-がその活躍の舞台を広げていきました。

ある意味ミリオネアが最も輝いていた時期なのかもしれません。
アンバサダーの影に埋もれた70年代、ファントムの下位となり汎用機を目指した80年代、廉価版になってしまった90年代とは異なり、TD系とベイトリールのツートップを張っていました。
しかし、2008年、リョウガにその座を明け渡しルアー用ベイトリールから引退してしまいました。


アメリカ版CV系 ミリオネア-S
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アメリカンダイワ ミリオネア-S300

日本ではベイトリールから引退してしまったミリオネアCV系ですが、アメリカではミリオネア-Sとして今も活躍しています。
マグフォースから遠心ブレーキに変更してあります。


2007年:路線大幅変更? ミリオネアICV
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ミリオネア ICV100R

CV系がリョウガに道を譲り引退する前年、ミリオネアが大きく方向性を変えました。
液晶カウンターを搭載した完全な船用リールがICVです。
CV系をベースにしていますが、最早ベイトリールではありません。
この後、長らく国内ではルアー用ベイトとしてのミリオネアの系譜は途絶えてしまいます。


2008年:ミリオネアICV 100R 50周年記念モデル
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1958年に旧大和精工が創業し、2008年で50周年を迎えました(現グローブライド)。
50周年記念スペシャルモデルが色々販売され、その中にミリオネアがありました。
しかし・・・なんで船用ICVのカスタム??
私はこの企画に不満を感じました。
ミリオネアの起源はルアーベイトであり、 この年は1973年に初代G5がデビューして35年になります。
アンバサダーのようなG5の復刻版を出して欲しかったし、そうすれば私は速攻注文しコレクションに加えていたでしょう。
この年のスペシャルサイトには、創業からの歴史が書かれており、投げの名機プロキャスターなどが語られていましたが、当時のミリオネアには一切触れられていませんでした。
ダイワにとって、オールドミリオネアは触れたくない黒歴史だったのでしょうか?


2013年:新境地開拓? ミリオネアカゴ(kago、籠)
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ミリオネア KAGO-300 

遠投かご釣り用の「ミリオネアカゴ」、ベースはCV系です。
マグブレーキを捨てて、重量級仕掛けを投げる為に遠心ブレーキを装備しました。
しかし・・・「カゴ:Kago」っていう安直なネーミングがなんか悲しいです。
再びベイトリールの主役に復活することは、もう無いのか??

近年カゴ釣りでは、丸形クラシックアンバサダーがよく使用されるようで、その流れに追従したのでしょうか?
かつてルアー用ベイトリールで隆盛を極めたミリオネアとアンバサダーですが、まさかニッポンの磯でアミエビを詰めた籠を投げさせられることになろうとは・・・
こんな展開になるとは思ってもみなかったでしょうね。


海外では現役!フレーム丸形ミリオネアクラシック系
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 アメリカンダイワ ミリオネア M-C250

北米では、フレーム丸形ミリオネアが販売されていました。
2000年代後半の販売だったと思います。
その名も、「ミリオネアクラシック」、いわゆる復刻版みたいなものですね。
さすが、アンバサダー復刻版を販売し続けているお国柄だけのことはあります。
しかし、左カップ下部の太陽マークが何ともニクい演出ですね。
まあ、国内販売しても売れそうにないスタイルですけど・・・。
遠心ブレーキ無しで、キャスティング用ではなく、汎用リールです。
数年間販売されていたようですが、今は販売終了しています。


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欧州ダイワ、ミリオネアプロテウス PROTEUS 300 L/H

こちらはクラシックの欧州版。
遠心ブレーキが付いて、キャスティングに対応していますが、ルアー用ベイトではなく、現地で盛んな大型淡水魚とかのぶっ込み釣り用でしょうか?
国内では見られなかった左ハンドルがラインナップされています。
色目がクラシックよりちょっとだけカッコ良いかも・・・
(ねこの釣り師さん、情報ありがとうございました)
こちらも現在廃版になっています。


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日本JSY向け シーファイア300

某量販店JSYで発見したミリオネアクラシックの国内バージョン。
その名もシーファイア(SEA FIRE)。
完全な船用リールで、廉価版クラス。
カタログに掲載されていないJSY向け特別仕様品だったと思われます。
これも今はもう見なくなってしまいました。


アメリカのサーフで活躍! ミリオネア7HT
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アメリカンダイワ ミリオネア7HTMAGST

アメリカでは、ミリオネアはサーフキャスティングリールとして今も活躍しています。
7000番サイズの超ワイドボディにマグブレーキを装備。
レベワイを廃した遠投専用機です。
日本でも、70年代初頭まで一時期ペンのサーフマスターやスクイダーが使われていたことがある両軸サーフキャスティング。
日本では、キス釣りを主体とした投げ釣りが盛んになり、大型スカーテッドスピニングリールを投げ釣り専用に進化させ、今に至ります。
結局、サーフリール文化が根付くことはありませんでした。


2014年:またもや復活? ミリオネア
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ミリオネア100

ミリオネア新製品で復活?
ベースはCV系です。
再びベイトリールの座に返り咲くのか?
と思いきや、これも船用、ブレーキシステムも装備されていない。
おまけに、どことなくちょっと前のカルカッタ風・・・。


2015年:リョウガ? ミリオネアバサラ
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ミリオネアバサラ100H

ベースモデルををリョウガに変更し、マグシールドBBを装備。
婆娑羅とはインド語でダイヤの意味らしいです。
しかし、・・・やはり遠心ブレーキ無しの船用である事に変わりはありません。
後輩リョウガの軍門に降り、生きながらえる意味があるのだろうか??


2018年:クラシックが凱旋帰国? シーホーク
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シーホーク300遠投

ミリオネアの名前は付いていませんが、どことなく海外向けクラシック系をベースにしているように見えます。
本機は、遠投カゴ釣り用として開発されました。
クラシック系に対し、オートクラッチ(AC、サムバー)やSICガイド付きレベワイ、ロック付き遠心ブレーキなんかを装備し、かなり近代的になっています。
現在の遠投カゴ釣りでは、クラシック丸形アンバサダーが好まれるそうで、それに食い込む為のクラシックスタイル投入なのでしょうか?
しかし・・・それではCV系ベースのカゴちゃんの立つ瀬が無いような・・・


2019年:アメリカ人はクラシック好き? ミリオネアクラシックUTD
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一旦姿を消した、アメリカンダイワのミリオネアクラシックが復活しました。
基本は赤い先代クラシックと同じ、遠心ブレーキ無しの汎用リールのようです。
しかし、ドラグを強化し、クラシックには何とも不似合いな近代的ベントハンドルを搭載しての再登場です。
見た感じ、日本向けシーホークにも似ていますね。
アメリカ人は、クラシックスタイルがホント好きなんですね。
しかし、先代の右カップ太陽マークが廃止され、現在のダイワロゴになってしまったのはちょっと残念ですね。


2019年:ベイト復帰! ミリオネア CT-SV
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ミリオネア CT SV70H

2019年5月、いよいよ待ちに待ったミリオネアのベイトリール復帰です。
(この記事は2019年1月に書いてます)

ダイワホームページから
「2008年を最後にバス用としては姿を潜め、活躍の舞台をソルトウォーターへと譲っていたラウンドシェイプの名機・ミリオネア。
2019年、新基軸ユニットで武装して、バスフィッシングシーンへといよいよ戦線復帰。満を持して、群雄割拠のファーストムービング界へと乗り込んでいく。」

基本ボディは、丸形アルミマシンカットフレームのCV系を引き継いでいますが、CT(Compact&Tough)設計による小型軽量化と小口径SVスプール、新型マグ(エア)ブレーキ、を搭載し、かなり進化しています。

ミリオネアG5の誕生から46年。
自重330g→210gへと劇的進化、丸形リールとしては最軽量の部類。

今なお進化し続け、ルアー用ベイトの最先端を行くミリオネア。
今後も期待しましょう。


というか、G5の復刻版作ってくれないかなぁ・・・
【その後のミリオネア(20世紀編)】
 
本館では、70年代・80年代初頭の丸形&小型系ミリオネアを中心にご紹介していますが、その後どうなったのでしょうか?
海外モデルの検証は資料が無い為難しいので、国内モデル中心にその歴史をたどってみましょう。

ミリオネアは、国内では、1984年のM系を最後に丸形フレーム系は消滅します。
ルアー用ベイト主役の座をファントムに明け渡し、ルアー用ベイト下位廉価版路線や磯上物や船用の多用途モデルといった別の道を歩み始めます。
しかし、ルアー用ベイトの主力が、ファントム→TD→ジリオン、スティーズへと変化していく中、現在もミリオネアの名は受け継がれています。
当初のターゲット(ルアー用ベイト)とは異なってしまった物も沢山ありますが、伝統ブランドネームとして現代に引き継がれているわけですね。

80年代中頃以降のカタログは所有していないのですが、記憶をたどってまとめてみました。
かなり情報(記憶)が曖昧なところはご容赦です。
ご指摘・情報ございましたらコメントまでお願いします。

年代考証には、ブログでいつもお世話になっているタカさんのご協力を頂きました。
タカさん、ありがとうございますm(_ _)m


1980年:スーパーミリオネアGS-5000 
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ファントムの後を追って国内登場した、ミリオネアの名を冠した初の本格ロープロファイルタイプ。
といっても、北米では、プロキャスターSM(スーパーミリオネア)の名で先行デビューしていました。
国内において、プロキャスターと言えば投げ釣りタックルの名門ブランドであり、その名を使うことが出来なかったのでしょう。
この頃は、まだ丸形ミリオネアも存在しており、後年世界戦略モノコックM系が販売されましたので、イマイチ中途半端な存在でした。

ファントムの下位機種扱いで、深溝スプール、オイルレスメタル仕様でした。
レベルワインド静止メカとは、今では一般的になったノンシンクロのこと。
ドライブギヤからレベワイを駆動することにより、クラッチオフの状態でレベワイが停止し、キャスト時の抵抗を減らそうとしたわけです。
下位機種と言ってもファントムSM20(15000円)に対し、本機は12000円とそんなに廉価ではなかったので、注目度は低かった気がします。 
又、この頃からルアー用ベイト=バス用と言う事になっており、ファントムのような使用ラインに合わせたスプールサイズや番手が求められる時代になってきた為、丸形フレーム時代の深溝でラインキャパが大きいという事は美点でなくなってきました。
カタログにも書いてあるとおり、ルアー以外にも磯船等に多用途に使える事を目的にしていました。


1983年:小型ミリオネアST-1000 
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とうとう、完全にルアー用ベイトではないミリオネアが登場しました。
過去の小型丸形GS系は、磯上物船小物色が強く下の番手にはドラグや遠心ブレーキ無しというのがありましたが、上の番手には遠心ブレーキ付きのルアー用もラインナップされていました。
しかし、この小型STは、遠心ブレーキもドラグ機能もありません。
コロネットの上位機であり、完全に磯上物、チヌ筏リールです。
オークションなどでオールド品としてよく見ますが、その多くにベイトキャスティングリールであるかのような紹介がされており、ミリオネアの名にだまされてはいけません。


1983年:ミリオネアST
1985年:ミリオネアST-S
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ミリオネアST-30&40

磯/船用ロープロファイルミリオネアです。
同世代のファントムSTをワイド化したイメージ。
ファントムより上の番手、30/35/40の3サイズをラインナップ。
遠心ブレーキ付きで、ルアーに使えないことはないでしょうけど、ルアー用とは書いてありません。
船べりからのチョイ投げに使える両軸リールといった感じです。
この頃から、ミリオネアはファントムとは別の道(ルアー用もラインナップするが基本汎用機路線)を歩み始めます。
アルミダイキャスト一体成形フレーム、 逆転ON/OFF、クリッカー装備。
85年にはロングハンドル搭載のST-Sへとマイナーチェンジ。
更に船用リールとしての性格を強めていきました。
近年のベイトリールをベースにした船用ロープロリールの先駆けですね。


1983年:ミリオネアマグサーボSS
1986年:ミリオネアマグサーボSS-S
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ミリオネア マグサーボSS-30&40

こちらも磯/船用であり、マグ装備でルアーにも使えるかもしれないですが、やはりルアー用とは書いてないです。
ファントムSSマグのワイド版です。
ファントムより上の番手、30/35/40の3サイズをラインナップ。
アルミダイキャスト一体成形フレーム。
逆転ON/OFF、クリッカー装備。
マグダイヤルが、ハンドル側に付くのは当時初の試み。
ファントムとは違う路線を歩み出したミリオネアで、磯/船用と銘打ってました。
86年には、STと同じくロングハンドルのSS-Sへとマイチン。
どんどんミリオネアがルアー用ベイトから離れていきます。 


1984年:ミリオネアマグサーボSS-AC
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ミリオネア マグサーボSS-20&25AC

同年発売の、ファントムSS-ACの兄弟機として登場しました。
ファントムSS-ACの深溝スプール版の位置づけです。
ファントムより上の番手、20/25の2サイズをラインナップ。
カーボン一体成形フレーム。
磯船用ST&SSとは事なり、ルアー、磯、船に使える万能機です。
カタログ写真ではしっかりと磯竿にセットされてますけどね。
逆転ON/OFFやクリッカーも装備されています。
ACはオートキャストクラッチの略で、アブで言うサムバーのことです。


1985年:ミリオネアマグサーボST-AC 
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ミリオネア マグサーボST-25AC

マグサーボSS-ACがSTグレードになりました。
基本は同じですが、BBがこの頃ファントムGSで導入されたカーボンベアリングに変更され、マグサーボが遠心ブレーキとなっています。
番手は、10/15/20/25の4サイズをラインナップ。
ラインナップがファントムとかぶっていますが、ファントムはこの後ゼロ系やトーナメント系の高級機にシフトし、GSやSTの廉価グレードを切り捨てていきます。
ここに来てミリオネアは再びルアー用ベイト普及機の位置づけとなり、磯船用汎用機と兼務することになります。


1988年:スーパーミリオネアST
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スーパーミリオネア ST10

このスーパーST系は、これまでのファントム系とは異なるボディで、アメリカンダイワのEL2やPS2なんかの系統のようです。
このモデルはベイトリールの最下位、ルアー入門用廉価版の位置付けになります。
この頃になると、マグサーボも低コスト化で市民権を得てSTグレードに普通に搭載されるようになりました。
又、ミリオネアとしては初めて左巻のST-Lがラインナップされました。

この頃、ファントムはミリオネアより先にベイトの主役の座をTD系にあけわたし引退しました。
とは言え、ファントムは元々北米プロキャスターSM(スーパーミリオネア)の国内名ですから、廉価版をこのスーパーSTに託してTDへと進化して行ったと言うところでしょう。

90年代、ミリオネアは、このスーパーST系が入門用ベイトリールとして1998年まで10年間もラインナップされ続けていました。
ミリオネア中一番の長寿モデルでしょう。
現在ではバレッタを経てバスXという機種がそのポジションにあります。 


ここまで、20世紀のミリオネアを見てきました。
この後、新世紀に向けて丸形CV系が華々しくデビューするわけですが、ここから先は21世紀編に続きます。
【ミリオネア レア度ランキング】

今までミリオネアを収集した際の入手難易度やネット上の情報から、勝手にランキングしてみました(^^ゞ
情報お持ちの方は、是非コメントお願いしますm(_ _)m


第1位:ミリオネア5HM(6HM) パープル 
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海外カタログ掲載のモデルです。
1回だけ海外サイトで見た記憶がかすかにありますがかなり曖昧。
現存する物はほとんど国内向けと同じシルバーばかりです。
本当に実在するのだろうか?
単にカタログ写りの光加減なのでしょうか?
はたまた、試作モデルを先行掲載し、量産はシルバーだったとか??


同率第1位:ミリオネアV ブラウン
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YOSHIさんから頂いた情報により、存在が発覚したレアカラー。
私も初見で他に情報無く、もしかしたらYOSHIさん以外所有していない??
5Hの様なブラウンカラーで金色ライン、王冠帆船エンブレム、クリッカー穴無し。
試作機なのか、エラー品なのか・・・謎の多い個体である事は間違いないでしょう。
現存確認モデルとしては間違えなくレア度ナンバーワン、珍品中の珍品ですね。


同率第1位:プルミエールV
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初版(Première)の名を持つ謎のモデル。
おそらくミリオネアVの試作機と思われる珍品。
実売モデルの可能性は相当低そうです。
情報が全く見当たらず、ひょっとしたら現存機はこの一機だけという可能性も。


第2位:ミリオネアV ブラック クリッカー付き 
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国内専用モデル。
おそらくメインの販売がG5であったため、不人気モデルだったのか、少数販売だったのでしょう。
滅多に見ないモデルです。
オークション等でVはよく見かけますが、海外向けのグリーンかブラックのクリッカー無しばかりです。
オークションで1回だけ見たことがあります。


第3位:ミリオネア5B
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海外専用モデル。
販売期間が短くあまり数量が出回ってなかったのでしょうか。
私もネット上で今まで3回くらいしか見たことがありません。
その存在を知っている方も非常に少ないようです。
6Bに5Hのパーツを組み込んだ偽5Bをつかまされたことがありました(T ^ T)


第4位:ミリオネア3R 
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海外専用モデルであり、販売時期も短かったせいかあまり見かけません。
オークション等では、逆輸入されたものがたまに出品されていたりします。
3Rは同期の4Hに比べ、見かける頻度が少ないようです。
発売された頃はハイスピード移行後だったので、レギュラースピードの販売数は少なかったと考えられます。


第5位:ミリオネア3R /4H
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海外専用モデルであり、販売時期も短かったせいかあまり見かけません。
オークション等では、逆輸入されたものがたまに出品されていたりします。
4Hは、3Hの後継機なのに販売時期がかぶっており、先に引退してしまったややこしい存在で、販売数も少なかったと思われます。


第6位:ミリオネアV オレンジライオン 
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海外専用モデルの最後期型だと思われます。
おそらく販売数が少なかったのでしょう、あまり見かけないモデルです。
エンブレム的には一番カッコいい?


第7位:ミリオネア5HS 
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海外専用モデルで、意外と5Hと混同されてしまう存在。
前期型などは5Hにパワハンを付けただけに見えますから。
オークション等では、逆輸入されたものがたまに出品されていたりします。
前後期共国内ではどちらもあまり見かけないモデルですが、強いて言えば前期型の方がより少ない気がします。


第8位:ミリオネアG5 
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三平くんのおかげで、ミリオネア中人気ナンバーワンのG5ですが、意外と販売期間が長く数量も多く出回っていたせいか、レア度自体はそんなに高くありません。
オークションでもよく見かけます。
ただし、そのほとんどが状態の悪いものが多く、二アMINT状態のものは驚くほど高価で取引されています。


番外編
ミリオネア3H 太陽マークエンブレム
ミリオネア4H レインボーエンブレム
両方とも、ネットで1回ずつ目撃したことがあります。
3Hの最後期や4Hの販売当初に、このような混載モデルが少数存在したのかもしれません。
もしくは、エンブレムパーツを取り替えただけの模造品なのかもしれません。
カタログに存在しないことは確かです。 

ミリオネアVブラックと初期型アンバサダー5000C
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初期型ミリオネアとアンバサダーは切っても切り離せない関係だ。
戦後の日本産業発展の例に漏れず、初代ミリオネアも海外製品を模して設計したところからスタートしている。
初代G5とVのベースは、間違いなくアンバサダー5000Cである。

上の写真を見てもらえば一目瞭然だが、デザイン、ボディカラー、エンブレムまでそっくり。
大きな違いは、5000Cのカップが波形立体成型に対して、Vはゴールドのラインが入っているところと、ハンドルデザインくらいか。
メカニズムもかなり酷似し、同一寸法のパーツまであり、パーツ組み替えで装着できたりもする。
昔、北米でアンバサダー/ミリオネア兼用ハイスピードギヤパーツなるものが販売されているのを見たことがある。

海外、特に北米で圧倒的人気を誇っていたアンバサダーをコピーしたのは、当時の技術レベルや輸出戦略上妥当な線だったのだろうが、やり過ぎ感は否めない。
この辺、アンバサダーマニアの方々から見れば許されないところなのだろう。
「プアマンズアンバサダー」と揶揄されることもある。
70年代には北米で訴訟問題まで発生したと聞くし、上記写真のVブラックは1年で海外カタログから落ちている。
擁護した見方をするならば、初代系ミリオネアは、ベイトリール市場に打って出るための習作であったのだろう。

その後、ミリオネアは独自の進化をたどっていく。

2代目系では、クラッチメカを一新し、カップデザインや寸法を変更し、互換を無くした。
クラッチ構造自体は、ピニオンがスライドするドッグクラッチだが、これはフリークラッチが生まれたアンバサダー以前からの主流構造である。
しかし、鎌形の大きなクラッチストッパープレートを用いた平面的構造から、コンパクトなクラッチストッパーの立体的構造となり、カップの小型化への道を開いた。
この構造でなければロープロ化は実現出来なかったであろう。
後年、シマノのバンタムや80年代アンバサダーもこの機構を真似ることになる。
現代のベイトリールのクラッチの基礎となった構造だ。

その後も、小型2000C系は、シマノのバンタムに先駆けてロープロ化を実現。
3代目M系では、パイプフレームに変えてモノコックフレームを採用、これも現代のベイトリールの基本構造だ。
スーパーミリオネア(SM:日本名ファントム)では近代的ロープロフォルムやマグブレーキを採用し、バスフィッシング専用リールとして進化を続けた。

次第にアンバサダーに先行するようになり、90年代にはTDシリーズ等に受け継がれ世界トップレベルの製品を量産するまでになった。
今では、アンバサダーは逆に追従せざる終えなくなり、レボなどぱっと見TD系と同じに見える。

初期型ミリオネアは、確かにコピー商品というレッテルを貼られて、あまり良いイメージを持たれていない。
現代において、コピー商品は企業倫理に反する物で誉められた物では無いが、当時はこれしか方法が無かったのだろう。
しかし、それを否定するなら、日本の戦後成長を支えた商品全てを否定することになってしまうのではないだろうか。

また、高品質かつ低価格商品を製造するのは、当時の日本のお家芸であった。
アンバサダーの約半額~1/3でベイトリールを市場に提供してくれた。
確かに堅牢さや耐久性はアンバサダーにかなわないながらも、実釣上十分な性能であったと思う。
これは、ルアー黎明期におけるベイトリール普及の原動力になったと思う。
だいたい、よほどの金持ちの坊ちゃんでも無い限り、釣り少年にとってアンバサダーは憧れと言うより無縁の存在だったと思う。

このサイトでは、時代に埋もれてしまった不運な初期型ミリオネア達を紹介したいと思います。