生花祭壇を世界へ

 

皆さんこんばんは、旅する花屋FloristShinこと太田親平です

僕たち生花祭壇業界の花屋は一般的に言う下請け業者です。

葬儀社の方々が、葬儀の仕事を持ってきてくれて、そこで生花祭壇の仕事が発生した時に依頼が来ます。

もちろんどこの業界でも同じですが、葬儀社、花屋間には割引制度があります。

例えば50万円の祭壇の仕事が、葬儀社が受注したとしても、花屋が50万円の仕事を依頼されるわけではないんですよね。

もちろん、祭壇は花だけで作られているわけではないので、設備や消耗品も祭壇の料金にも含まれているわけですが、お花はその一部の費用なんですよね。

その掛け率というものは契約によってさまざまなのですが、昔に比べて花屋への掛け率が悪くなっている傾向にあります。

どの業界も同じですが、下請けの会社が、元受けの会社より利益を出すことってありませんよね。

花屋の中には葬儀社がマージンを取りすぎだって言う方もいますが、僕はそうは思っていません。

なぜなら、仕事を発生させることが一番難しいからです。

僕も20年くらいこの業界にいますが、葬儀を紹介したことは数十回しかありません。

それだけ葬儀の仕事を発生させるのは難しく、営業力や宣伝広告費、ホールの維持などのハード面の経費も掛かっているのです。

だからと言ってこのままでよい訳でもありません。

家族葬が増えてきていて一件単価が下がっている現在では、仕事は多くても、利益が出しづらく、人件費もかかってきます。

この傾向はこの先しばらく続くことになります。

正直僕は、この業界に危機感を感じています。

 

危機感を感じるわけ

1.  少子化で働き手がいない

2.  家族葬の増加

3.  業界が成熟期

4.  国内では葬儀のイメージ

 

 

1.少子化で働き手がいない

 

この業種に限らず、少子化の影響で働き手がいない業界が多くあります。

10年くらい前までは、花屋は比較的人気のある業種で、一般の花屋よりは多少人気は落ちるものの、生花祭壇業界も一般の花屋に比べて給料が良い事もあり、労力に関してあまり考える人もいなかったと思います。

現在は働き手が選べる環境なので会社にとっては選ばれる立場になってきています。これにまだ気づいていない方もいますが・・

若い労働力が獲得できなければ、会社や業界は高齢化するのですが、そのためには環境整備が必要です。

以前よりは改善されているとは思いますが、花屋の労働環境はそれほど良くありません。

一部の好きを仕事にしたい人にとっては需要のある仕事かもしれませんが、もっと魅力的な業界にするために世界進出は若者に夢を与える仕事になると考えています。

 

 

 

2.家族葬の増加

 

今は家族葬が急激に増加したいわば大家族葬時代です

僕たちにとって単価が下がることはあまり願ってはいない事ですが、大きな時代の流れを変えることはできません。

単価が下がるという事は、同じ場所に納品するにしても利益の出方が変わるという事です。

ここでの単価は、生花祭壇+供物(スタンド・アレンジ)+基礎物(棺の花・枕花・その他)=一件単価です

同じところに納品することを考えれば、一つの場所にまとめて商品を届けた方が効率的で利益が出ることになります。

高齢化社会で葬儀の件数は増えるのですが、単価が下がるという事は多くのの会場に納品しなければならなくなるので、人手がかかるため人件費が増えます。

しかも、現在の家族構成は、団塊世代の葬儀の時は、団塊ジュニア世代が遺族になるわけですが、団塊ジュニア世代はまだ人口が多い、すなわち兄弟が多いですよね

一人の葬儀に対して、複数人で葬儀を負担することになりますが、一人っ子が多い世代が喪主をするような時代には、一人で負担しなければならないので、単価はもっと下がることが予想されます。

さらに独身の方が増えているので世帯年収自体は低くなることも考えています。

このまま既定路線で時代がすすめば、生花祭壇業界がさらに縮小されることは間違いないです。

僕が世界に発信したいというのは、外から見れば輝かしいチャレンジに見えるかもしれないですが、実は新しい活動の場を作らなければ業界が衰退するという危機感から来るものなんですよね

アジアでは少しづつ生花祭壇が広まりつつあるので、もっと広く認知してもらいたいですね

 

3.業界が成熟期

ビジネスや業界の形というのはそれぞれですが、30年以上続いている生花祭壇業界は成熟期です。

段階としては、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」なので、これからの日本の生花祭壇業界は数年で衰退期に入るのかと思っています

成熟期は、業界内でのサービスの提供も安定していて、それをこなす技術者も育ってきている環境です。

言ってみれば飽和状態といってもいいかもしれません

ただ、この技術は簡単に習得できるものではなく、さらに海外では菊を並べて形を作る技術はほぼ見たことがありません

同じ技術を使うにしても、新しい場所で始めればそれは「導入期」なので、まだ生花祭壇がない地域で活動することで、新たなビジネスチャンスが生まれると思います。

また、日本でも再認識してもらえると思っています。

4. 国内では葬儀のイメージ

 

どうしても生花祭壇には葬儀のイメージが=になります

ある程度の年齢を重ねると、葬儀という儀式に抵抗は少なくなりますが、できる限り考えたくないイメージに違いありません。

どれだけ国内で生花祭壇のすばらしい作品をSNSなどで発信しても、花を多く使った造形=葬儀の花 のイメージが付きまとい、見る事やイイねをつける事に抵抗があるのかなと感じることがあります。

現在、海外で生花祭壇を取り入れている国は僕が知っている中で、中国、韓国、台湾、ベトナムですが、比較的仏教の国が多く、葬儀に生花祭壇が使われていると思います。

映画などでも見たことがある方がいると思いますが、ヨーロッパやアメリカなどでの葬儀は日本とは違うイメージがあると思います。

また、日本とは違い、菊が葬儀のイメージという概念は全くありません。

ヨーロッパやアメリカではイベント装飾などでも生花祭壇の技術を生かせるのかなと思っています。

 

僕はこの業界が本当に好きで、一見ネガティブな業界に見えるかもしれないんですが、ご家族の方々に喜んでいただける素晴らしい仕事だと思っています。

世界進出面白い!絶対目指した方がいい!と思う方は高評価を

生花祭壇業界ちょっと不安だなと感じた方はコメントを入れてくれると嬉しいです