先日、バイクで初めて転倒しました。
状況としては、家を出てすぐ、国道へ出るところで、
加速しながら左折したら後輪がずるっと滑ってそのまま転倒。
幸いにもケガは膝をちょっと擦りむいたのと、数か所の打撲程度で病院に行くまでもありませんでした。
バイクも左側のミラーとカウル、ステップが損傷したくらいで、エンジンも掛かるし、人もバイクも軽傷で済んで良かったのですが、本当にただ運が良かっただけだと思っています。
まず転倒したとき思ったのは、後続の車が停まってくれなかったらそのまま轢かれてしまうなっていうこと。
それと片側二車線の本線側で転倒したけれど、バイクは追い越し車線側に滑っていってしまったので、他車にぶつかっていないか。
ぶつからないまでも、急ブレーキを掛けさせてしまって、追突事故を誘発させていないかとか、、
地面を転がりながら自分のケガの状況もそうですが、ほかの車に被害がなければいいなぁと考えていました。
時速にしてみたら、20キロちょっとしか出ていなかったと思うのですが、20キロと言えば、自転車だったら結構飛ばしてやっと出る速度です。
そのスピードで生身の人間がアスファルトの上に放り出されるとそれなりにダメージはあって、
何メートルか滑って転がってやっと止まりました。
そのせいで、2,3日は肩とかお尻とかが打撲で痛かったです。
あと、受け身ですごく力を入れるせいか、全身筋肉痛みたいになりました。
ただ、フルフェイスのヘルメットにプロテクター入りのジャケットとグローブ、ライディングシューズを身に着けていたので、ダメージはかなり防げたと思います。
ヘルメットの後頭部はそれなりの傷が入っていたし、ジャケットもプロテクターの入っているところが、ことごとく傷がついていたので、高いだけあって良くできているなぁと妙に感心したりしました。
ただの自損事故で他人を巻き込まなくて良かったのですが、真っ先に助けにきてくれたのは目の前にバイクが転がってきてビックリさせてしまったすぐ後続を走っていた運転手さんでした。
転倒後ヨタヨタ立ち上がったところに駆け寄ってきてくれて、
「大丈夫ですか?ケガないですか?」と身体の心配をしてくれて、一緒にバイクを動かしてくれました。
初めて横倒しの自分のバイクを起こそうとしたのですが、とても重たくて自分一人じゃ到底無理でした。
しかも事故直後で気が動転していて、ギアをニュートラルにするのも自分じゃできなかったりしたのに全部やってくれました。
さらに驚いたのが、バイクを道端に寄せて貰ったあとに、自分で110番して警察が来るのを一人ぼんやり待っていたら、助けてくれた方がまた現場に戻ってきてくれて、
「大丈夫?甘いもの口に入れて気を落ち着けてね」
と水とチョコレートを差し入れで買ってきて下さいました。
本当にありがたくて涙が出ました。
自分も同じような場面に出会ったら絶対に人助けをしようと心に誓いました。
バイクに乗り始めて約17年たってました。
その間15万キロ以上走っていますが、今回が初めての転倒でした。
しかも初めてのケガ。
バイクに転倒とケガは付き物と言う人がいるけれど、僕はそんなこと全く思っていなくて、
ちょっと滑って転んだだけであっさり死んでしまう乗り物だけに、転ばないのが最大の正義だと思ってバイクに乗ってきました。
今回、その正義を破ってしまったので、これを機にバイクは一旦降りることにしました。
実際、結婚してからというもの、ほとんどバイクに乗る機会もなくなり、多いときは年間2万キロくらい余裕で乗ってたのが、ここ数年は大体年に千キロ走ってれば良い方でした。
昔ほどの好奇心と行動力がなくなったというか、乗れば楽しくて仕方なかったのですが、乗るまでが億劫というか、なんだかんだ理由をつけて乗らなくなってしまっていて、もういつ手放しても良かったんだけれど、踏ん切りがつかなくてとりあえず車検だけは通してた状態。。
なので、これを機会にすっぱり処分しました。事故った2日後に。
僕の人生の中でバイクに出会ったことはものすごくウエイトが大きくて、
バイク一つでいつでもどこにでも行ける自由を手に入れたという事実は、僕の行動範囲はもとより、自分の考え方自体も大きくしてくれた大切なモノでした。
もともと旅好きだったこと、独身で時間だけは作ることができたこと。
30代で体力も一番あってストイックに好きなところに好きなだけ走っていけたこと。
バイクという乗り物の人馬一体感と跨るだけでくだらない日常からめくるめく楽しい非日常の世界に行くことができたこと。
とにかく刺激的で、自分の好奇心をたっぷり満たしてくれる魅惑の乗り物でした。
北は北海道の宗谷岬。
南は鹿児島の志布志。
東は納沙布岬。
西は長崎の西海市。
本州最北端の大間崎、最南端の潮岬、最西端の毘沙ノ鼻にも全部行きました。
最東端の魹ヶ崎なんて、バイクを降りて往復2時間の山道を脱水症状のままなんとか歩いて辿り着いたりしたんだけれど、それも今では楽しい思い出というか、当時だって辛かったけど楽しくて仕方なかったのです。
日本地図を見れば、どこを見ても楽しい思い出だらけなんです。
グーグルマップをちょいちょいいじるだけで、あの頃にタイムスリップできちゃうんです。
そんな宝物をたくさんプレゼントしてくれたバイクには感謝しかありません。
今回の事故の場所は家から歩いていけるくらいすぐ近所でした。
事故った後に大切な予定があったわけでもなかった。
ケガは右ひざをちょっと擦りむいたくらい。
他人を巻き込むこともなかった。
変な例えだけれど「事故としては、これ以上ないくらい好条件で幸運」な事故でした。
この幸運な事故を最初で最後の事故にします。
なのでここでバイクを降りるのはやっぱり正解なんだと思います。
事故直後はこんな内容の記事は書くつもりは全然なかったのですが、
このブログは、バイクに人生の楽しさを教わってなんとかその幸せな感覚を記録に残して置かなければ!と思って始めたバイクブログでした。
だからバイクを降りることもやっぱり記録しておかなければと思い書きました。
2010年5月から11年半、僕の奥さんよりも長い時間を過ごしてきた相棒のYZF-R1君が、またバイク好きなオーナーの元に行って、元気良く走ってくれることを心から祈っています。