昨日までの寒さや雨と違い、今日は気温も戻り、晴天で野外イベント日和。
中野三絃会さんは、津軽三味線や民謡、手踊り等の団体です
毎月第2と最終の土曜日の18時30~19時に『極楽湯 青森店』で行われている定期演奏会のレポ記事や演奏動画で紹介しているのでお馴染みでしょうが
今回のイベント演奏は、演奏者の数が極楽湯の時の3、4人より多く7人でした
楽曲は『鰺ヶ沢甚句』『黒石よされ』『津軽じょんがら節(新旧節)』(歌入り、合奏、ソロ)です
演奏動画(フルバージョン)はこちら↓↓
中野みち子さんソロ(津軽三味線)
中野三絃会さん
『極楽湯 青森店』の定期演奏会とは演奏者、客層、シチュエーションが違うので、また違った印象でした
俺は中野三絃会さんの方々と接するようになってから、津軽三味線や青森の民謡、他県の日本の民謡や世界の民謡やフォークソング、カントリー・ミュージック等を改めて掘り下げています
クラシック音楽でも、バルトークやコダーイをはじめ、民謡を掘り下げている作曲家は結構いて、沢山の作曲家が民謡を採り入れた楽曲を作曲しています
ヴィクトリア・ロス・アンヘレス(ソプラノ)の歌唱による『バイレロ』
思わず深呼吸したくなるような、澄んだ空気の高原の中にいる気分になれるカントルーブの美しいオーケストレーションがとてもステキです
カントルーブ『オーヴェルニュの歌』に限らず、洗練されたオシャレな管弦楽やピアノの伴奏を加える事は、民謡ならではの土臭さ、生活感が失われて、民謡の魅力を逆に損なうので逆効果という考えもあり、それはある意味正しいと思います
ラフな格好やスッピンから、ドレス着てフルメイクしたようなもんですからね。もはや別物
カントルーブのオーケストレーションも、オードリー・ヘプバーン主演の映画『マイ・フェア・レディ』、ジュリア・ロバーツ主演の映画『プリティ・ウーマン』並みの変身レベル
ただ民謡の編曲は、洗練されて民謡が苦手な人でも聴きやすくなって、民謡や伝統音楽に関心を持ってもらいやすくなるというメリットもあります
自分がもし青森の民謡や津軽三味線楽曲の編曲依頼を受けたら、条件によりますが、引き受けるでしょうね
やるなら頭で知るだけでなく、自分でも本来の様式で歌ったり弾いたりして、本来の味わいを体にしっかり刻み込んでからやります
受け入れやすい環境を作り、本気で掘り下げたくなった人には本来の形を伝えて行けばいい
クラシックのオーケストラ楽曲だって、古楽器でやるのが本来の形ですが、モダン楽器での演奏で普及していき、1980年代辺りから『ピリオド・アプローチ』(作曲当時の楽器、音律、演奏様式での演奏)が一気に増えてきましたし
まだまだモダン楽器での本来の形ではない状況での演奏も多いですが、いつかは『ピリオド・アプローチ』が主流になる時が来るのは確実でしょう
ブルックナーの交響曲も、弟子や指揮者が改訂したりして、当初は本来のとは違う形で演奏されてきましたが
徐々に本来の原典版で演奏されるようになり、現在は原典版のどれかでの演奏が普通です
チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルのブルックナー『交響曲第9番』第3楽章(1995年ライブ)
これは楽曲も演奏も、クラシック音楽の中の最高峰の一つ
ブルックナーの交響曲の改訂版も原典版が主流になってからは改悪扱いになりましたが、そこから一歩進んで、改訂版もそれならではの魅力があると見直されてもいます
視野が広がり、音楽への考え方が変わります
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